ローグライトFPS『Witchfire』発売延期、“セミオープンワールド”に変更へ。『The Vanishing of Ethan Carter』開発元の新作

 

デベロッパーのThe Astronautsは10月12日、現在開発中のローグライトFPS『Witchfire』の早期アクセス配信開始時期を延期すると発表した。これまで予定されていた2022年第4四半期から、2023年前半へと延期される。

『Witchfire』は、ダークファンタジーの世界観をもつローグライトFPSだ。本作の世界では教会と魔女が対立しており、罪人であった主人公は、禁じられた魔術によって不死の魔女ハンターへと変貌させられ、戦地へと送り込まれることとなる。バチカン最高の魔術師から授けられた銃と魔法を武器に、黒海に潜む悪名高き魔女を守る軍隊と戦い、彼女を探し出す。そして、この戦局を変えることができるという、謎の遺物を回収するのだ。

本作の開発元The Astronautsは、アドベンチャーゲーム『The Vanishing of Ethan Carter』を手がけたことで知られ、同作でもみられたフォトリアルなビジュアルは『Witchfire』の特徴のひとつとなっている。さらに本作の開発には、『Painkiller』や『Bulletstorm』といった人気FPS作品を手がけたベテラン開発者も参加。2017年の発表時から大きな注目を集めているタイトルである。

今回の延期発表のなかで同スタジオは、完成までにかかる日数の想定が甘かったというシンプルな理由ではなく、本作のコア体験のひとつを作り直す判断をしたため、延期せざるを得なかったと述べる。そのコア体験とは、本作の世界をプレイヤーがどのように体験するのかという部分にあたり、具体的にはアリーナスタイルからセミオープンワールドに変更したという。

アリーナスタイルとは、プレイヤーがあるエリアに入って敵と戦い、次に進むエリアおよび報酬を複数の選択肢から選ぶ形式のことを指している。似た例として『Hades』などが挙げられており、ローグライク・ローグライトジャンルでは一般的なスタイルだ。本作においては、ステージはオープンな環境ながら、『デビルメイクライ』シリーズでみられるようなバリアでエリアを区切る方式が採用されていたとのこと。

このバリア方式は機能はしていたものの、クリエイティブディレクターのAdrian Chmielarz氏は、バリアは古臭くて見た目も良くなく、またせっかく用意したオープンな環境の可能性を狭めてしまうと感じていたという。そして、セミオープンワールドへの作り直しを開発チームに提案したそうだ。


リリース予定時期が近づいてきていたこともあり、開発チームからは作り直しについて猛反対されたという。ゲームデザイナーのKarol Krok氏もそのひとりだった。しかし、のちに同氏がセミオープンワールド形式がもつ可能性に気づき、結果的に正式に採用されることになったそうだ。

セミオープンワールド形式ではどのようなゲームプレイになるのか、現時点では詳細は明かされていないが、プレイヤーはあるエリアから別のエリアへと自由に移動でき、エリアごとに出現するモンスターが存在するかたちになるようだ。また、ほぼどのような順序でも攻略することができ、前進するも後退するも自由とのこと。詳しくは今後の続報で届けられるだろう。

『Witchfire』は、PC(Epic Gamesストア)向けに2023年前半に早期アクセス配信予定だ。正式リリース時には、さらなるプラットフォームでのリリースも計画されている。