主人公は「生きている町」。死にゆく町の視点から住民たちの人生を見届けるアドベンチャーゲーム『A Place for the Unwilling』が開発中

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発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第207回目は『A Place for the Unwilling』をピックアップする。本作は主人公が「生きている町」という異色の設定を持つアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは「町」という存在になり、住民たちが営む様々な人生や生活を垣間見ることになる。

プレイヤーの分身となるのはとある寂れた「町」。この「町」は意識を持っており、住民たちを「ぼやけた影」のような姿で日々見ているという。そして町は彼らの名前を聞くことで、はじめて影を「1人の人間」として認識できるようになるそうだ。「町」自身は以下のように自分のことを語っている。

僕は実在している。記念碑や街灯が飾られた寂れた町にしかすぎないけど、それは問題じゃない。僕には体があり、頭も心もある。僕の体のなかで、みんなが動くのを感じることができる。僕の町で行われている会話が何百も同時に聞こえるし、さらには別の現実から見ることだってできる。

きみたちは”人間”って呼ぶかもしれないけど、彼らは”影”だ。彼らはみんなお互いに違うって言うけど、僕にとってはみんな同じに見える。だけどときどき、彼らがお互いの名前をささやいているのが聞こえて、すると彼らはぼやけた影ではなくなり、夢や悪夢を持った個性のある人間として見ることができる。

「町」には豪勢な生活を送っている強者もいれば、生きるのに必至な弱者もいる。「町」には神と悪魔が共存しており、いつでも腐敗や災いが起きる可能性があるという。そしてこの「町」は、現在自分のなかに”自分ではないもの”を感じている。それが「町」にとっての「病気」であり、死の可能性もあると伝えている。

『A Place for the Unwiling』はなんとも謎に満ちたタイトルだ。「生きている町」が何者なのか、「病気」とはいったいなにを指しているのか、わからないことだらけである。開発チームは「ゲームプレイの面でいうと、本作は”病理学的”なゲーム、あるいは『ムジュラと仮面』からすべての戦闘と時間操作を取り除きLovecraftを加えてミックスしたサイドクエストのようなものだ」と伝えており、より読者を混乱させている。ともかく、主人公は恐らく長いあいだ数々の「影」と「人間」を見てきた「町」であり、彼は自由に住民たちの人生を垣間見えることができる。はたして病気とはなんなのか、そしてどうすればその病気を治すことができるのかがが、本作のおもな目的となるのだろう。

開発を進めている「AlPixel Games」は、2015年9月に無料ゲーム『Missing Translation』をリリースしており、同作はいくつかのアワードを獲得。ほかにも開発には「GamesBoosters」が参加しており、『A Place for the Unwiling』の完成を支援している。現時点で同作のリリース時期や対象プラットフォームなどは明らかにされていない。

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