『Gears of War: Ultimate Edition』国内での発売見送りに、“倫理適合を得る”修正が困難であると判明


公式ブログXbox Japan Blogにて、『Gears of War: Ultimate Edition』の国内発売が見送られることが明らかにされた。倫理適合を得るための修正が困難であることが判明したと報告しており、ファンに対し謝罪している。

『Gears of War: Ultimate Edition』に含まれる新しいコンテンツを含め、国内倫理適合を得るべく開発検証を行って参りましたが、適合を受けるすべての修正が困難であることが判明し、国内発売を見送ることとなりました。本作の発売を心待ちにしていた Xbox ファンの皆様へは、残念なご報告となり申し訳ございません。

今後『Halo 5: Guardians』『Forza Motorsport 6』『Fable Legends』などの専用ゲーム ラインアップ、そして『Rise of the Tomb Raider』など年末にかけて予定されている期待の新作など、Xbox で今までにないゲーム体験をユーザーの皆様に引き続き提供してまいります。

『Gears of War: Ultimate Edition』は、今年のE3 2015にて正式発表された初代『Gears of War』のHDリマスター作だ。マルチプレイヤーモードにおいてはシリーズ最新作までの各種コンテンツやモードが盛り込まれ、さらに年内に購入すればシリーズの過去全4作品(いずれもXbox 360タイトルだが、後方互換によりXbox One上でも動作する)が購入者に無料で提供されることが明らかにされていた。後方互換とはいえ、今までの『Gears of War』シリーズをXbox One上ですべてプレイできる総決算的な作品だっただけに、残念に思う国内ファンも少なからずいるだろう。また同作には最新作『Gears of War 4』のベータテスト参加権も収録されていた。

Xbox Oneはリージョンフリー、PC版もあるが

初代『Gears of War』は2006年11月に海外でリリースされ、国内では3か月遅れとなる2007年1月に「CERO Z」にて販売。ヘッドショット時に頭が吹っ飛ばないなど、一部表現が規制されていた。『Gears of War』は国内では初代から常に規制がつきまとってきたシリーズであり、『Gears of War 3』では日本のXbox 360本体では紐付けされる形で、断面が灰色へと変更されたり、ミートシールドの表現が変更されるといったことが続けられてきた。ただ今回のように発売自体が見送られるのは初の事態だ。最後に国内で発売されたのは2014年3月にリリースされたスピンオフ『Gears of War: Judgment』である。

Xbox Oneはリージョンフリーであることが公表されており、過去の本体紐付けのような形でプレイ制限がかけられない限りは、北米向けの『Gears of War: Ultimate Edition』リテール版は日本のXbox One上でもプレイできると予想される。またXbox Oneだけでなく、E3 2015のPCゲームイベント「PC Gaming Show」では、Phil Spencer氏よりPC版もリリースされる予定であることが明らかにされていた。ただし北米版などに日本語音声が収録されていない限りは、廣田行生氏や大西健晴氏といった声優たちの素晴らしいボイスアクトを聞くことはできない。

しかしHDリマスター版のおおもととなっている初代『Gears of War』が約8年前に発売できていたことを考慮すると、今回の決断は腑に落ちないところも多い。CEROの表現規制の変化によるものなのか、日本マイクロソフト側に修正開発を進めるだけのリソースがなかったのか、あるいは、と考えは続く。邪推は深まるばかりだが、ともかく“倫理適合”の魔の手が『Gears of War 4』にも伸びないことを祈るばかりだ。