Valve、Steamの利用に特化した「SteamOS」の他社製デバイスへの提供に向け開発進める。ASUS ROG Ally対応は一歩前進か


Valveが手がけるオペレーティングシステムSteamOSについて、同社は他社のPCデバイスにも正式に提供する方針を掲げているが、現時点ではまだ実現していない。ただ開発は今も進められており、最近になってASUSのROG Ally向けの進捗が確認された。海外メディアThe Vergeが報じている。

SteamOSは、Linuxベースのオペレーティングシステムだ。Valveの携帯型ゲーミングPCであるSteam Deckに標準採用されていることで知られる。Steam向けゲームのプレイに特化したOSであり、基本的なUIはSteamのBig Pictureモードと共通。Steam Deckにおいては、Steamのライブラリやストア、各種設定に簡単にアクセスできるほか、互換レイヤーのProtonを介して対応するWindows向けゲームもプレイ可能となっている。


Steam Deck向けに提供されているSteamOSでは、ベータおよびプレビューチャネルを対象としたアップデートが8月8日に配信開始。さまざまな問題の修正や、特定のコントローラー製品のサポートの追加などがおこなわれた。またパッチノートには、「追加のROG Allyキーのサポートを追加」という項目も含まれている。

ROG Allyは、ASUSから発売中の携帯型ゲーミングPCだ。OSにはWindows 11が標準採用されている。一方で上述のパッチノートの記述は、SteamOSがROG Allyに対応するものとも受け取ることができ、今回注目が集まった。この記述について、ValveでSteam Deckの開発に携わるLawrence Yang氏は海外メディアThe Vergeの取材に対し、SteamOSにおけるサードパーティ製品のサポートに関連するものだと回答。ValveではSteamOSにおいて、ほかの携帯型デバイスのサポートを追加する作業を続けているとのこと。

すなわち、今回のアップデートにてSteamOSのROG Ally対応が一歩進んだかたちだろう。ただし、ASUSがSteamOSを正式に採用するかどうかは別の話であり、The VergeによるとASUSはWindowsの搭載を優先しているという。マイクロソフトが、多様な構成のデバイスでの動作を検証する専門チームをもっていることが大きな理由だそうだ。

現時点でSteamOSは、他社製デバイス向けに正式には提供されていないが、Yang氏によると開発は着実に前進しているとのこと。いずれSteamOSを正式採用する携帯型ゲーミングPCが、Valve以外からも発売されるかもしれない。