『Virtua Fighter 5 R.E.V.O.』発売後ミニインタビュー。Steam版の反響から初の公式グローバル大会「VFOC」まで、開発者が語る今と未来

セガは1月28日、ロールバックネットコードを搭載した『Virtua Fighter 5 R.E.V.O.』をSteamで発売した。
同作によってグローバル展開はさらに加速しており、「Virtua Fighter」シリーズ初の試みとなる公式グローバル大会「Virtua Fighter Open Championship(VFOC)」も開催される。そうした中で、開発プロデューサー青木盛治氏に発売後の反響と今後の展望を訊いた。
――改めまして『Virtua Fighter 5 R.E.V.O.』(以下、VF5 R.E.V.O)発売おめでとうございます。個人的にも日々楽しませていただいております。ユーザーとしても、Steam版のリリースには大変感謝しています。
青木氏:
『VF5 R.E.V.O.』を遊んでいただき、誠にありがとうございます。より一層楽しんでいただけるよう、今後も開発やさまざまな施策を進めてまいりますので、ぜひご期待ください。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
発売後の反響と現状
――まず、発売から一定期間が経ちましたが、現在のコミュニティの反応はいかがでしょうか?
青木氏:
過去作を遊ばれていた方に限らず、新規の方も含めて、世界中の多くの皆さまにプレイしていただいています。また、プレイヤーの皆さまが主催されているオフライン/オンラインイベントや、動画配信なども活発に行われており、コミュニティが拡大していることを実感しています。
――Steam版のリリースによって、新規プレイヤーや復帰勢の増加は感じていますか?
青木氏:
ファイティングゲームとSteamの親和性は高く、加えて「ロールバックネットコード」の実装によって快適にプレイできることもあり、世界中の多くの方に手に取って遊んでいただいています。本当にありがとうございます。
――前回のインタビューでは、海外にも向けたSNSや公式Discordなどでの情報発信を予定されていると伺いました。実際に海外での手応えはいかがでしょう?
青木氏:
1月にシカゴで開催された「Frosty Faustings XVII 2025」に『VF5 R.E.V.O.』を出展させていただき、私自身も現地で観戦しましたが、北米のファイティングゲームコミュニティの熱量は想像以上に高く、改めてバーチャファイターの根強い人気を実感しました。
――ちなみに、日本と海外の売り上げ比率についてはいかがでしょうか?
青木氏:
やはりプレイヤー人口の多さに比例して、日本よりも海外、特に欧米での人気が非常に高く、コミュニティも大きく広がっています。
バトルバランスとアップデートの方針
――今後のバランス調整の方針について、どのように考えていますか?
青木氏:
『VF5 R.E.V.O.』をさらに盛り上げていくためにも、プレイヤー環境や皆さまからのご要望に応じて、その都度検討していきたいと考えています。実施する際は、シリーズ初の公式グローバル大会「VIRTUA FIGHTER Open Championship(VFOC)」の開催時期にも十分配慮しつつ、慎重に進めたいと思います。
――ユーザーから特に多い意見として、どのようなものがありますか?
青木氏:
トレーニングモードの充実やリプレイ保存機能について、多くのご要望をいただいています。その他、アイテム追加に関するご意見も多いですね。
――今後のアップデートで、バランス以外に注力していく部分について教えてください。
青木氏:
基本方針としては、さらなる快適な対戦環境の構築を目指しています。また、先述したトレーニングモードを含むシングルプレイ要素の強化もご要望いただいており、皆さまの意見や優先度を踏まえつつ検討を進めてまいります。

オンライン環境とネットワーク対戦
――初動のオンライン環境やマッチング状況について、開発側としての感触はいかがですか?
青木氏:
PC環境はコンソール機と異なり、さまざまなプレイ環境への対応が必要という点で苦労しました。初期には通信エラーが発生することもありましたが、公式Discordなどでいただいたユーザーの皆さまのフィードバックのおかげで、徐々に安定度は向上しています。
ただ、まだ粗削りな部分もあると考えていますので、引き続き積極的に改善に取り組んでいきます。
――ロールバック方式を導入しての運用から得られた知見や、今後の改善点があれば教えてください。
青木氏:
ロールバックネットコードの実装は初めての試みだったため不安もありましたが、従来のディレイ方式より圧倒的に快適というご意見が多く、好評と捉えています。一方で、ワープ現象など調整不足な部分もありますので、オフラインに近い感覚でプレイできる環境を目指して改善してまいります。
――ロールバック方式に関するユーザーからのフィードバックで、特に多かったものはなんでしょうか?
青木氏:
ロールバック発生時の視覚的なズレや、SE(効果音)のズレについて多くご意見をいただきました。ゲームプレイに直結する重要な要素ですので、最優先で対応することを心がけています。
――「Ver.1.02」でのロールバック関連の調整後、コミュニティの反応はいかがでしたか?
青木氏:
反応としてはかなり良好でした。ただし、ロールバックフレーム数によってはまだ目立ってしまう部分もあるので改善の余地があることは認識していますので、引き続き対応を検討していきます。
――公式グローバル大会「VFOC」について、現在の進捗を教えてください。
青木氏:
すでに発表させていただいた通り、「VF」シリーズ史上最高額となる賞金10万ドルをご用意しています。

最後に
――これから『VF5 R.E.V.O.』を始める方や復帰を考えている方へメッセージをお願いします。
青木氏:
新規の方に興味を持っていただけるような初心者向けのコンテンツ制作やイベントを開催していきます。また、「VF」初の公式グローバル大会「VFOC」や「EVO Japan 2025」にもVFファンの皆様にご参加いただき、皆様と一緒にバーチャファイターコミュニティを盛り上げていきたいと思います!
――シリーズファンに向けて、最後に一言お願いします。
青木氏:
今春より「VF」シリーズ初の公式グローバル大会「VFOC」が始まります。世界各地の予選を勝ち上がったプレイヤーが集結するGRAND FINALでは、賞金10万ドルが授与される予定です。ぜひご参加・ご注目いただき、共に新たなVFの歴史を作っていただければ嬉しいです。
『Virtua Fighter 5 R.E.V.O.』は、3月14日(金)よりSteamストアにて通常版および30thアニバーサリーエディション共に3月20日(木)まで20%オフセールが開催中だ。興味がある方やかつて『Virtua Fighter』シリーズを遊んでいた方などはこの機会に手に取ってみたはいかがだろうか。
[聞き手・執筆:Hiroshi Hirose]