『FIFA 21』14歳のプロプレイヤー、535連勝記録のすえ敗北。悲痛の姿が伝えた若き競技者の威風堂々

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FIFA 21』にて、あるプロゲーマーの連勝記録が打ち止められたという。その白星、しめて535試合。そしてそのプレイヤーとは、弱冠14歳の少年、Anders Vejrgang君である。若くして築き上げた偉大な業績と、味わった挫折に対する悲痛の姿が多くの人の胸を打っている。 

Vejrgang君はデンマーク出身の『FIFA』プレイヤー。初プレイは5歳のおり、『FIFA 11』に触れたことでサッカーゲームプレイヤーに。その後、Electronic Arts(EA)公式試合への登竜門であるWeekend Leagueに参加するようになると、めきめきと頭角を表すように。『FIFA 19』リーグでは12歳にして、全30試合で無敗を達成する偉業で一躍注目を集めた。また2019年に自国eスポーツチームAGF Esportに加入し、競技プレイヤーとしてのキャリアをスタート。その後はドイツのチームRBLZ Gamingに移籍しプレイを続けた。今やTwitchチャンネルのフォロワーは56万8000人を超え、まごうことなきスタープレイヤーのひとり。そんなVejrgang君の無敗記録はとどまることを知らず、今年2月までに535連勝を達成している。 
 

*510連勝達成時のツイート。 

 
そのVejrgang君が苦渋を味わったのが、2月14日の週末試合だ。今期27試合目のマッチであり、2度目のシーズン不敗制覇も目前に迫った勝負。対戦相手はネイマールやペレといった強力な選手を備えたチーム。 

試合序盤、パスを回し一進一退の攻防を繰り広げる両チーム。しかし34分で相手チームに先制点を取られると、 Vejrgang君の仕草が徐々に落ち着きのないものになってゆく。その後はハーフタイムを挟み粘りを見せるものの、62分には中央を破られ2点目を許す Vejrgang君。このときには大きく首を揺らしうなだれ、動揺を隠しきれない。徐々に追い詰められた状況で選手を交代し、流れを変えようと挑む。そして試合開始から75分、悲願の1点を獲得。思わず叫ぶと同時にガッツポーズを見せ、ここから攻勢が始まるかに思われた。しかし、わずかその6分後にはサイドをえぐられ1点を返される。1-3という窮地に追い込まれ、ショックをあらわにした。続く試合、後のない Vejrgang君は前のめりで試合に打ち込む。だが無情にも86分、相手にカウンターを決められ戦況は1-4に。90分には駄目押しで5点目を入れられ、あえなく敗北となった。 


このときのVejrgang君の様子は、少なくない人にとって胸を打つものだった。子どもじみて泣き喚いたり暴れたりするようなことを、彼はしない。なぜなら彼は紳士、プロプレイヤーなのだから。静かに身じろぎをし、口元を覆う。しばらく画面を見つめたうち、顔を伝う何かを両手で拭った。鎮痛に、しかし競技者としての尊厳を胸に敗北を味わうその姿。「すごいジュニアプレイヤー」にとどまらない威風堂々を、確かに視聴者に伝えた。この姿は、昨年より彼を追いかけているファンにとってはより大きな意味をもって映っただろう。かつて敗北を喫して涙を見せた Vejrgang君だったが、このたびは静かに自らの黒星を噛み締めていた。 
 

 
Vejrgang君の敗戦については、スウェーデンのプロプレイヤーBorasLegendことIvan Lapanje氏がコメントを寄せた。535連勝という規格外の実績に無比の賛辞を寄せ、Vejrgang君の将来の活躍に大きな活躍を期待する意向を示している。そう、Vejrgang君のキャリアはまだこれからである。EAの公式試合に参加するには、最低年齢16歳以上でなくてはならない。Vejrgang君が挑戦すべき大海はまだ目の前に広がっているのだ。若くして史上最大の栄光と挫折を味わったプレイヤーは、必ずや多くの競技者にとって大いなる壁として立ちはだかることだろう。今回の一戦を経て、Vejrgang君が今後どのようなキャリアを描くのか注目したいところだ。 

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