「カイジ」題材のソシャゲ『カイジ闇の黙示録』の様子がおかしい。丸見えブラックジャックに課金キャラ喪失など、ざわざわが止まらない

 

福本伸行氏が描く人気漫画、「カイジ」シリーズ。そのアプリゲーム『カイジ闇の黙示録』が、1月20日より配信開始した。ところがそのアプリの内容が、ややユーザーを戸惑わせているようだ。 
 

 
「カイジ」シリーズは、日本の漫画家・福本伸行氏が1996年から執筆する連載漫画だ。第一作「賭博黙示録カイジ」に始まり、複数の続編にわたり物語が続いている。自堕落な生活をおくっていた主人公の伊藤開司(通称カイジ)が、多額の負債を抱えたことをきっかけに、さまざまなギャンブルへ挑む内容。作中に登場する独自のギャンブルや、「ざわ‥ざわ‥」といった独特の擬音、そして極限に追い込まれた人間の心理と頭脳戦を描き人気を博してきた。 

そんな「カイジ」を題材としてリリースされたのが、アプリゲーム『カイジ闇の黙示録』だ。もともと2021年末の配信が予定されていたが、延期を経て、今年1月20日にお披露目となった。プレイヤーは帝愛グループのアプリを手にしたことをきっかけに、さまざまなゲームに挑むこととなる。登場人物には、作品を超えさまざまなキャラクターたちが登場。キャラクターのサポートを得つつ、特殊アイテムを駆使して勝利を目指す。原作の世界観やゲームを味わいながら、テクニックや頭脳、時には運にも頼ってサバイバル感を楽しむ作品としてリリースされた。声優として萩原聖人氏、楽曲に小室哲哉氏、主題歌に河村隆一氏が参加している。 

ところがSNS上などでは、同作に対し戸惑いの声が挙がっている。というのも本作は、タイトル画面からしてやや様子がおかしい。手前のイラストのカイジに対し、バックに表示されているタイトルロゴの解像度があきらかに低いのだ。このあと表示されるカットシーンもぼやけた印象があり、ところどころ画質が荒い素材が散見される。 
 

 
収録ゲームとしては原作にも登場した「Eカード」が登場。じゃんけん方式で「皇帝・市民・奴隷」を出し合う三すくみのゲームだ。ただしシステムとしては、単純にカードを出し合い、静かに勝敗が表示されるのみ。原作のような緊張感ある駆け引きを期待していると、やや肩透かしな印象を受ける。またオリジナルのギャンブルとして、相手のトランプより高い数字を出すか低い数字を出すかを賭ける「High and Low」も存在。利根川と、やはり静かにカードを出し合う勝負が描かれる。シンプルな画面がどことなく寂しい印象だ。 

このほかにもいくつかオリジナルのゲームを収録。「地雷」と呼ばれるゲームでは、5×5マスのなかからアウトのマスを避けつつ、ボタンを押していくゲーム。いわゆる『マインスイーパー』のようなルールだが、ヒントは一切なし。初手で爆発四散するケースが往々にして見られる。また、ギャンブルの王道ブラックジャックも収録。ただし同ゲームでは不具合なのか、相手の手札が2枚とも見える場合があり、難易度がかなり低下している。 
 

 
またユーザーによれば、サポートキャラを獲得できる有償ガチャに課金した際、ゲットしたはずのキャラクターが消失してしまったとの報告も挙がっている。全体的なグラフィックや挙動、不具合など、粗のある点が多数見られ、プレイヤーが首をかしげるクオリティとなっているのが現状だ。 

問題点が数多く指摘されている『カイジ闇の黙示録』。本作を運営するのは、国内企業NOA.TECだ。同社は2021年、真島ヒロ氏の漫画をアプリゲーム化した『FAIRY TAIL ギルドマスターズ』をリリースしたことで知られている。実は同作もまた、ユーザーに物議を醸した作品であった。4月にリリースしてから数日と経たないうちに、多数の不具合が報告。ユーザーが内部のテスト環境に接続されてしまう問題が確認され、プレイヤーが有償アイテム1000万個を保有してしまうなどの不具合が発生した。同問題は、ファンに取りざたされSNS上で議論を招くことに。その影響は原作者である真島ヒロ氏にも及び、楽しみにしていたファンに対し謝罪の言葉を投稿している。『FAIRY TAIL ギルドマスターズ』について、真島氏の監修はおこなっていなかったとのこと。 
 

 

 
いわくつきの運営元からリリースされた『カイジ闇の黙示録』は、早くも良くない方向で話題を集めることとなってしまった。とくに課金に関わる仕様の不具合は致命的であり、現状では今後のトラブルが避けられないだろう。今後、本作のクオリティアップは図られるのだろうか。『カイジ闇の黙示録』は現在、iOS向けに配信中。追ってAndroid版もリリースされるそうだ。 




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