新『サムスピ』ロード時間に驚く高齢ゲーマー。『ドラゴンクエストビルダーズ2』の生活感が好き。『Shakedown: Hawaii』で似非エコ企業経営。今週のゲーミング

 

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。186回目です。E3期間に入りました。無理のない程度に夜更かししましょう。

 

物販でつい買ってしまった

先日、BitSummitにて『フライングパワーディスク2』を触ってきたため、にわかに熱が高まり『フライングパワーディスク』をプレイしていました。あらためて言うことでもないですが、やはり完成度の高さを実感します。1レバー2ボタンながら多彩なショットを繰り出せ、スピード感溢れる試合展開では、こんなに狭いコートの中で一瞬の油断も許さぬ駆け引きが生まれます。新作では、こうした基本要素はそのまま受け継がれているように感じられ、注意を払って制作していることが伺えます。

ここに新要素として、レシーブしたフライングディスクを空中でキャッチして投げ込んだり、手刀のような形で弾き返したりといったアクションが加わりますが、短い時間ながら試した感触では、どちらも奇襲の側面が強い印象でした。そのため従来のコートではなく、ワイドサイズの新コートでこそ真価が発揮されるのかも。次にプレイできるのは発売当日かな。楽しみです。
by Taijiro Yamanaka

 

約20年振りに触れるサムスピ

5月31日~6月20日までの期間限定で配信されている『SAMURAI SPIRITS』体験版をPS4でプレイ。このゲームをプレイして驚いたのは何よりもそのロードの速さだ。とはいっても、このゲームが他のゲームに比べてロードがとんでもなく速いというわけではない。ただ、私の中での比較対象がネオジオCD版『サムライスピリッツ』なものだからそう感じてしまったのだ。

1994年に発売されたネオジオCD版『真サムライスピリッツ』などは、ゲームが開始するまでに1分以上ロード画面が表示され、1対戦行うごとに20秒超のロード時間がはさまるという地獄のようなプレイ環境だった。「ジー、ジー」というディスクメディアから情報が読み取られる際聞こえるシーク音を耳にしながら、無心の表情でロード画面を見つめていたものである。その時代に比べると、昨今のロードのなんと速いことか。ゲームタイトルにおいてはDL販売が主流になりつつあり、パッケージソフトもメディアインストール機能などで本体にデータを保存できるようになっている。もはやディスクメディアからの遅い読み取りを都度都度待つ時代ではなくなったのだ。その上本体のHDDをSSDに換装してロード時間の更なる短縮まで可能になっているというではないか。あな恐ろしや、である。

最新のサムスピに触れてみて、UNREAL ENGINE 4を採用した美麗なグラフィックよりもロード時間の変化に驚いてしまうのは、高齢ゲーマーだからだろうか。
by Yoshinori Sato

 

普通に登りませんか?

今週は吸い込まれるように買ってしまった『Jump King』をプレイしていました。『Jump King』は、どういうわけか壺にハマって抜け出せない筋骨隆々の男性を操作し、ハンマー一本で頂きまで至らせる悪夢のゲーム『Getting Over It with Bennett Foddy』に、主にビジュアル面で『Shovel Knight』を悪魔合体させ、ジャンプアクションに仕立てたゲームです。何故合体させようと思ったのか、これがわからない。

本作で操作するバケツ男は、壺男と異なりジャンプが可能なのですが、そのジャンプがかなりの難物。ボタンを押している時間に応じてジャンプの強さが増していく為強度の調節が難しく、空中での制御は一切できないので、ただジャンプして次の地点に着地するだけのことが難しい。ステージを反復横跳びしながら少しずつ進み、難所をクリアしたと思ったら次の瞬間にはスタート地点に逆戻りし、全てが無に帰るプレイ感覚は『Getting Over It with Bennett Foddy』の悪夢を思い出させてくれます。逆に言えば壺男が持っていた絶対に落ちたくないとプレイヤーに心から思わせる特異なゲームプレイ。登れば登るほどに動悸は激しく、息も荒くなってくるような体験を本作も持っているということなので、変わった一品を求めている方にはおすすめです。
by Keiichi Yokoyama

 

生活感大事

BitSummit取材に発表会に深夜対応、そして風邪っ引きなど多忙と体調の異変によりゾンビライフをおくっておりました。家にいる時間自体が少なかったですが、電車など合間合間で『ドラゴンクエストビルダーズ2』を進めています。ユーザーのみなさんの素敵なクリエイションを横目に、ストーリーをいそいそと進めています。はやくエンドコンテンツを楽しみたい。

『ドラゴンクエストビルダーズ2』は発売当初から「生活感」に対する評価の声を聞いていましたが、納得(いまさらですが……)。村人がちゃんとトイレに行きお風呂に入り食事し眠る。トイレに列が並び苦しむ。オブジェクトを設置すると反応する。まるで『The Sims』シリーズを遊んでいるような感覚が味わえます。断片的にですが。食事並びについては、配給待ちみたいで笑えます。これもひとえにAIの優秀さに証明かなあと。プレイヤーが集めているものを察知して採取を手伝ってくれたり、戦闘中も敵の大技を避けたりしてくれたり、かなり賢いんです。条件に応じて勝手に色々仕事をやってくれたりもします。命令や環境に応じてうまく動いてくれて、この部分はかなり気合を入れて開発されたのではないかなと。一方複雑なゆえにデバッグも大変だったんだろうかなとも思ったり。NPCが自律的に(割と賢く)行動してくれるゲームは大体面白い気がするので、この分野の研究が進むと嬉しいです。個人的に。
by Minoru Umise

 

真似すればいいってもんじゃない

今週は2Dオープンワールドゲーム『Shakedown: Hawaii』をプレイ。老年の経営者が倒産間近の企業を再建しようと奮闘します。最新のトレンドには疎いけれど行動力はピカイチ。日常生活で学んだ知識を自社の事業に荒々しく当てはめていく、近代ビジネス/マーケティングの風刺となっています。

たとえば主人公は買物中、好きな食品が値下げされていることに気づきます。でもよく見ると中身も減っています。すると「けしからん、我が社の商品にも当てはめていこう」と行動に移すわけです。そうしてコーラ缶やボトルの中身をごっそり減らすも、すぐさま批判の的に。また経営中のコーヒーチェーンに環境保護論者たちが「プラスチック製ストローの提供をやめろ」と抗議。コスト削減のよい口実ということで、「環境保護のため」と謳ってストローや買物袋を廃止します。ですが自前袋に勝手に商品を入れて店を出られても気づけなくなり、盗難増加。

そのほか、なんでもかんでもサブスクリプション契約にしたり、とりあえずサーチャージを請求したり、クリックベイト広告で顧客を呼び込んだり。適当な果物を「スーパーフード」として高額で売りつけたり。ルートボックスを開けまくり不信な決済が続いたとしてクレジットカードをロックされたり。そうした風刺の効いた作品です。競合他社に嫌がらせをしたり、邪魔者を抹殺したりといったクライムアクションゲームでもあります。
by Ryuki Ishii