実写恋愛ゲーム『君、勉強を邪魔しないでください』大人気の滑り出し。日本語対応、開発チームの失った青春と“妄想”をゲーム化したドタバタ恋愛劇

 

デベロッパーの蒸汽满满工作室は3月29日、『美女,请别影响我学习(君、勉強を邪魔しないでください)』を配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)。ゲーム内は日本語表示に対応している。本作は連日ピーク時1万人を超える同時接続プレイヤー数を記録し「圧倒的に好評」ステータスを得るなど人気を博している。


『美女,请别影响我学习』は恋愛アドベンチャーゲームだ。プレイヤーは偶然女子大に入学してしまった唯一の男子学生として、6人のヒロインたちと交流していく。本作のゲームプレイは一人称視点の実写インタラクティブビデオとして展開される。主人公の視点で撮影された実写映像でヒロインたちとの会話やイベントなどを体感しつつ、選択肢を選んだり入手したアイテムを使ったりして、ストーリーを進めていく。そうして分岐する物語のエンディングを目指す。

本作は3月29日に発売された。Steam同時接続プレイヤー数は連日ピーク時の数字を更新しており、本稿執筆時点で最高約1万2000人を記録(SteamDB)。ユーザーレビューでは、約1400件中97%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスを獲得している。Steamレビュー統計サイトSteam Scoutによるとレビューの約88%が中国語(簡体字)とのことで、中国語圏を中心に大きな支持を受けているようだ。レビュー内容では、ハーレム作品として“ド直球”の舞台設定やヒロインたちの魅力などが好評を集めている。また出演者たちの演技も評価を受けており、比較的安価ながらクオリティの高い作品として好評が寄せられているようだ。投稿者が自分の人生を振り返りつつ本作について語る、熱量高めのレビューも散見される。

 

なおSteamでは中国語ユーザーからの実写映像のアドベンチャーゲーム人気が近年高まりを見せている(関連記事)。たとえば2023年10月に発売された恋愛ADV『完蛋!我被美女包围了!(トキメキ!コイしたいライフ!)』は本稿執筆時点で約3万4000件のユーザーレビューを集め、そのうち94%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。また恋愛物以外にも、時代劇ADV『神都不良探 Underdog Detective』やネット依存をテーマとした『飞越13号房』はそれぞれ数千件のユーザーレビューを集めるなど、一定の人気を得ている。


本作『美女,请别影响我学习』も、そうした中国での実写アドベンチャーゲームの人気の流れに乗った作品といえるだろう。Steamストアページにて開発元は、「制作チームの心の声」として本作開発の経緯を語っている。それによると、制作チームは学生時代を懐かしむ多様な紳士たちから成り立っているという。チームメンバーの、もう一度学生に戻って青春をやり直してみたいという思いと、中国における近年の実写インタラクティブゲームの人気から、本作を制作したとのことだ。プレイした人が思わずニヤニヤしてしまうような作品を目指したという。


また制作チームは、ストアページにて宋の時代の詞人・劉過の詞の一部を引用。「欲買桂花共載酒,終不似少年遊(花を買って酒を一緒に飲もうとしても、若いころと同じようには楽しめない)」としており、戻りたくても戻れない青春に思い焦がれる、開発元の複雑な心境が伺える。なお中国では「若者の恋愛・結婚離れ」やそれに伴う少子化が社会問題になっているという(時事ドットコム)。本作もそうした経験のある開発チームの切実な想いが反映されているようで、ユーザーの需要にマッチしつつ共感を呼んでいる様子。好評かつ好調なスタートに繋がっているのだろう。

『美女,请别影响我学习(君、勉強を邪魔しないでください)』はPC(Steam)向けに配信中だ。価格は税込1000円で、日本語表示に対応している。また現在リリース記念セールがおこなわれており、4月5日まで10%オフとなる税込900円で購入可能だ。