マイクロソフト/Asobo Studioが開発中のフライトシミュレーションゲーム『Microsoft Flight Simulator 2024』。同作について9月19日、Xbox Wireが詳細情報や新要素などを紹介している。その中では、前作『Microsoft Flight Simulator』と比べ、インストールサイズがなんと約5分の1となる、30GBほどに収められていることも明かされている。
『Microsoft Flight Simulator 2024』はフライトシミュレーションゲームだ。2020年発売の前作『Microsoft Flight Simulator』に続く新作として11月19日、PC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|S向けにリリース予定。なおXbox/PC Game Pass向けにも提供される。
本作は、マイクロソフトのクラウドサービスAzureやAzure AI、Bing Mapsと連携し、地球上の環境のリアルな3Dモデルがゲーム内に生成されることが特徴。ゲームプレイでは、単に飛行機を操縦するだけにとどまらず、VIP客のチャーター機や、商業飛行、捜索救難、空中からの消火活動、エアレース要素といった航空業界でのキャリアを楽しめる。さらには飛行機から降りて、自由に歩いて回ることも可能。前作からさらに向上したゲームプレイが紹介された(関連記事)。
そんな本作について、Xbox Wireは9月19日、さらなる詳細情報を公開。本作では仮想環境のディテールが前作に比較し4000倍となっているとのこと。そのため現実世界のデジタル再現(デジタルツイン)である本作中の世界では、地面には高さの情報だけではなく、小さな石、岩、砂利、草といったものがすべて3Dでモデル化されているのだという。この地面のディテールは離着陸における車輪と地面間の作用に影響するそうで、その規模は、基本的に地球上のすべての岩石を再現できているとアピールされている。
ほかには大気のライティングも改善。特に日の出、日の入りの時間帯には、雲の組成によってさまざまな色に変化するようだ。さらに巻雲なども再現されており、上層の大気がよりハイレベルな表現でシミュレーションされているとのこと。
こうして“超高精細”な環境を再現しているにもかかわらず、ゲーム本体のインストールサイズは約30GBに抑えられているのだという。前作『Microsoft Flight Simulator』では、公式サイトによると「最低要件」として、150GBの空きストレージ容量を要求されていた。大規模なシミュレーションゲームということもあり、テクスチャや地形データのダウンロードというかたちで多くのストレージが必要だったのだろう。しかしながら新作では、最新のクラウドストリーミング技術を活用することにより、その約5分の1のサイズに削減されているという。
そのうえ、ストリーミングをおこなう際にも、使用する帯域幅の消費量も減少していると明かされている。Asobo StudioのCEO兼共同創設者のSebastian Wloch氏によれば、プレイにおいて本当に必要な部分しかダウンロードしないようにしたとのこと。具体的には、たとえば日本上空を飛ぶ際にはその周辺地形情報のみダウンロードし、欧米などのデータはダウンロードしないまま動作する、という仕様だそうだ。
ちなみに前作『Microsoft Flight Simulator』では、クラウド上には2PB(ペタバイト)、つまり2000TB分、全世界のデータとして収められていたそうだ。そしてプレイヤーはそのうち飛行機や空港、テクスチャなどの部分をインストールしていたという。一方最新作となる『Microsoft Flight Simulator 2024』では、たとえば最低、あるいは中品質のテクスチャを取り込みつつ、クラウドで高品質なアセットをストリーミングするなどして、最適化をおこなうとしている。
より高精細な表現や新たな体験が追加されつつも、インストールサイズが驚異の“80%オフ”となった『Microsoft Flight Simulator 2024』。大幅なサイズ削減を実現した裏には、クラウド技術の活用があったようだ。プレイヤーとしても、100GBほど使用ストレージが削減できるのは喜ばしいことだろう。空き容量を気にすることなく、思う存分本作を楽しむことができそうだ。
『Microsoft Flight Simulator 2024』は、PC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|S向けに11月19日に発売予定。Xbox/PC Game Pass向けにも提供される。