『Apex Legends』PS4ユーザー1900名以上がBAN処分。ランクマッチにおける不正ユーザーに訪れた“審判の日”

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Apex Legends』開発者がTwitterにて7月31日、2000名以上のプレイヤーに対する不正行為によるBAN処分を明らかにした。この大規模BANの注目すべき点は、開発者により内訳と理由が明示されていることだ。その背景には、オートエイムなどのツールを利用したチート行為ではなく、ランクマッチシステムの隙を突く「Dashboarding」と呼ばれる不正行為や、高ランクプレイヤーが低ランク帯に乱入する不正があったようだ。


『Apex Legends』は、Respawn Entertainmentが手がける人気対戦FPSゲームだ。同作には通常のプレイリストのほかに、より競技的な「ランクマッチ」モードが存在する。同モードではRP(ランクポイント)と呼ばれる点数を各プレイヤーが保持しており、所持量によってランクが変動する。そして、マッチへの参加時にはランクの高さに比例したRPが参加料として減算される。つまり、高ランクになればなるほど、優れた成績をおさめなければRPの“収支”がマイナスになりやすい仕組みだ。

ランクマッチモードにおいて横行していたのが、「回線抜き」問題だ。前述のRP減算については、いくつかの救済措置がある。そのひとつが「ゲームの異常終了」。これは機器やインターネット接続の問題などによるプレイ中断に適応され、参加料として支払ったRPが返還される。この仕組みを悪用して、回線を抜く、ゲームを強制終了するなどの手段を利用してプレイを中断し、RPの減算を防ぎ収支を維持する行為が「回線抜き」だ。コンソール版ではゲーム機のメインメニュー(Dashboard)に戻ることから、海外では「Dashboarding」と呼ばれている。

今回のBAN処分の主な対象となったのは、そうした途中抜け行為だったようだ。Respawn Entertainmentにてチーター対策のセキュリティチームに所属するConor Ford氏 はTwitter上で、今回のBAN処分者の内訳と理由について説明している。内訳としてはPlayStation 4版の処分者が1965名と大多数を締めるようだ。


Ford氏は「高ランクプレイヤーが低ランクロビーに入れるExploit(脆弱性)の利用者も処分した」としている。この不正行為については、PlayStation 4版にて目撃証言がなされており、海外『Apex Legends』コミュニティでも先ごろ話題となっていた。内訳が偏っている明確な理由は定かではないものの、一連の不正の利用者にPlayStation 4版プレイヤーの締める割合が大きかったとは考えられそうだ。また、同氏は今回の大規模BAN対象者への処罰の重さについては、それぞれの不正行為の悪質さに応じて決定していると述べている。

なお、Dashboardingについては開発側にも以前から周知されていた。昨年、Ford氏はこの問題についてTwitter上で言及。PlayStation 4ユーザーを中心に一時的なアカウント停止処分を下したことを報告していた(関連記事)。その以前にも、シニアシステムデザイナーのEric Hewitt氏がDashboarding行為に対して「審判の日はもうすぐやってきます」と言及している。今回の大規模BAN処分は、そうした“審判”が下った例だろう。

以前から対策や処分はなされていたものの、こうして内訳がこまかく明示されるのはやや珍しい例だ。Ford氏は今回の投稿のなかで、「シーズン開幕を逃すのは最悪でしょう、次戻ってきた時は本来の楽しみ方をして下さい」と述べている。不正をおこなうプレイヤーに厳然たる処罰を下す開発側の姿勢は、プレイヤーとしても望ましいもの。願わくば、これからもチート含む不正プレイヤーへの処罰を徹底してほしいところだ。

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