マンチェスター・シティFCのメンディ、複数の性犯罪を問われ『FIFA 22』から消える


Electronic Arts(EA)は、『FIFA 22』からバンジャマン・メンディ(以下、メンディ)を削除すると発表した。『FIFA 22』の発売は10月1日予定。EA Play加入者向けには10時間の先行アクセストライアルを提供中だ。しかしすでにメンディは同作から削除されたという。所属するチームのマンチェスター・シティFCとフランス代表から、姿を消している。同選手がゲームに復帰できるかどうかは、後述する裁判次第とのこと。Eurogamer が報じている。


メンディはフランス出身のサッカー選手。ポジションとしては、主に左サイドバックを務める。ル・アーヴルACのユースチームからキャリアをスタートさせ、プロ契約を勝ち取った。そのポテンシャルを買われ、オリンピック・マルセイユに移籍。マルセロ・ビエルサ監督の下などで経験を積み、頭角を表した。その後モナコへと移籍しUEFAチャンピオンズリーグなどで結果を残しリーグ優勝に貢献。そうした実績が評価されマンチェスター・シティFCへと移籍した。プレミアリーグでも通ずるフィジカルの強さと、クロス精度を武器に、故障を繰り返しながらもポジション争いを続けている。なお、レアルマドリードにはフェルランド・メンディなる選手も所属し、同じく左サイドバックとして活躍しているが、今回のメンディとは別人である。

メンディは今年8月26日に、イングランドのチェッシャー州警察から起訴された。2020年10月から今年8月にかけて、3人の女性に対する4件の強姦と1件の性的暴行の容疑がかけられている。3人の女性のうち1人は18歳以下であるとも伝えられている。マンチェスター・シティFCは起訴されてすぐさま、捜査結果が出るまでメンディを出場停止にすると発表。裁判は、2022年1月24日より開始されるという(日刊スポーツ)。

『FIFA 21』でのメンディの能力


メンディには複数の容疑がかけられており、現在リバプールの刑務所で拘置されている状態。選手活動はできず、かなり微妙な立ち位置だ。そうした状況を加味し、EAはメンディを『FIFA 22』のマンチェスター・シティFCとフランス代表から削除したという。さらにFIFA Ultimate TeamのパックやUltimate Draftでも排出を停止しているという。一方で、FIFA Ultimate Teamの移籍市場には、停止措置前の“初期に排出されていた”メンディが取引されているとのこと。

『FIFA』シリーズは、実在選手をリアルに描くほか、彼らの調子やコンディションなどもゲーム内に反映される。現実に強く結びついているゲームだ。それゆえに、ゲーム内にメンディ選手が“いる”という不自然な状況にも対処しなければならない。8月27日に起訴されてからの、スピード対応であった。なお今年7月に未成年への性的虐待の容疑にてグレーター・マンチェスター警察に逮捕されたと報道されているエヴァートンFCのギルフィ・シグルズソンについても、同様に話題にのぼっている。シグルズソンは、エヴァートンFCの今季のプレミアリーグの選手登録に含まれておらず消息不明ではあるが、警察から具体的な名前は発表されておらず、報道ベースで情報が伝えられている。同選手が『FIFA 22』に収録されるかという点も、注目されるだろう。


『FIFA』シリーズにおいて、実生活でのスキャンダルによって選手が消えることは珍しくなくなってきたが、メンディほどの選手が突如消えるとなれば、ファンとしてはインパクトが大きそうだ。EAは今回の削除について、裁判を待つとしている以上、事実関係が明らかになり、メンディが無罪となれば帰ってくる可能性はある。とはいえ、もしそうだとしても長く待つ必要があるだろう。マンチェスター・シティFCファンは、現実と同様に、『FIFA 22』でもしばらくカンセロに左サイドを任せることになりそうだ。