Steamオータムセールでオススメしたいタイトル8選。旬の大型タイトルから最安値更新の小粒タイトルまで

 

Steamでは11月26日からオータムセールが実施されている。今回はデイリーやフラッシュセールがないので、どこかさみしい雰囲気があるのだが、深夜まで起きてF5を押す作業が不要になったと思えばよい。また、アカウントを「Steam ガードモバイル認証」で保護しているユーザーは、コミュニティマーケットでのアイテム購入時、5~33%お得になるという割引も実施されている。積み上げたゲームの山を悪意のあるユーザーに崩されることを防ぐためにも、この機会にモバイル認証を設定してみてはいかがだろうか。

今年のオータムセールは「探索セール」と名づけられており、トップページをスクロールダウンしたり、お気に入りのゲームのページから「類似したアイテム」をチェックしたりと、Steamの中を探索しながら目当てのゲームを見つけるといいだろう。とはいっても、8591タイトルの中から探すというのもなかなか大変なので、そんな時間はもったいないという方のために、個人的なおすすめタイトルをピックアップしておく。

カッコ内は通常価格と値引率と日本語の有無。セールの期間や価格は変更される場合があるため、購入前に各ストアにて確認してほしい。

 

Neverending Nightmares

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370円(1480円、75%オフ、日本語あり)
終わらない悪夢の中で、主人公であるトーマスがもがき続けるアドベンチャーゲーム、それが『Neverending Nightmares』だ。システムとしては、ポイントアンドクリックを採用しており、難しい操作なしにシンプルに操作できる。トーマスがさまようモノクロで描かれる陰鬱な世界は、恐怖でありながらどこか芸術的な魅力を持っている。今回のオータムセールで初の75%オフになっており、最安値を更新している。悪夢の中で悪夢に目覚める……ワンコインでそんな絶望体験をしたい人にオススメしたい。

このゲームを開発したMatt Gilgenbach氏は、以前開発したゲームの不振から、持病の鬱病や強迫性障害を悪化させた。その時の苦しみをこのゲームには込めたという。弊誌では以前にGilgenbach氏にインタビューをしているのでそちらも参照してほしい。

 

Never Alone (Kisima Ingitchuna)

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370円(1480円、75%オフ、日本語あり)
2作目は『Never Alone (Kisima Ingitchuna)』だ。前タイトルと同じ値引率であり同じタイミングで最安値を更新したが、こちらの“Never”はさきほどとうってかわりファンタジー色が強い。『Never Alone (Kisima Ingitchuna)』はアラスカのイヌイット民族の伝承をモチーフにしたアクションゲームだ。Unityで開発された本作は、アラスカを舞台にしており極寒の地での冒険がメインとなっている。あまり腕前を求められないパズル要素の強い横スクロールアクションであり、セーブポイントもこまめに設置されており、ストレスなく楽しめる一作となっている。

ステージをクリアするごとに開放される、イヌイット民族に密着したドキュメンタリー映像は非常にクオリティが高く、それを見るだけでも370円払う価値があると言えよう。ワンコインでアラスカへ小旅行したい人にオススメだ。

 

METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN

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6300円(8400円、25%オフ、日本語あり)
説明不要のステルスアクションの金字塔、『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』。従来のシリーズとはうって変わり広大なオープンワールドが舞台となっている。そのおかげで、これまでのシリーズ以上に自由なルートで敵の軍事基地へ潜入できるようになった。時間や天候の概念が導入され景観としてもシステムとしてもより没入できる作りとなっている。敵のAIもより賢くなっており、プレイヤーのアクションに対し対策をとったり連携したり、より高度な戦術を求められるようになった。また、 高いクオリティのグラフィックで彩られており、これまでの『METAL GEAR SOLID』シリーズ以上に迫力のある数々の演出に息をのむことになるだろう。弊誌では以前から様々な角度から『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』のニュースをお伝えしているのでそちらもご覧いただきたい。

既に退社したとされる小島秀夫監督最後のコナミデジタルエンタテインメントでの作品であり、The Game AwardでのGame Of The Year候補のひとつだ。6300円とSteamの中では高価な方であるが、ぜひ日本人が作ったAAA級のタイトルをその身で体感してほしい。

 

Her Story

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358円(598円、40%オフ、日本語一部あり)
『Her Story』は検索フォームから単語を入力し、そのワードにヒットしたビデオを見ながらプレイヤー自身が謎を解いていくアドベンチャーだ。断片的な情報から自分で推理をしていくクラシックな感覚がどこか懐かしい。情報のピースがつながっていく瞬間は鳥肌もので、ぜひ自分の手で“物語のパズル”を完成させてほしい。こちらも弊誌でも以前レビューをお伝えしているのでそちらを参考にしてほしい。定価が安いものの、最安値を更新しておりよりお買い得となっている。

この『Her Story』は、面白かったゲームを投票で決めるGolden Joystick Awards 2015で複数の部門でノミネートされており2015年で屈指のインディーゲームと呼ばれている。一部では字幕を日本語化するプロジェクトも動いており、興味はあるならばそちらを探ってみても良いだろう。

 

This War of Mine

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673円(1980円、66%オフ、日本語あり)
『This War Of Mine』は、旧ユーゴスラビアの紛争のなか、独立ボスニア・ヘルツェゴビナを舞台にしたシミュレーションゲームだ。本作は戦争シミュレーションと表現されることもあるが、戦うことではなく一般人として“生き伸びる”ことを目的としたゲームだ。ボロボロになった家をアジトにしながら敵の目を避けながら、資材で家具を作り、食料を集めて生き延びることを目指す。キャラクターをクリックし動かしていくシンプルな操作とは裏腹に、アジトが強盗に奇襲され窮地に追い込まれたり、仲間か食料のどちらかを選ぶことを迫られたりするなど、高い難易度のシリアスなゲームデザインとなっている。本作も今回のセールで最安値を更新している。

2016年1月には幼い子どもたちが主人公となるスピンオフ『This War of Mine: The Little Ones』をリリース予定であり、ボードゲームが発売されることも発表された。また10月には正式に日本語対応になった。

 

The Witcher 3: Wild Hunt

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3040円(6080円、50%オフ、日本語あり)
『The Witcher 3: Wild Hunt』は5月に発売されたAAA級のアクションRPGだ。グラフィック、冒険、シナリオ、オープンワールドなどといった現代のRPGに求められる要素すべてが高いレベルで構成されている。広いフィールドのあらゆるところにイベントが設置されており、サブクエストも選択肢によって大きく展開が変わるなど自由度の高い刺激的なデザインとなっている。シナリオはいわゆるバトルファンタジーでありながら、細かい心理描写もうまく表現されておりどっぷりとした没入感を味わえるだろう。『The Witcher』シリーズは過去に2作発売されており、キャラクターや世界観が完全に繋がっているが、本作から始めても十分に楽しめるだろう。

10月には大型拡張パック「Hearts of Stone」がリリースされ、今後も「Blood and Wine」がリリースされるなど、まだまだ勢いのある旬のタイトルだ。Golden Joystick Awards2015で既にGame Of The Yearを獲得しており、The Game Award大賞の最有力タイトルと言われている。3000円でゲラルトと刺激的でかつ感傷的な旅に出てみるのはどうだろうか。

 

A Bird Story

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174円(498円、65%オフ、日本語不要)
『A Bird Story』は鳥と少年の出会いを描いたアドベンチャーゲームだ。開発元は、ナラティブな演出とシナリオで好評を博した『To The Moon』でおなじみのFreebird Games。前作『To The Moon』ではストーリーを進行するためにフラグ立てなどが必要なRPGライクな要素が導入されていたが、『A Bird Story』はそれらの要素が簡略されほぼ読み物といえる作りになっている。また、今作は言語の要素が一切排除されており、どんな日本人でも楽しめる仕様だ。こちらも今回のセールで最安値を更新している。クリアまでに必要なプレイ時間はおよそ1時間前後であり、174円という値段を考えてもジュースを買うような感覚でプレイできるだろう。

前述したようにゲームとして短く、ほぼビジュアルノベルのようなシステムとなっているが、きっとFreebird Gamesの美しい音楽と演出で多くの人々は心を洗われるだろう。モンスターハントやボストンでのレイダー狩りに疲れたら、余ったウォレットで小鳥と少年の紡ぐ物語で安らぎの時間を楽しむのも一興だ。

 

Dying Light

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2067円(6080円、66%オフ、日本語あり)
『Dying Light』はゾンビのひしめく世界を駆け抜けるパルクールアクションだ。開発は『Dead Island』でおなじみのTechland。『Dead Island』と同様にゾンビが住まう世界で暴れるオープンワールドゲームで、高低差やゲームスピードの速さからよりダイナミックに遊べるのが本作の魅力だ。ゾンビをなぎ倒す気持ちよさをゲームの基本としながら、夜間には強敵「Volatile」が現れるなど爽快感と緊張感を併せ持ったバランスが好評を博している。本作はシングルプレイとさることながら、協力プレイにも対応しており、オンラインで友人とゾンビ狩りに出かけることもできる。こちらも今回のセールで最安値を更新。2000円強と4月に発売された大型タイトルとしてはかなりお安い値段になっている。

弊誌でも以前お伝えしたとおり、2016年には大型拡張パック「The Following」がリリース予定だ。この拡張パック「The Following」は、開発が当初よりも規模が大きくなった故に価格も15ドルから20ドルに値上げすると先日発表されたばかりだ。かなり力が入った拡張パックのようでシーズンパスもまた30ドルに値上げされており、2016年も楽しむことができる息の長いゲームになりそうだ。年末にアポカリプスなゾンビの世界をきままに走り回りストレスを解消するのもひとつの選択肢だ。

 

2015年リリースされた大作を遊びたければ『MGSV』や『The Witcher 3』、『Dying Light』を楽しみ、日常やゲームに疲れた人は『Never alone』や『A Bird Story』で癒される。積極的に陰鬱とした気持ちに浸りたければ『This War Of Mine』や『Nevereding Nightmare』のプレイしてみてもいいだろう。頭を使って推理しストーリーで驚きたければ『Her Story』をオススメしたい。


国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)