『アナザーエデン ビギンズ』開発者インタビュー。運営型ゲームの買い切り化はゲキムズだった。エンジンを変え、戦闘を変え、核は変えず、追求した家庭用ゲームらしさ

『アナザーエデン ビギンズ』は、モバイル版とどのように違うのか?どのような思想が入っているのか?プロデューサーの平澤 信之介氏に話を訊いた。

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ライトフライヤースタジオ は9月17日、『アナザーエデン ビギンズ』を発売する。対応プラットフォームは、PC(Steam)/Nintendo Switch/Nintendo Switch 2。9月3日より体験版が配信開始されている。

『アナザーエデン ビギンズ』はコマンドバトル形式のタイムトラベルRPGだ。村の警備隊員である主人公のアルドは、妹のフィーネとともに暮らしていた。しかし、王国建国祭の日に魔獣王が村を襲撃し、フィーネはさらわれてしまう。妹を救うため、AD300年の現代、AD1100年の未来、そしてBC20000年の古代の3つの時代をまたにかけた冒険へと飛び込むことになる。

『アナザーエデン 時空を超える猫(以降 アナザーエデン)』はもともと 運営型ゲームとして展開されてきている。一方で今回はコンソールゲームとして発売されるようだ。モバイル版とどのように違うのか?どのような思想が入っているのか?プロデューサーの平澤 信之介氏に話を訊いた。

――平澤さんの自己紹介をお願いいたします。

平澤氏:
平澤です。大学を卒業してからセガという会社に新卒で入りまして、そこで『龍が如く』シリーズなどをずっと作っていました。8年ほど在籍するなかで、バトルアクションだったり、一部シナリオだったりと、オールラウンダーとして色々なことをやらせてもらっていました。今では龍が如くスタジオの総指揮をされている横山さんなどが当時の直属の上司で、すごくお世話になり、かなり鍛えてもらいました。

それが最初の1社目で、2社目はコロプラという会社に移りました。そこで運用タイトルのノウハウを学び、現在はコンソール寄りの運用タイトルである『アナザーエデン』で四代目のプロデューサーをしています。コンソールとソーシャルゲームの両方の経験があるので、今回の『ビギンズ』を世に出すにあたり、これまでのキャリアが活きていると感じています。

――ありがとうございます。コンソールとソーシャルゲーム、両方のパターンをご経験されているのは面白いですね。平澤さんは企画からキャリアをスタートされていますが、ご自身の強みや、クリエイターとしてのスキルセットの強みはどの辺りにあるとお考えですか?

平澤氏:
僕は、すごく器用貧乏なタイプなんですよ。突出したものがあまり作れなくて、キャリアの中で悩んだ時期もありました。ただ、プロデューサーといった立場になってくると、逆に色々なことを 広く知っている方がやりやすい部分もあるんです。シナリオからバトル、そしてマネジメントに至るまで色々なセクションを経験させてもらったので、全ての領域をまんべんなく見ることができるのが、今すごく活きていると感じます。

――ちなみに、プロデューサーとして広く見られていると思うのですが、ご自身が口を出す傾向にある領域はどこですか?

平澤氏:
バトルですね。もちろん、ストーリーが楽しいかどうかも大切ですが、ゲームとしての“ゲームらしさ”を担保しているのは、コアアクションの部分だと思っています。そこが面白くなくなってしまったら、もうただの読み物でよくなってしまいますから。ゲームがゲームであるためには、そこは絶対に面白くあるべきだと考えています。

――なるほど。「この調整、ちょっと甘くないか?」といった指摘で入ることもあると。

平澤氏:
「この能力、要らなくない?」とか「ちょっと盛りすぎじゃない?」みたいなことは、結構言ったりしますね。

そもそも『アナザーエデン』とはどんなゲームなのか

――そもそも『アナザーエデン』とはなんでしょうか。

平澤氏:
新作についてはのちにお話するとして、そのベースとなる『アナザーエデン』は基本プレイ無料のモバイル向けRPGです。フィールドを移動しながらお話を読み進め、戦闘ではターン制のコマンドバトルが展開されます。「モバイルで遊べる本格RPG」というコンセプトを非常に大切にして開発されています。冒険をして、仲間と出逢い 、育成していくという王道のRPG体験を提供しつつ、モバイルならではの手軽に遊べるライトさも重視して設計されています。

――『クロノ・トリガー』のシナリオを書いた加藤正人さんが携わられていますよね。

平澤氏:
はい。なので、シナリオや音楽の評判が非常に良く、そういった長所を磨きながら10年間積み重ねてきたタイトルです。タイムトラベルものが好きな方々に喜んでいただいたところから始まり、現在はさらに幅広いファン層に支持されるタイトルへと成長していると感じています。

――文脈でいえば、やはり『クロノ・トリガー』をリスペクトされていますよね。

平澤氏:
加藤さんはかつて『クロノ・トリガー』『クロノ・クロス』のシナリオを手がけられ、現在ライトフライヤースタジオ に所属し、本作に携わっているので、そう言っていただくことは多いですね。実際のところ『アナザーエデン』も『アナザーエデン ビギンズ』もかなり加藤節が入ったゲームだと思っています。難解さも重厚さもあって。彼は生粋のクリエイターで、モノづくりをすることがとても好きで。リスペクトしています。

新作『アナザーエデン ビギンズ』を作る理由

――では新作である『アナザーエデン ビギンズ』とはなんなのでしょうか。

平澤氏:
『アナザーエデン ビギンズ』は、10年ほど続けている『アナザーエデン』のメインストーリー第1部をコンソール向けに作ろう、という企画です。本作はもともとコンソール向きのテイストを持ったタイトルではありました。それを今回、本当にしっかりとしたコンソールゲームとしてリリースし、こちらの市場でもIPを広げていきたいという意図が強くあります。

ライブサービスのゲームには、サービスが終了すると遊べなくなるという側面がありますし、何より長く続けていくと、規模として徐々にシュリンクしてしまう部分もあります。そうした中で、この素晴らしいコンテンツをさらに広げるためにはどうすれば良いかと考え、それを実現するための非常に重要なパーツとして、今回は『ビギンズ』を作っているという意味合いが大きいです。

――『アナザーエデン ビギンズ』自体を「『アナザーエデン』のメインストーリー第1部 を切り取っただけのゲームでしょ?」と見る人もいると思うのですが、実際はどれくらい違うのでしょうか?

平澤氏:
ゲームプレイ、特にバトルのルールが大きく変わっています。コマンドRPGである点は共通していますが、技を繋げていくチェインシステムが軸になります。どういう仲間とパーティを組むかという、編成の段階から考えてパズルの連鎖を作っていく遊びになっているので、実際に触ってみると、モバイル版とはデッキ編成の時点から全く感覚が違うと思います。

――バトル以外の部分はどうですか?たとえば『アナザーエデン』第1部 を遊んでいて「ここがフルボイスだったらな」とか、「主要な効果音しかないな」といった、当時の古さを感じるところもあります。『アナザーエデン ビギンズ』ではどう変わっているのでしょうか?

平澤氏:
シナリオに関しては、今回はフルボイスです。元々ドラマ部分には自信があったので、声がつけばさらに良くなるはずだ、と。実際によくなりました。メインシナリオやサブクエスト、主要キャラクターが登場するシーンは一通りボイスを収録しています。これで体験はかなり変わっていますね。

また、モバイル版では移動がライン上(横スクロール寄り)に制限されていましたが、コンソールでコントローラーを使うなら、やはりフィールドを自由に走り回りたいですよね。それに合わせてフィールドを3D空間として自由に動けるように作り直し、宝箱を少し隠してみたりといった探索要素も強めました。自由に動けるようになったことで、敵を自分で避けるか選べるように、ランダムエンカウントからシンボルエンカウント方式に変更したりと、コンソール向けのゲームとして体験を大きくアップデートしています。

――かなり変わっています。

平澤氏:
そうですね。お話の筋は踏襲していますが、ゲーム部分は正直かなり作り直しています。「新作」として打ち出しているので、本当にそれくらいコストをかけてゼロから作り直しているんです。

――コードのレベルから書き直していたり……?

平澤氏:
コードというか、そもそも今回はゲームエンジンを変更しているんです。

――え!

平澤氏:
10年前のプロジェクト立ち上げ時は、2D表現に適したCocos2d-xというエンジンを採用していました。運営中の『アナザーエデン』は今でもそのエンジンを使い続けています。公式サポートが終了してしまったので、エンジニアたちが自前でガンガン書き換えながら独自エンジン化して運用している状態なんです。もうレガシー環境ですよね。

でも、今回の『アナザーエデン ビギンズ』を立ち上げるにあたっては、Unityエンジンに切り替えました。まずは元のゲーム画面を見ながら、Unity上に「目コピ」で再現するところから始めて……古いアセットがどうしてもそのままでは動かなかったので(笑)そこからスタートして、バトルのルールも変えるならシステムも一からちゃんと書き直そう、ということで作り上げたのが今回の作品です。

――運営中で今も遊べるゲームを、別のエンジンでもう一度一から作り直すというのは、なかなか豪快ですね。大変な決断だと思いますが。

平澤氏:
やはりそこには投資する価値があると、チームも会社も判断したということですね。この『アナザーエデン』のIPはもっと評価されて、さらに広がっていくべきだという確信がありました。グラフィックなどのアセットは使えるものは流用していますが、開発環境としては、この先様々な展開を続けていくための「礎」となるものをもう一度しっかり作ろうと。そこでUnityへの乗り換えに踏み切りました。未来を見据えたエンジン移行ですね。

――少し意地悪な質問になりますが……運営型の『アナザーエデン』が商業的に成功し、運営型タイトルとしての地位を確立している中で、ストーリーが同じ「買い切り型の独立タイトル」を出すことは、既存の運営に邪魔になる可能性もあると思います。身内にライバルを作るようなものですし、評判が互いに影響し合うリスクもありますよね。

平澤氏:
『アナザーエデン』のIPを今後も広げていきたいという思いが根底にありますが、現実として、運営型のゲームは昨今のトレンドのなかでどうしても頭打ちになっていると思っています。そうした状況下で、会社としてもコンソール事業にしっかりと注力していこうという方針がありました。

ただ、運営型と買い切り型同士でカニバる(食い合う)可能性は、それほど心配していません。というのも、カニバらないためにどうすればいいかは、非常に深く考えましたので。現在『アナザーエデン』を遊んでいる方々が、『アナザーエデン ビギンズ』を全く別のゲームとして遊んでも楽しめるように、ストーリーの裏側で少しリンクさせたりしています。同じストーリーを追っているようでいて、タイムトラベルものなので「実はこれって……?」と思わせるような裏の仕込みをたくさん取り入れているんです。

――なるほど、パラレルワールドから来た『アナザーエデン』のような。

平澤氏:
ええ。「これって、どの時間軸のアルドの物語なんだろう?」とプレイヤーが疑問に思うような要素を、意図的に色々と散りばめています。ですから、『アナザーエデン ビギンズ』をプレイした方が、すでに『アナザーエデン』を遊んでいても、「これはあの物語のどのピースにハマるゲームなのか」という受け取り方が、かなり変わってくるはずです。

――単なる移植でも、一部の切り出しでもなく、『アナザーエデン』のユニバースに属する別の世界、という位置づけなんですね。

平澤氏:
メインストーリー第1部を単純にトレースしたものではありません。今回、「2周目」の要素があるのですが、そこでのストーリー展開はガラッと変えています。遊んでいただければ「ああ、そういうことか!」と納得してもらえるようなギミックを、ものすごくたくさん入れています。

単なる移植ではなく、せっかく出す以上はファンの方々に喜んでいただける、出す意味のある作品にしようと。途中で大きく方針転換し、コストをかけてしっかり作り込む方向にシフトしました。

――開発を進める中で、「これはイケる!」と手応えを感じたのはどの段階でしたか?

平澤氏:
かなり開発が進んでからですね。それまでは手探り状態が続きました。最初は、既存のモバイル版をそのままコンソール上で動かしてみようと試みたのですが、正直なところ課題が山積みで。「コンソールの画面で見ると狭く感じる」「コントローラーだと操作性が悪い」といった問題に直面しました。

そこからコントローラー向けに最適化していくのですが、今度は「なんだかゲームとしての『味』が足りないな」と。何を足せば面白くなるのかを試行錯誤し、ベータ版のフェーズに入ってようやく「これはいけるかもしれない」と思えるようになりました。そこに至るまでは意外と苦戦しましたね。

――ちなみに、ストーリーについての質問ですが、『ビギンズ』の1作だけで物語は完結するのでしょうか?運営型ゲームの第1 部がベースということで、「クリフハンガー(いいところで終わって次回に続く)になるのでは?」と気になっている方もいるかと思います。

平澤氏:
『ビギンズ』としての物語は、この1作でしっかりと綺麗に完結します。ただ、タイムトラベルものという性質上、「あの伏線はどうなったんだろう?」とさらに深く知りたい方のために、物語の「続き」が存在するような作りにはなっています。とはいえ、ひとまずの「アルドの冒険」はエンディングを迎えます。決して未完成の状態で終わるわけではなく、これ1本で十分に満足していただける内容になっていますので、ご安心ください。

運営型ゲームをどう買い切りゲームにしていくか?

――ソーシャルゲームには「ガチャ」という、ある種の強烈な刺激があり、そこでキャラクターという名の資産を得て、そのキャラクターを育成するという定番のゲームループが存在します。買い切りのゲームにする上では、ベースのループがそのままではガチャがなくなることで、ゲーム体験に「抜け」が生じる懸念があると思うのですが、そこはどのようにチューニングされたのでしょうか?

平澤氏:
おっしゃる通り、運営型ゲームにおけるガチャの良し悪しは別として、それが一つのコアな体験になっているのは事実です。多くのプレイヤーがそれを楽しみに遊んでいる側面はあります。ですので、今回は単純にガチャの「代替案」を入れたわけではありません。

その代わり、冒険の過程でキャラクターが仲間になっていくプロセスを、非常に丁寧に描くことに注力しました。登場する仲間キャラクター全員分の加入ストーリーを追加したんです。モバイル版では「ガチャで引いて仲間になって終わり」というケースも多いですが、キャラクターの背景を掘り下げる「キャラクターストーリー」自体は元々存在していました。今回はさらに、一緒に冒険することで親密度が深まり、一定に達すると見られる「親密度 クエスト」を用意しました。

出逢い から、仲良くなったその先までを丁寧に肉付けし、それらも全てフルボイスで展開することで、メインストーリーの冒険とキャラクター個別の物語をしっかりと結びつけるようにしました。ここはかなり頑張って作った部分です。

――ガチャという「刺激」の代わりに、ストーリーやキャラクターの「描写」でゲーム体験を満たしていくアプローチですね。

平澤氏:
そうです。冒険の途中で困っている人を助けたら仲間になった、というような、旅の中での自然な出会いの流れに落とし込むことに注力しました。

――育成システムについても、長期運営型のゲームでは数ヶ月から年単位の長いスパンでファーミング(素材集め)をしてキャラクターを育てていく仕組みが基本ですが、買い切りRPGのバランスになっていますか?

平澤氏:
育成システムも、バトルシステムの変更に合わせて一通り全て作り直しています。運営型ゲームでは、アイテムを使って一気に経験値を得るような仕組みも必要ですが、今回は一定の時間をかけて敵を倒し、レベルを上げていく。そして、お金を貯めて武器を買うという、いわゆる王道のコンソールRPGの流れをしっかり楽しんでもらえるように再設計しました。モバイルゲームではないぞ、と。

――モバイルゲームじゃない、とはどういうことですか?

平澤氏:
モバイルゲームは、特に瞬間瞬間で刺激を感じやすいシステムになっています。それがユーザーのエンゲージメントにつながっているのだと認識しています。一方でRPGの面白さは、瞬間での面白さではなく、世界が広がったり新しい景観を見つけたりといった方向で刺激があると思うんですよね。

なので、強敵を倒すことにおいても、運営型ゲームで資産を費やして育てたキャラクターでの討伐と、ストーリーの流れで倒す強敵討伐とでは、刺激による気持ちよさの種類が違うと思います。

――ということは、『アナザーエデン』と『アナザーエデン ビギンズ』ではプレイヤーがゲームを遊ぶ上での動機付け設計も違うと。全然違うゲームですね。

平澤氏:
そうなんですよ。だからふたつのゲームはルーツは同じですが、遊んでいて感じる楽しさの種類は違うと思います。

――『アナザーエデン』は元々クラシックなRPGの文法を持っているゲームですが、今回の再構築にあたってはかなりダイナミックな変更を加えられているのですね。

平澤氏:
根本の芯となる部分は変えてはいけないと思っています。昔から脈々と続く「コマンドを選んで攻撃 を撃つ」という安心感のある部分はあえていじらず、その上に乗っかるシステムをいかに現代のトレンドに合わせてダイナミックにするか、という考え方で作っています。今はその方針がうまく機能しているのではないかと思っています。

他社の買い切り化事例と、ゲーム保存をめぐる潮流

――ちなみに運営型ゲームを買い切り型にした例としては、『オクトパストラベラー 大陸の覇者』を買い切り型に刷新した『オクトパストラベラー ゼロ』や、『FFBE』を買い切り型に刷新した『ファイナルファンタジー レゾナンス』があります。これらのタイトルは意識していますか?

平澤氏:
意識というより、率直にいうと「いいぞいいぞ」という気持ちです。クリエイターは矜持を持って自分の作品を作っていると思うんです。運営型のそういった作品が、世に残るかたちでリリースされて評価されるというのは、とても良いことだと思っています。ゲームにとっても良いことですね。なので、どんどんそういった作品が出てほしいです。一方で、自分でやってみた結果、運営型ゲームを買い切り型ゲームにするのは……まぁまぁ難しいですね(笑)

ちなみに『オクトパストラベラー ゼロ』は、我々が『アナザーエデン ビギンズ』を作っている時に発表されました。

――被ったな、と思いましたか。

平澤氏:
というより……そりゃそうするよね、と思いました(笑)

――(笑)

平澤氏:
『オクトパストラベラー 大陸の覇者』とはコラボもしましたし、プロデューサーの鈴木さんとは親交もあります。その上で、みんな考えることは同じだなと。納得感がありました。

――ちなみに、今欧米ではゲームの保存活動が盛んです。Stop Killing Gamesなる活動もあります。運営型ゲームはオフラインでも遊べるべきという風潮もあります。これらの活動は認識していますか?どう思いますか?

平澤氏:
これは、ふたつの自分がいます(笑)自分は『アナザーエデン』と『アナザーエデン ビギンズ』両方のプロデューサーをしていまして、『アナザーエデン』……つまり運営型ゲームのプロデューサーの自分は「オフラインで遊べる ようにするなんて難しいこと言うなぁ」と思っていて。一方で買い切りゲームプロデューサーの自分は「とてもいい」です。なので……二律背反ではありますが、考え方をうまくマリアージュさせることが重要だと思っています。

――ちなみに、平澤さんが最近感銘を受けたタイトルはありますか。

平澤氏:
『Clair Obscur: Expedition 33』ですね。お話やバトルやシステムそれぞれがすごいのですが、RPGを作る者として、それらが体験として融合しているのがすごいなと。負けられない展開の時は熱いバトルが入るし、パリィにも気持ちが乗る。体験の設計が優れていて、チームのみんなのあいだでも評判でした。それと自分は『FF14』プレイヤーなので、『FF14』もとても好きですね。また吉田直樹P/Dは運営プロデューサーという立場から見ても、お手本にさせてもらっています。

――ありがとうございます。では最後に、ユーザーに向けたメッセージをお願いできますか。

平澤氏:
JRPGが好きで、普段から日本のRPGを好んでプレイされている方には間違いなく楽しんでいただける内容になっていますので、ぜひ遊んでみてください。また、そういったジャンルをあまり遊んだことがない方にとっても、非常に入門しやすく遊びやすい作りにしていますので、この機会に触れてみていただければと思います。

そして何より、スーパーファミコンの時代から数々の名作RPGを手掛けてきた加藤正人さんのシナリオが、現代の環境でそのままの熱量で生きている作品です。JRPGの歴史を感じられるタイトルとして、お手頃な価格にもなっていますので、ぜひ手に取っていただけると嬉しいです。

――『アナザーエデン』は欧米でも熱心なコミュニティがあり、グローバル版のプレイヤーも多くいらっしゃいますよね。そういったファンの方々に向けてもコメントをいただけますか。

平澤氏:
『時空を超える猫』のグローバル版では、英語や韓国語、繁体字圏のプレイヤーの方々がずっと熱心に遊んでくださっています。そうした既存のファンの皆様にはもちろん遊んでいただきたいですし、同時に、「日本のRPGには興味があったけれど、ルートボックス(ガチャ)系のシステムが合わなくて遊ばなくなってしまった」という海外のプレイヤーが多いことも理解しています。

そういった方々に向けても、ガチャ要素のない、純粋なRPGとして楽しんでいただける形に仕上がっていますので、もう一度『アナザーエデン』の世界に興味を持っていただけると非常に嬉しいです。

――ありがとうございました。

アナザーエデン ビギンズ』は、PC(Steam)/Nintendo Switch/Nintendo Switch 2向けに9月17日発売予定だ。体験版も配信中である。

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Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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