『フォートナイト』に対する不満が爆発、「#RIPFortnite」タグがTwitterを席巻する。一方、愛情伝える「#ThankYouEpicGames」タグも

Twitterにおける『フォートナイト(Fortnite)』界隈がいま、揺れている。タイムラインを席巻しているのは「#RIPFortnite(『フォートナイト』よ安らかに眠れ」)」という不穏なハッシュタグ。すわサービス終了のお知らせかと思わせる文言だが、もちろんそんな発表は一切出ておらず、一部の悪どいファンから発祥したタグに過ぎない。しかしその出自は実に根深いようだ。

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紆余曲折を経た長きサービスのなかで、徐々に募りつつあったプレイヤーの不満が表出。一部ユーザーが『フォートナイト』に愛想を尽かした意思表明として、まるで本作の息の根を止めるかのごときタグを爆発的に流行らせたのだ。このムーブメントに乗じて、Twitter上にはサービスへの種々雑多な不満が噴出している。一方、カウンターというべき動きも出現した。彼らが掲げるのは、ハッシュタグ「#ThankYouEpicGames」。ゲームの現状を受け入れ、開発陣への感謝を述べるユーザーもまた多く存在するのだ。非難と擁護、ふたつの旗印によって『フォートナイト』プレイヤーたちは二分されている。

「#RIPFortnite」側の声を詳しく見てみよう。彼らは同じハッシュタグを用いているものの、それぞれが挙げる不満点は実に多岐にわたる。そのひとつが、Epic Gamesとファンのあいだのコミュニケーションの希薄さだ。Epic Gamesはゲームの仕様変更をプレイヤーに伝えることを怠っているという。というのも、本作のアップデートにまつわるパッチノートはここ数か月にわたりリリースされていない。その間もゲームバランスが変化し続けているにもかかわらず、である。

アイテムの追加や新しい武器の実装はサイレントに行われ、その詳細を取りまとめた文書がプレイヤーに届けられていないのだ。これはカジュアルユーザー・コアユーザー双方にとって不便なもの。ゲームを始めたての層は次々と変容する環境を把握しきれない。また上位ランカーにとっても、いつ・どの武器が強化/弱体化され、新しい装備にどんな性能があるかわからないことは、緻密な戦略を練るうえで非常に手痛い。

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「パッチノートこない問題」について、人気配信者のNinja氏は持論を述べている。あまりに詳しいパッチノートを公開すれば、仕様変更を気に食わないプレイヤーがゲームから離れる事態を招いてしまうだろう、とのこと。また、特に直近における公式のレポート不足については、新型コロナウイルスによりスタッフが思うように稼働できていないことも関係しているかもしれない。

もうひとつウイルス騒動と関連づいている可能性があるのは、とみに見られるサーバートラブルだ。一説では新シーズンが始まったころからユーザーの利用する回線速度が極度に低下したとされ、すでに先月Redditでも議論となっていた。その際、Epic Gamesの開発者のひとりが直々にコメントを投稿。サーバー増設に対する技術的限界を説明しつつ、快適なゲームプレイの提供に向けて全力を尽くす旨を述べた。このレスポンスに対しReddit上では好意的な反応が多く寄せられたものの、それでも『フォートナイト』ユーザー一部においてはいまだに不信感が根強いようだ。世界情勢における外出自粛と飛躍的な同時接続数の増加も、サーバーへの負荷に拍車がかかっているかもしれない。

くわえて不満を集めているのは、v10.40パッチから実装されたスキルベースマッチングの仕様だ(関連記事)。これはプレイヤーの腕前に応じて、同等のレベルをもつユーザー同士が対戦するようにマッチングされる機能だ。もともとこのシステムは初心者救済を目指して導入されたもの。カジュアルユーザーとコアユーザーが棲み分けすることで、それぞれに適したランク帯で徐々に腕を上げられる環境づくりが意図されていた。しかし、スキルベースのマッチングはむしろ対戦をより競争的で殺伐なものにしているという。もともとの『フォートナイト』がもつ楽しみを削いでしまっていると述べ、マッチングシステムの改善を望む声が噴出している。

さらに槍玉に上がっているのが、クロスプレイにおける齟齬から発生した問題だ。『フォートナイト』は現在、PC版・コンソール版双方のプレイヤーを混交する形でマッチメイキングが行われている。その際に生まれるのが、入力機器の違いによる有利・不利の問題。パッド操作においてはかつて「レガシー設定」と呼ばれる強力なエイムアシストが適用可能だった。その圧倒的な性能から、キーボード・マウスで操作するPC版プレイヤーから批判が勃発。当該オプションは3月13日をもって削除された(関連記事)。異なるプラットフォーム間でのバランス調整を図った施策だったものの、「弱体化」ではなく「削除」という思いきった対応が反感を呼んだようだ。今では、コンソール版でレガシー設定を愛用していたプレイヤーたちから不満の声が上がっている。

このほか理想のパッチノートを挙げる者がいたり、「ぜんぶブラックホールが悪い」と旧シーズンを懐古する者がいたり、「#RIPFortnite」タグは阿鼻叫喚の様相だ。一方でこうした動きに反する声も上がっている。「#ThankYouEpicGames」を掲げ、『フォートナイト』を今でも楽しむ声や開発陣への愛をこめたメッセージを投稿するハッシュタグも発生しているのだ。

あるゲームの開発元への爆発的な批判とそれに対抗する感謝のタグ、という構図はまさしく昨年にも見られた。2019年、『ポケットモンスター ソード・シールド』の発売を控えた11月に起きた「ポケモンリストラ騒動」と「#ThankYouGameFreak」の乱である(関連記事)。「最新作では一部登場できないポケモンがいる」との情報に対し非難が殺到した一方、あるファンをきっかけにゲームフリークに感謝を述べるタグが誕生した。「ポジティブな声を届けよう」との運動が広まり、『ポケットモンスター』シリーズ開発陣への感謝の声が世界中にあふれる事態となったのだ。

いずれのケースでも共通するのは、もともとゲームがもつ絶大な人気が問題の基底にあるということ。「#RIPFortnite」も、タグの名称こそ攻撃的な文言だが、実態を見ると「あのころの楽しい『フォートナイト』を返して」といった声が根強い。あくまでサービス終了を迫っているのではなく、もっと作品を遊び続けたいという愛憎がこうしたセンセーションを巻き起こしているのだ。

Epic Gamesがこの事態を受けてどのような対応をとるかは、いまだ不透明だ。しかしバトルロイヤル戦国時代ともいうべき今、今回のようなファンの声を無視して強行的なサービスを続けるとも考えがたい。「#RIPFortnite」陣営も「#ThankYouEpicGames」陣営も、同じゲームを遊びたい志はひとつ。いずれのファンも満足できるような運営形態が実現することを、今後期待したい。

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