近未来のバーから社会の裏を描くサイバーパンクゲーム『VA-11 HALL-A』が配信開始。「ニコ生」をフィーチャーする要素も


ベネズエラのデベロッパーSukeban GamesとパブリッシャーYsbryd Gamesは6月21日、Steamitch.ioにて『VA-11 HALL-A』の配信を開始した。『VA-11 HALL-A』は荒廃した近未来のバーを舞台としたとしたアドベンチャーゲーム。大企業が世界を支配し、人々はナノマシンが植え付けられ抑圧された生活を強いられていた。プレイヤーはそんな世界の片隅にある「VA-11 HALL-A」のバーテンダーとなり、バーを訪れる客と会話しながら、カクテルを提供するなど良好な関係を築くことでシナリオに新たな展開が訪れるのだという。

基本的なシステムは客と会話を進めていくアニメ調のビジュアルノベルであり、ドリンクの提供がゲームのアクセントとなっている。オーダーされたドリンクを作るために正しい材料を選択し、適切な時間シェイキングしなければならない。このプロセスは説明ほど難しくなく、慣れてくれば「甘いドリンク」といった抽象的なオーダーに対しどういった手法で作るかという工夫の余地も多くなっていくそうだ。本作には経営要素も導入されており、客のオーダーに的確に応えて多くのチップを獲得し、経営を安定させていく必要がある。

客として訪れるキャラクターたちはそれぞれに悩みを抱えている。報道の腐敗を嘆く者がいれば、ロボットの非倫理的な利用に憤る者など、さまざまな背景を持っている彼らと仲良くなることにより物語の核心に迫ることができるのだという。また、バーテンダーとのやりとりを動画サイトに配信するようなキャラクターも存在し、Twitchやニコニコ生放送を彷彿とする演出があるのも特徴的だ。このように、バーを訪れるいろんな客とうまく会話を弾ませながら、好みにあったドリンクを提供し気を大きくさせ、舞台の裏側を知っていくのがゲームの流れとなる。

Steamとitch.ioのレビュー欄はすでに絶賛のコメントで埋め尽くされ、ネット文化とサイバーパンクをうまく融合させた世界観や小洒落た音楽などを中心に高い評価を得ている。本作はストーリーテリングと小気味よい作業を融合させたという点で『Papers, Please』を思い起こさせるとの声もある。2015年の東京ゲームショウに出展されたデモには日本語も用意されていたので、日本語のリリースも期待できそうだ。英語での雰囲気を感じ取りつつ、続報を待ちたいところだ。