「からくりサーカス」のスマホゲームがサービス終了へ。“石油王が支えている”と話題の不思議なタイトル、一部では運営継続


テンダは8月25日、iOS/Android向けカードバトルRPG『からくりサーカス ~Larmes d’un Clown~ 』のサービスを、一部プラットフォームを除き2022年10月24日に終了することを発表した。本作は2018年12月にサービスがスタートしたが、プレイヤー数や公式Twitterのフォロワー数などもあまり多いとは言えない、隠れたタイトルであった。

しかし、3年半にもわたって運営が継続されてきたことや、ガチャで排出されるカードに特定のキャラクターが多く実装されていることから「プレイヤーのなかに特定キャラクター推しの石油王がいるのでは」などと噂され、ほかのソーシャルゲームがサービス終了するたびに話題となっているタイトルでもあった。

『からくりサーカス ~Larmes d’un Clown~ 』は、藤田和日郎氏の漫画「からくりサーカス」の物語を追体験できるカードバトルRPGだ。iOS/Android向けアプリのほか、mobageやTSUTAYAオンラインゲーム、GREE、コロプラといった多数のプラットフォームで配信されている。ゲームとしては、BGMやボイスがないことや同原作のアニメをキャプチャしただけの演出など、やや物足りない内容。2010年代前半のソーシャルゲーム黎明期を想起させるようなシンプルなつくりからか、あまり人気は振るわなかったようである。

しかしその一方で、『からくりサーカス ~Larmes d’un Clown~ 』は意外なほど長く息を続けてきた。最近では2018年12月のサービス開始から3年半以上運営を継続していることがSNSなどで注目されるようになり、さまざまなスマートフォン向けタイトルのサービス終了のたびに「なぜか生き残っているタイトル」として話題にのぼっていた。

画像は『からくりサーカス ~Larmes d’un Clown~ 』公式Twitterより

傍から見ればそれほど人気が見えない『からくりサーカス ~Larmes d’un Clown~ 』が、なぜ3年半も運営を継続できたのかは謎。本作のプレイヤー数は定かでないが、公式Twitterのフォロワー数は1000人程度(記事執筆時点)と少なく、中には話題にのぼった際にフォローした層もいるだろう。そうした点を踏まえると、そう多くのプレイヤーが遊んでいるタイトルではなさそうだ。そのため、本作のチープさゆえのランニングコストが低そうなものの、課金者の多さによってマネタイズが成り立っているとは考えにくい。

そんな本作の運営を眺めていた人々は、いつしか「プレイヤーのなかに石油王がいるのではないか」と想像するようになっていった。ここでいう「石油王」はもちろん実際に石油事業を営む人物のことではなく、比喩表現だろう。課金型タイトルにおいての高額課金者を表す用法だろう。ごく一部の大量課金者によって、タイトルが買い支えられているという発想だ。

なお本作はゲームプレイ部分の作り込みが甘めな一方で、実はガチャ排出カードは描き下ろしが充実している。ただし、描き下ろしの新規カードは特定のキャラクターに偏っていた。そうしたことも、「石油王存在説」が唱えられている一因。具体的には、『からくりサーカス ~Larmes d’un Clown~ 』では原作「からくりサーカス」の「からくり編」に登場した女性キャラクターであるファティマのカードが妙に多い。そのため、「重課金者の中にファティマ推しの石油王がいるのでは」と囁かれているわけだ。本作のサービス終了が「一部プラットフォームを除き」とされているのも、石油王がプレイしているのがそのプラットフォームだからではないかと噂されているようだ。

いずれにせよ、一部プラットフォームを除き10月24日にサービスを終了する『からくりサーカス ~Larmes d’un Clown~ 』。多くのプラットフォームで展開されているサービスのうち、運営継続するのがどのプラットフォームなのかは現時点では明らかにされていない。サービスが終了するに際してもなお、想像力を掻き立てるゲームである。本作の今後が気になる人は、公式Twitterなどをチェックしてほしい。


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