『ペーパーマリオRPG』13年越しに「デバッグモード」が発見される。できることはバグレポート生成のみ、しかし海外では盛り上がり

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ニンテンドーゲームキューブ向けに2004年に発売された『ペーパーマリオRPG』にデバッグモードが発見された。デバッグモードとは、ソフトウェアが正しく動作しているかを確認およびテストするための、開発者向けの隠しモードだ。機能は、ゲームの値を操作できるものから、通常プレイでは到達できないような場所に行けるようになるなど、そのソフトウェアによりさまざま。あくまで開発者向けのツールであるが、プレイヤーがゲームの裏側を知れる貴重な機会ということもあり、一部ファンにとっては重要な要素である。

『ペーパーマリオRPG』のデバッグモードを発見したのは、TwitterユーザーのPistonMiner氏。4月9日に、タイトル画面にてXボタン、Bボタン、Rトリガー、Bボタン、Yボタン、Lトリガーとコマンド入力することでデバッグモードに入ることができ、Zボタンを押すことでビルドの日時を確認できると報告している。弊誌でも古びたニンテンドーゲームキューブにて実際にコマンドを入力してみたが、成功しなかった(Redditでは日本版にもデバッグモードは存在していると噂されているので、ロットや環境に依存する可能性もある)。しかしながら、GameXplainなど複数の動画メディアがデバッグモードの突入に成功しているので、欧米版には少なくともこのモードが搭載されていると思われる。

では、このデバッグモードで何ができるのかというと、クラッシュした際にレポートが生成されるというのみ。メモリを操作できるわけでも、未実装の隠しエリアに突入できるわけでもない。このモードにて遊んでいる際にゲームがクラッシュした際にレポートが記述されるというだけ。しかしながら、この発見について海外ではヒートアップ中。任天堂系のRedditやSpeedrunのReddit、そしてこの件を報じたNintendo Lifeの記事のコメント欄、そしてGameXplainの動画には多数のコメントが寄せられ、異様な盛り上がりを見せている。

盛り上がりの理由は、“発見そのもの”であるだろう。英語版のタイトルが『Paper Mario: The Thousand Year Door』であることにかけて「予定より987年早いじゃん!」といったコメントのほか、発見自体を喜ぶ声が多数。デバッグモードが搭載されているタイトルは散見されるが、どのタイトルでもその存在が発売後それほど長い時をかけず、確認されていることが多い。2004年に発売された作品のデバッグモードがこれまで発見されておらず、13年越しに見つけられたこと自体が大きな驚きなのだ。そしてこの発見を枕にした、作品そのものの回想および共有に使われている。こうした切り口は、『ペーパーマリオ』シリーズに根強い人気があるという裏付けであるとも言える。

また欧米圏では、ゲームの裏側を見るというニーズが日本に比べて高い傾向が見られる。『ブラッドボーン』などの未実装ボスを発掘するチャンネルSanadskが人気を博しているほか、カメラを自在に動かし隠し要素を見つけようとするSlippy Slidesや、同じくカメラを自由に操作しゲームの裏側を探し出すShesezといった動画チャンネルは根強い人気を誇る。デバッグモードの発見に対する大きな反響は、こうした裏側を見たがる文化が関係しているのかもしれない。

ちなみにシリーズ最新作は、2016年10月にWii U向けに発売された『ペーパーマリオ カラースプラッシュ』となる。ファンとしては、ニンテンドースイッチ向け新作発表が待たれるところだろう。

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