「ARヘッドセット」があればゲームをプレイする際にテレビやディスプレイは必要なくなる?MSの「HoloLens」とXbox Oneを使用した興味深い映像が登場


2015年末から2016年にかけて「VRヘッドセット」が多数リリースされる一方で、Microsoftは現在”現実拡張”のARヘッドセット「HoleLens」の開発に取り組んでいる最中だ。今年6月のE3 2015では『Minecraft』の驚異的なデモが披露されたが、新たにXbox One上の映像を「HoloLens」へとストリーミングし『Halo』をプレイする興味深い映像が公開されている。

この映像は「HoloLens」を担当するMicrosoftのプログラムマネージャーVarun Mani氏がYouTube上で公開したものだ。タイトルは「Xbox OneからHoloLensへと『Halo』をストリーミング(Streaming Halo from my Xbox One to my HoloLens)」。映像はわずか34秒間と短いが、テレビ上でプレイしていた『Halo』の映像をHoloLensを通じて投影し、さらに映像の位置を微調整している様子が確認できる。ラグがどの程度あるのか、どの程度のfpsが出ているのかは不明だが、実際にコントローラーで操作してキャラクターを動かすことが可能なレベルではあるようだ。

「HoloLens」はWindows 10向けのARヘッドセットであり、そしてWindows 10はXbox Oneのストリーミングプレイ機能に対応している。理論的には、確かにHoloLensを通じてXbox Oneゲームの映像を投影しプレイすることはできたが(過去のデモ映像などでも、ウィンドウを空間に配置して映像を見るなどのシーンは披露されていた)、今回あらためてそのプレイスタイルをMani氏が示した形だ。ただ今回Mani氏は単なるテスト映像を公開しただけの模様で、これが実用レベルまで昇華されるのか、Microsoftが今後HoloLensとXbox Oneの連携を強化していくのかなどは明らかにされていない。

ARヘッドセットを通じたゲームプレイの利点はすぐに思い浮かぶところで、まずテレビやディスプレイを設置する場所を確保せずとも、その場で大画面のゲームをプレイすることが可能になる。さらに”プレイヤーが常にテレビへ視線を向ける”という縛りが無くなるため、ベッドで寝転がって上向きになったりしながらゲームをプレイすることもできる。ラグやfpsなどの問題をクリアできるのなら、顔の向きがフリーな新たなゲームプレイスタイルとして将来的に定着する可能性は十分あるかもしれない。

ただし「HoloLens」はまだDevelopment Kit(開発キット)の販売を通じた開発が2016年にスタート予定という段階で、このプレイスタイルが実現したとしても、我々が実際にプレイできるにはまだかなりの時間が必要となりそうだ。


初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。