[GGGotY] Dimitri Toichi 編 『Shadow Warrior』 – Katana で切り込む楽しさ

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Yasuda に Dimitri の Game of the Year はなにかと聞かれたとき、とっさに答えたのは『Shadow Warrior』だった。たしか『BATTLEFIELD 4』をプレイ中のことであり、脳をあまり使わず回答したような気がする。『Shadow Warrior』のリリース日は9月27日の金曜日。リリース直後からぶっ続けでプレイしつづけ、日曜にはクリアしてしまった。正直言ってゲームの細部は忘れてしまったが、面白かったという記憶は強烈に残っている。

『Shadow Warrior』は、とにかく Katana で敵を倒すための軽快さを追求している。主人公の歩行速度は他ゲームに比べると速く、大量に沸く敵を相手にする必要があるのに足の遅さにいらつくということはない。また Shift + WASD でショートダッシュが可能で、 Katana の溜め技を準備し、中ボスの懐に飛び込みこれを発動、敵の重い攻撃を受ける前に左右または後方にサッと回避、といった操作が心地よい。

Katana のほか、クロスボウやショットガン、ロケットランチャーなどレンジ武器も存在するが、これらはあくまでサブウェポンである。レンジ武器は全体的に威力が低く、また Katana の溜め技は無限に使用が可能である。ゆえにレンジ武器は Katana で各個撃破する余裕が無い場合や、自爆する敵や飛行する敵に対して使用することになる。この調整により、プレイヤーは自然に Katana をメインウェポンとして使用するようになる。前述のとおり Katana の操作は軽快で、大量の敵を斬りさばく楽しさに時間を忘れてしまう。

Katanas > Everything Else #ShadowWarrior

— Shadow Warrior (@_ShadowWarrior) 2013, 8月 28

『Shadow Warrior』のデベロッパ Flying Wild Hog は、過去に同様にシングル FPS である『Hard Reset』を開発している。サイバーパンク世界で多数の武器を切り替えての戦闘は楽しかったが、巷では「敵がすべてロボットなので撃っているときの爽快感が無い」という評価が多かった。Flying Wild Hog はその評価を知っていたのか、『Shadow Warrior』では近接武器で敵を倒す爽快感を全面で表現している。

また、『Shadow Warrior』のパブリッシャである Devolver Digital は、 Croteam の『Serious Sam 3: BFE』も販売している。 『Shadow Warrior』の戦闘スタイルは SS3 の序盤のハンマーでの戦闘に非常に似ており、近接戦闘の楽しさを追求するうえで『Serious Sam 3: BFE』を参考にしたのではないだろうか。

 

『Shadow Warrior』の欠点を挙げるとするなら、まず雑魚敵の種類の少なさ。もちろん後半になってようやく現れる雑魚敵もいるが、終盤での戦闘は雑魚敵と中ボスの組み合わせが違うだけ、という感じになってしまっている。戦闘にもっとバリエーションが欲しかったところだ。

2つめの不満点は Ki の能力だろうか。主人公は WASD の2連打 + 右クリック で敵を足止めしたり、攻撃を反射したりといった Ki (気)を習得することができる。しかしそんな技を使っているより Katana で攻撃した方が圧倒的に楽だし、あまり Ki を使いすぎると敵が発狂して一撃で倒せなくなってしまう。結局筆者が使用したのは、体力を一定値まで回復する能力だけであった。

3つめは割とどうでもいいかもしれないが、主人公がフットワークは軽いくせに妙に足腰が弱いということだ。少し長い下り階段の上でショートダッシュをすると、勢いよく飛んだ主人公は階段中腹に着地、そのまま死亡する。見た目はニンジャっぽいのだからもうちょっとがんばってほしい。ちなみに『Hard Reset』でも主人公はショートダッシュこそできないものの、重力に対してあまりにも弱い足腰は同様であった。これもゲームエンジンのサガか。

 

 

最初に挙げた欠点以外はいま無理矢理考えたような内容だが、実際筆者はそれくらいしか不満を感じなかった。操作が快適で、敵を倒すのが楽しいというだけで十分なのだ。『Shadow Warrior』は、「あるべきシングル FPS の姿」の正解のひとつにたどり着いてしまったのだ。

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