任天堂とソニーとマイクロソフトが、米国の対中国関税引き上げに共同で反対声明。ゲーム機の値上げや業界への打撃を懸念

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任天堂とソニー、マイクロソフトが連名で、アメリカ政府に対中国関税引き上げ政策に反対する声明を出していたことがわかった。米国通商代表部(USTR)は、中国製品への制裁的追加関税として、中国からの3000億ドル分の輸入品に最大25%の追加関税を検討しており、その中には、ゲーム機、ゲーム機用コントローラー、アーケードゲーム機で使用されるコインなどが含まれていた(関連記事)。

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中国で製造され米国へと輸入されるゲーム機に関税が課されるということで、このトランプ政権の一手には懸念の声が集まっていたが、今月6月17日にハードウェアメーカーの3社が共同で声明を出していたようだ。追加関税にゲーム機が含まれることにより、及ぼされるという影響は以下のとおり:

・消費者や開発者、小売業者や製造者が被害をこうむる
・米国の雇用に影響をきたす
・ゲーム業界とその他分野の革新を停滞させる

2018年においてはアメリカの約96%の家庭用ゲーム機は中国で作られ、同国に輸入されていたという。中国には、メーカー各社が長年投資し構築してきたパートナーとサプライチェーンが存在する。家庭用ゲームというのは、非常にマージンが低い状態で販売される。会社の得る利益が少なくとも、定価を低くしてより幅広い人々に手にとってもらい、経済を回すねらいがあるようだ。家庭用ゲーム機はPCとは異なり、さまざまなパーツやOSで構成された複雑な機械。そうした状況で、追加関税という形でさらにコスト負担が大きくなれば、製造プロセスおよび製造国変更が強いられる。結果的には、ゲーム機の価格の上昇につながってしまうようだ。製造環境の大規模な変更は、家庭用ゲーム機のコストを上昇させ、さらには品質や安全性への影響も危ぶまれるわけだ。

家庭用ゲームはアメリカの文化として根付いており、同国の2/3の家庭にはゲーム機があり、60%のアメリカ人は日常的にゲームを遊ぶ。25%の追加関税によって、家庭用ゲーム機は値上げされ、家庭の人々の手には届かないものになると予測されている。そうすることにより市場は減退し、コンシューマーテクノロジー協会の試算によると、追加関税がかけられることでアメリカにも3億5000ドルの損失が生まれるだろうとしている。

家庭用ゲームはアメリカで大きな市場を誇っており、2018年は前年を約20%上回る434億ドルを生み出すなど成長を遂げている。米国では2700を超えるゲーム会社が存在し6万5000人以上の人々が働いているという。追加関税による家庭用ゲーム機の価格の引き上げは、コンソールメーカー各社だけでなく、パブリッシャーやインディーデベロッパー、マーケッターや小売関係者、ゲームツール開発者なども打撃を受けかねないとも主張している。

まとめると、アメリカで売られる家庭用ゲーム機はほとんどが中国で製造されており、追加関税をかけられることで製造のプロセスに変更を加えねばならず、それにより、ただでさえ“低い利益”で販売しているゲーム機の価格を上昇せざるをえない。価格上昇は市場の減退を招き、結果的に業界のすべての人が影響を受けてしまう。そうした主張となっている。そのほか、一連のプロセスはゲーム機開発の技術革新を妨げるとも付け加えている。なお声明文の最下部には三社の代表者の署名も確認できる。

この追加関税の措置についてトランプ米大統領は、明日28日に大阪で開催されるG20サミットの後に決断するとコメントしていた(Bloomberg)。実施されるのか、されるとしていつされるのかは不透明であるが、もし追加関税が決定されその中に家庭用ゲーム機が含まれるとなれば、業界への影響は必至。ゲーム業界にとってもっとも大きな市場であるアメリカで家庭用ゲーム機の価格が変われば、日本でのゲーム機の価格も必然的に引き上げられるだろう。G20の米中首脳会談、そしてその後のトランプ大統領の決断には、業界からも大きな注目が集まりそうだ。

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