『オーバーウォッチ2』にて「ルシオの決闘は見守るように」との謎作法を実況者が伝える。意外と守られる流儀

 

『オーバーウォッチ2』において、人気ストリーマーが独自に提唱したルールが注目を集めている。中でも“ルシオの決闘”に関するルールは、ユーザーの笑いや賛同を誘っている。


『オーバーウォッチ2』は Blizzard Entertainmentが手がけるオンライン対戦FPSゲーム。人気を博した『オーバーウォッチ』の続編として、基本プレイ無料タイトルとして10月5日にリリースされた。前作からの変更点としては、既存ヒーローの調整および新ヒーローの追加などが実施。また、6対6から5対5へと対戦人数が変更されている。

本作人気ストリーマーのEsKay氏が先日より“『オーバーウォッチ』ライバル・プレイ(ランクマッチ)のルール”とする投稿を続け、いずれもユーザーの注目を集めている。ルールとはいっても、同氏による「自分ルール」を投稿する、冗談めかした内容だ。同氏は前作から、サポートヒーローであるルシオの使い手 として知られている人物だ。そんな同氏は11月3日、ルシオに関しての“ライバル・プレイのルール”を披露した。

EsKay氏によれば、ルシオ同士が1対1、いわゆるタイマンで戦っている場合、味方のルシオに頼まれない限り2人に干渉してはならない、とのこと。さらに、その場合に味方に助けを頼んだルシオは「臆病者」だと付け加えている。もちろんこれは同氏の「自分ルール」であり、公式に定められたルールではない。しかし同氏は後日、この“ルール”が、ライバル・プレイで実際に守られている様子を動画として投稿している。

EsKay氏は本日11月5日、上記の投稿を引用しつつクリップを投稿。動画には、約1分間におよぶルシオ同士の白熱の1対1バトルが収められている。EsKay氏と相手のルシオはメイン射撃を撃ち合いつつ、時おりサウンドウェーブを織り交ぜて吹き飛ばし合いながら激闘。適宜クロスフェードを切り替えて自身の移動速度と体力を維持しつつ、ウォール・ライドで壁を走り、飛び回っている。ルシオの能力をフル活用したスタイリッシュな高機動バトルが展開されているわけだ。

一方で、両チームの仲間たちが助けに現れる様子はない。第三者の干渉がないまま“決闘”は続き、EsKay氏の勝利で幕を閉じた。決め手となったのは、メイン射撃、近接攻撃、サウンドウェーブの目にも止まらぬ連撃であった。

EsKay氏はクリップと共に、トップ500のプレイヤーたちは“ルール”を分かっているとコメント。トップ500とは、本作のライバル・プレイにおける最高スキル・ティアだ。グランドマスターのうち、文字通りトップ500のプレイヤーに与えられる。なお、北米サーバーにおけるサポートヒーローのリーダーボードによれば、同氏は本稿執筆時点で23位を記録している。 そのため、今回のクリップもトップ500のスキル・ティア帯での試合における一幕なのだろう。猛者たちによる真剣勝負のなかで、EsKay氏の掲げる“ルシオのタイマン不干渉ルール”が守られていたわけだ。


なおルシオの1対1対決については、本作競技リーグである「オーバーウォッチ・リーグ」のオールスターゲームにおいても繰り広げられたことがある。それは2020年の北米「Overwatch League All-Star Games」での出来事だ。ヴェネツィアを舞台にしたRIALTOのマップでおこなわれた第2試合で、FunnyAstro選手とFDGod選手の1対1バトルが勃発。両選手の駆るルシオたちは、落ちれば即死の川の上でもお構いなしに、ウォール・ライドを駆使して空中戦を展開。こちらも1分ほどの激闘が続いたのち、最終的にはFunnyAstro選手が勝利を掴んだ。

今回のEsKay氏の投稿へのリプライにおいても、上記の試合について言及するユーザーが見られる。同ユーザーはこの試合を史上最高のルシオの1対1対決と評しており、EsKay氏も「ルシオの神々だ」と同意。FunnyAstro選手とFDGod選手の決闘は、ユーザーたちの印象に強く残っている様子だ。

そしてEsKay氏の提唱した“ルール”に対しては、賛同するコメントが数多く寄せられている。中には「ルシオ対決、トールビョーンのハンマー対決、モイラ対決は、社会を支える三本の柱」とする冗談めいた意見も。また、ほかのサポートヒーローにおいても1対1は名誉をかけた戦いなので、邪魔するべきではないと主張するユーザーは見られる。一方で同ユーザーは、ブリギット対決だけは決着がつかないため例外だとコメント。各コメントは冗談めかしつつも、プレイヤーそれぞれの流儀がにじみ出ている。

なお、もちろんEsKay氏のいう“ルール”は必ず守られるべき決まりではない。本作は5対5のチーム戦であり、1対1で対決中の味方を助けることも戦略の一つだ。一方で今回のEsKay氏の動画のように、戦線から大きく離れて1対1対決を繰り広げている場合、ほかのヒーローがルシオに加勢すると主戦場の味方への負担は大きいだろう。決闘に干渉すると、かえって戦況悪化を招く可能性もあるわけだ。また、ルシオ自体が卓越した機動性をもったキャラなのもあり、横槍を入れるのが至難なケースも。味方のルシオを信じて、決闘の行く末を見守った方がいい場合はありそうだ。