Ubisoftは9月26日、『アサシン クリード シャドウズ』と『スター・ウォーズ 無法者たち』のPC版について、Steamにてリリースする計画を明らかにした。また今後の新作についても、すべてSteamで同時リリースしていく方針だという。海外メディアPC Gamerが報じている。
『アサシン クリード シャドウズ』と『スター・ウォーズ 無法者たち』のPC版は、これまで自社ストアであるUbisoft StoreとEpic Gamesストアのみの対応となっていた。しかし『アサシン クリード シャドウズ』は来年2月14日の発売時から、また『スター・ウォーズ 無法者たち』は海外時間11月21日にSteamでもリリースされることとなった。
Ubisoftは、『アサシン クリード シャドウズ』の来年2月14日への発売延期を投資家向けに報告するなかで、新作の発売初日からSteamにてリリースすることに立ち戻る作品になると表明(関連記事)。この点について海外メディアPC Gamerが同社に確認したところ、将来のすべての新作を、他ストアと同時にSteamでもリリースしていく方針であることを認めたという。
もともとUbisoftはSteamでも新作をリリースしていたが、2019年3月発売の『ディビジョン2』においてEpic Gamesと提携。同作のPC版は、前年12月に正式オープンしたEpic GamesストアとUbisoft Storeにて販売され、Steamでのリリースは見送られた(関連記事)。そしてその後の新作も同様に、Steamで展開されることはなかった。
ただ2022年末になって、『ディビジョン2』や『アサシン クリード ヴァルハラ』などを皮切りに、Steamでの配信が再開。その後も一部作品を除いて、新作のリリースはEpic GamesストアとUbisoft Storeのみとされながらも、期間をおいてSteamでも展開される流れが続いた。直近では、今年2月発売の『スカル アンド ボーンズ』が、8月になってSteamでもリリースされている。今回の発表はこうした従来の方針を撤回し、Steamに完全回帰するものとなる。
先述したように、『ディビジョン2』が発売されたのはEpic Gamesストアが正式オープンしてすぐのタイミング。また同ストアでは、メーカーとストア側の収益分配率が88:12に設定され、Steamなどと比べてメーカー側に有利な条件となっている。有力タイトルを確保したいEpic Gamesと、より大きな収益を期待するUbisoftの思惑が一致し、提携を結ぶことになったものと思われる。
ただ、UbisoftがSteamへの回帰を段階的に進めてきたことから察するに、同社としては思うような成果が得られなかったのかもしれない。結果として、新作の発売時からSteamでも同時リリースすることが売り上げの最大化につながると判断し、今回の方針転換に至ったのだろう。近年では、EAやActivision、マイクロソフトなどほかの大手メーカーも、Epic Gamesストアや自社ストアでの専売からSteamへの回帰を進めている。