任天堂ファンゲーム『AM2R』の開発者、『オリとくらやみの森』のMoon Studiosへ入社


『メトロイド2』を非公式にリメイクするというファンゲームプロジェクト「Another Metroid 2 Remake(以下、AM2R)」開発チームの中心メンバーであるDoctorM64ことMilton Guasti氏は、自身がMoon Studiosへ入社したことをTwitter上で発表した。Moon Studiosは『オリとくらやみの森』を手がけたスタジオとして知られており、Guasti氏は同スタジオの次回作『Ori and the Will of the Wisps』の開発にレベルデザイナーとして参加しているという。

「AM2R」はメトロイド30周年を祝うべく開発されていたファンゲームだ。IPの無断使用やアセットの盗用などが指摘されており、最終的には任天堂から公開停止を受けたものの、2D探索ゲームとしての完成度の高さから、カルト的な人気を誇るタイトルでもある。Guasti氏はプログラムを中心に担当しながら、ダンジョンデザインやプランニングなど多岐にわたる開発業務に携わっていたディレクターだ。そうした実績が評価されたのかは不明であるが、今をときめくMoon Studiosの主要メンバーとして次回作の開発に参加することになった。

以前には『Halo』や『Destiny』シリーズを手がけるBungieが、『The Elder Scrolls V: Skyrim』のModを開発していたAlexander J. Velcky氏を雇用したことが話題となった。ファンゲームとModはやや毛色が異なり、違法性が高いという面で推奨することはできないが、なんらかの形で自分の作品をインターネット上で公開することにより、新たな可能性が生まれることを感じさせる。

一方で気になるのは「AM2R」チームの今後だ。同チームは以前弊誌に対してUnityでオリジナルタイトルを開発していることを明かしていた。Guasti氏はチームの核とある中心メンバーであるが、氏がMoon Studiosへ入社したことで同プロジェクトは立ち消えになるのだろうか、それとも「AM2R」と同様に空いた時間を利用して制作されるのだろうか。Guasti氏は現時点では、この件について言及していない。