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「ホラーゲームには2種類のプレイヤーがいる」とする投稿が注目を集めている。ホラーゲームの明るさ系の設定を巡る、相反するプレイスタイルに議論も生じているようだ。
今回注目を浴びているのは、『バイオハザード レクイエム』の2種類のスクリーンショットを比べた投稿だ。左側は標準的な明るさ設定をおこなった場合のスクリーンショットとみられ、ライターの仄かな灯りが主人公とごくわずかな周囲を照らすリアルな光と影の表現がうかがえる。一方で右側は、左側の画像を極端に明るくし、さながらゲーム内設定で極端に明るくした状態を再現した画像のようで、まるで間接照明をつけているかのような明るさとなっている。同じシーンながら、明るさの雰囲気次第で与える印象がまったく異なることがうかがえる。なお投稿自体は2月におこなわれたものであるが、最近になって別のユーザーが転載し、話題を集めている。
投稿には「ホラーゲームには2種類のプレイヤーがいる」と書き添えられている。つまり暗いまま遊ぶプレイヤーと、とことん明るくして遊びやすい状態で攻略するプレイヤーに分かれるとの考えだろう。投稿者も明るくしてプレイするのが好みのようで、ポストのリプライにも一見“邪道”のように思える明るめの設定でプレイするという共感の声も集まっている。一方で開発者が想定した雰囲気のままでプレイしたいとの考えや、“暗闇に待ち受けているもの”をはっきり見たくないといった理由で暗いままプレイしたいという意見も見られ、プレイスタイルは人によって大きく異なるようだ。
『バイオハザード』を含め、特にホラーゲームではプレイ開始時にユーザーに明るさ・コントラスト・ガンマ値の設定を促す作品も多い。あえて明暗のハッキリした明るさ設定をおこなわせることで、グラフィックの見え方だけでなく、開発者が意図したような恐怖感を味わってほしいという狙いもあるのだろう。


なお過去には『Amnesia』シリーズなどホラーゲームを数々手がけてきたFrictional Gamesも、ホラーゲームの開発において「暗闇」は重要な要素であると言及していたことがある。同スタジオが2009年に公開した開発者ブログ記事によると、暗い場所は人々の想像力を刺激し、より驚きやすい環境を演出可能であり、これはかつて夜に捕食者に狩られていた祖先から受け継がれた遺伝的な名残だという。明るさを変えるだけで恐怖感に大きな違いが生じるものの、やみくもに照明を排除するのではなく、環境やイベントごとに適切な光の量を変え、プレイヤーに「何かが見える」状態が必要だと説明されていた。
そのためFrictional Gamesはゲームにおける、「より良い明るさ設定画面」の必要性を説いていた。たとえば同スタジオは『Penumbra』シリーズ作品にて、調整可能なガンマ値と、あわせて調整の目安となるテスト画像を用意。しかし、「この画面がかろうじて見えるようにする」といったテストは非常に主観的であるという問題を抱えていたとのこと。そのため当時開発中であった『Amnesia: The Dark Descent』では明るさの異なる2つの四角形の画像を用意し、片方は見えてもう片方は見えないといったガンマ値の調整の目安を用意することにしたという。
またガンマ値だけでなくコントラストと明るさも互いに影響しあううえ、環境におけるライティングでも見かけ上の明るさは変化。それらを踏まえて調節するために開発時にレベル内のライティングをテストする際には常にガンマを調節したり、マップの明るさを「懐中電灯を点けているかどうか」「霧があるかどうか」といったさまざまな条件で試したりすることが重要だと説明されていた。

そうした背景もあってか、当時Frictional Gamesは明るさ系の設定について「プレイヤー側も遊ぶ前にきちんと設定する責任がある」との意見も表明。ホラーゲームが恐怖感のポテンシャルを発揮するためには、開発者とプレイヤーの双方での対応が不可欠だという考えが示されていた。
あくまで2009年に投稿された記事ではあるが、「2種類の四角形の画像」を用いるといった明るさ系設定の調整は近年のゲームでも広く取り入れられているだろう。先述したとおりホラーゲームでは特に、ゲーム起動時に明るさ系の設定をいち早く促す作品も多くみられる。Frictional Gamesに限らず、開発者としてはユーザーの環境が多種多様な中で、それぞれに適切な明るさで作品を遊んでもらいたいという狙いはありそうだ。
また今回先述した『バイオハザード レクイエム』を含め、ホラーゲームといっても暗いシーンばかりではない。極端に明るくすると明るいシーンの見え方の変化などで、むしろ遊びにくくなる作品もあるだろう。
とはいえプレイヤーによっては、暗闇でアイテムを見逃す、迷って堂々巡りになるといったストレスもあるからか、明るさ設定で解決しようとするプレイスタイルも一定数存在しているようだ。明るさ設定を上げる遊び方は開発者が想定した見え方とは大きく異なるかもしれないが、視認性を高めたり恐怖感を和らげたりするための選択肢ではある。開発者が用意した見え方をそのまま堪能したいというプレイヤーと、遊びやすさを最優先したいプレイヤー。素朴ながらも相反するプレイスタイルであるからこそ、今回の投稿は議論を呼んでいるのだろう。
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