『ブルーアーカイブ』元スタッフ新作『プロジェクトKV』中止。関連資料もすべて削除


ディナミス・ワン(Dynamis One)は9月8日、『プロジェクトKV』の中止を告知した。同社は、同プロジェクトにおける問題と騒動について謝罪。関連する資料はすべて削除されるそうだ。

『プロジェクトKV』は、ディナミス・ワンおよびスタジオアラヤから2024年始動予定であった、ノスタルジア学園活劇だ。公式サイトでは、同作では数百の寮が集まる「学寮都市カビラ」にて、楽しい騒がしい物語が幕を開けるとされていた。


公式サイトのスクリーンショット


学寮都市カビラは、かつて悟りし者が旅路を始めたといわれる「カビラヴァストゥ」の廃墟がある神域であった。今は教えを受け継いでいこうとする古代の学園が集い、生徒たちが居住可能な数百の寮が建てられた巨大な学寮都市であり、故郷を離れてきた子供たちは集まって生活し、ともに学び、ともに戦うことになるかもしれない。またカビラの中央駅で、あなたの目覚めから物語が始まるとされていた。

ティザーPV内にはいくつかの寮が登場。小一孁こはね、葦原津守こいと、糸此上かおるなど、光輪を浮かべた刀をもつ少女たちも登場していた。詳細は不明ながら、生徒たちに「師」と呼ばれる人物の視点から、和風の世界観にて「刀」をもつ少女たちのノスタルジア学園活劇が描かれる予定だったのだろう。

開発スタッフとしては、韓国のゲームシナリオライター・isakusan氏がシナリオディレクター、イラストレーターのDoReMi氏がアートディレクション、コンポーザーのMitsukiyo氏がミュージックディレクションを担当とされていた。なおisakusan氏は元Nexon Games所属で、『ブルーアーカイブ』にてシナリオディレクターや「対策委員会編」や「エデン条約編」などを手がけていた。DoReMi氏およびMitsukiyo氏も『ブルーアーカイブ』に携わってきたクリエイターである。


公式サイトのスクリーンショット


本作は、8月18日にスーパーティザーPVが公開。9月1日には公式サイトやティザーPVが公開されるなど、情報発信がおこなわれてきた。ディナミス・ワンおよびスタジオアラヤにとって同作は初タイトルとなるが、同社と『ブルーアーカイブ』の関連もあり、国内でも注目度の高いプロジェクトとなっていた。しかし公開された情報では、『プロジェクトKV』には光輪や学寮都市など『ブルーアーカイブ』と似た設定が存在。『プロジェクトKV』のタイトル自体も、『ブルーアーカイブ』の舞台であるキヴォトスを思わせるモノである。

同作の情報公開後、国内ではそうした類似点や、同作に『ブルーアーカイブ』の元スタッフが携わっている点などから、SNS上では非難の声も挙げられていた。isakusan氏による新作に期待する声やキャラクターのファンアートがあげられる一方、同作の開発スタッフが公開されたことで『ブルーアーカイブ』の今後を心配する声もあった。また韓国においては、Nexon Gamesからのスタッフの引き抜きにまつわる疑惑や、真偽は不明ながら関連スタッフによるリークらしき投稿もあり、騒ぎとなっていた。

そのほか同プロジェクトとの関連は不明であるものの、同作の公式サイトやティザーPVでは、公開時にサークル「黒ネズミたちのパトス的弁証法」の活動に関する告知がおこなわれていた。同サークルにはisakusan氏など、同作のスタッフが参加している。一方コミックマーケットでは規約により、企業は企業ブースへ参加しなければならない。後に同社は、同サークルは一部スタッフによる同人活動であり、企業活動とは無関係と説明。謝罪するとともに、告知を削除していた。


何が引き金であったかは不明であるが、本日9月8日に『プロジェクトKV』の中止が告知された。ディナミス・ワンの発表によると、同社は至らなさによって生じた多くの懸念や声に関して、どのような決定をし、答えるか深く悩んだとのこと。結果定期に、同社は未熟さによって迷惑をかけないため、『プロジェクトKV』は中止となったそうだ。応援してくれていたファンおよび、現在配信中のゲームのファンに対して謝罪。『プロジェクトKV』では中止にあわせて、関連資料もすべて削除されるという。

『プロジェクトKV』では開発中止にあわせて、ティザーPVなどは公開停止となっている。