『ポケモンスリープ』開発元トップ、「二次創作を参考に寝顔を描いた」との憶測をきっぱり否定。参考は本家『ポケモン』のゲームシリーズ

 

ポケモンスリープ』に登場するポケモンの寝顔について、「二次創作を参考にしたのではないか」という噂が一部SNS上でささやかれていたようだ。そうした噂について、本作の開発を務めるSELECT BUTTONのCEO兼ゲームディレクターである中畑虎也氏が、直接否定する事態となった。

『ポケモンスリープ』は、ポケモンを題材にした睡眠時間管理アプリだ。舞台となるのはカビゴンが眠る島。ユーザーはこの島にて、ネロリ博士とともにポケモンの睡眠を研究していくことになる。ユーザーがスマートフォンを枕元に置いて寝ることで、本アプリは睡眠を計測・記録・分析してくれる。そして、ユーザーの睡眠に基づいたポケモンのコレクション要素などの遊びが用意。睡眠を介してポケモンを育てたり、カビゴンを1週間の中で大きくしたりと、育成要素を楽しめる。


『ポケモンスリープ』ではいろいろなポケモンの生態が反映された、それぞれ特有の寝顔を見ることができる。ポケモンごとの生態が反映された独特の寝顔が数種類用意されており、それを集めて寝顔図鑑を埋め、観賞するのも本作の醍醐味といえるだろう。

そんな『ポケモンスリープ』におけるポケモンの寝顔について、開発元が二次創作のイラストを参考にして描いているのではないかとの憶測が一部ユーザーによってSNS上に投稿されていたようだ。本作の開発元SELECT BUTTONのCEO兼ゲームディレクターを務める中畑虎也氏は、そうした噂について開発元も確認していると報告。「非常に残念な気持ちです」と心情を明かした。


また中畑氏は『ポケモンスリープ』に登場する寝顔の一部は、これまで『ポケモン』シリーズで登場した睡眠の生態を参考に制作していると明言。「弊社が二次創作を模倣して、ポケモンの寝顔を制作することは絶対にありません」と噂をきっぱりと否定した。

本作では同じポケモンでも複数の寝顔が存在している。なかにはそのポケモンごとの特徴を活かした寝方も存在。二次創作において、生態などの要素を取り入れつつ寝顔を描けば、どこかで『ポケモンスリープ』などの公式の寝顔やポーズと類似して見える部分も生じうるかもしれない。そうした見方から、一部ユーザーが「開発元が二次創作のイラストを参考にして描いているのではないか」といった憶測が投稿されていた状況もあったようだ。


なお、こうした二次創作やファンによるアイデア提案に基づいてトラブルに発展するケースもあり、提案については各ゲーム会社が「受け付けない」ことで対策をとっている状況もある。たとえば『ポケモン』シリーズの開発元であるゲームフリークでは、各種お問い合わせ先のページにて、企画書などのアイデアの送付を断っている。ファンレターなどについては一度ゲーム設計に関わらない従業員が開封し、アイデアを含む内容であった場合には、返送、もしくは処分がおこなわれるという。

対して今回の『ポケモンスリープ』の寝顔を巡る問題は、SNS上に投稿された二次創作が発端と見られる。アイデアの送付と違って開発元側で拒否が難しく、“見ていない”立証が難しい場合もあるケースだろう。なお株式会社ポケモンは二次的な創作物(二次コンテンツ)の知的財産権のガイドラインを定めている。これによると二次コンテンツの創作者および利用者は、同社および関係者に対して、二次コンテンツの一部または全部をあらゆる目的および形式で利用するための、非独占的、サブライセンス可能、無償、無期限かつ取消不能な全世界を対象とするライセンスを許諾するものとしている。二次創作を公式が参考にするかどうかは別として、二次創作を巡る権利トラブルに備えた規定を設けているわけだ。とはいえ今回は『ポケモンスリープ』が二次創作を参考にしたとする噂が独り歩きして広まった結果、開発元SELECT BUTTONの中畑氏によって声明が出され、明確に否定されるという事態に発展したかたちだ。