コーエーテクモ、AAA級ゲーム開発特化の新スタジオ設立。Team NINJA・ω-Forceとは異なる、大型プロジェクト特化スタジオとして

コーエーテクモホールディングスは4月30日、2024年3月期決算を発表。『Rise of the Ronin』の好調ぶりが伝えられたほか、AAAクラスの大型タイトルを手がける新スタジオが立ち上げられたことも明かされている。

コーエーテクモホールディングスは4月30日、2024年3月期決算を発表した。このなかでは『Rise of the Ronin』の好調ぶりが伝えられたほか、AAAクラスの大型タイトルを手がける新スタジオが立ち上げられたことも明かされている。


今回発表された2024年3月期決算ではまず、Team NINJAが手がけ2024年3月22日にソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)より発売された『Rise of the Ronin』について言及。決算報告によると、同作は『仁王』シリーズを超える滑り出しを見せているという。レビュー集積サイトMetacriticでは4月26日時点でユーザースコア8.7を獲得しており、高評価を得ているようだ。また同作は新規IP・新分野・AAAクラスへのチャレンジを掲げるタイトルであり、コーエーテクモホールディングスにとって重点目標とされていたとのこと。

決算報告では同社が「世界No.1のデジタルエンタテインメントカンパニー」というビジョンを掲げていることも伝えられている。また新しいIP・新しいジャンルへのチャレンジと成功が中長期的な成長の源であると言及。大型のヒットタイトルを自社でコンスタントに創出できる体制作りを達成に向けた方針として掲げており、引き続きAAAクラスの大型タイトル開発へのチャレンジがおこなわれていくそうだ。

なお『Rise of the Ronin』について、主要メディア各社のプレイレビューから同社が判断した課題点としては、オープンワールドとしての新規性およびグラフィック品質が挙げられた。今後の成長戦略としては成長ジャンルとしてオープンワールドへの挑戦継続のほか、生成AIなどの新技術を活用した制作工程のイノベーションも掲げられている。

『Rise of the Ronin』

そして決算報告では、開発体制の増強として、新たな「AAAスタジオ」が立ち上げられていることも明かされた。同スタジオではブランドの枠組みを超えた大型プロジェクトの開発が始動しているとのこと。パッケージ向けの大型タイトル開発に特化したスタジオになるとみられる。

コーエーテクモホールディングスは2022年度~2024年度の中期経営計画として、パッケージゲームでは(売上)500万本級の新規IPのパッケージゲームのリリースと、毎期200万本級のパッケージゲームのリリースを掲げてきた。2022年度の『Wo Long: Fallen Dynasty』および『WILD HEARTS』、2023年度の『Rise of the Ronin』に引き続き、新スタジオを立ち上げつつ同社はさらなる大型タイトルの創出を目指していくようだ。

なお『WILD HEARTS』はコーエーテクモゲームスではなくElectronic ArtsのEA Originalsレーベルから発売。また先述のとおり『Rise of the Ronin』はSIEから発売された。昨年2023年3月期の決算報告では、パートナーとの協業によりリスクをコントロールするコラボレーション戦略がとられていることも明かされており、この後同社の大型タイトルがどのように展開されていくのかも注目される。

ちなみに今回の2024年3月期の決算報告では2024年度の大型タイトルのリリース予定は不明。同社の定める200万本級のパッケージ向けタイトルは1作品のリリースが予定されているとのことだ。新スタジオが手がけているという大型プロジェクトの動向も含め、続報にも注視したい。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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