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近年、急速に盛り上がりを見せているeSportsシーン。その中核ともいえるのがオフラインイベントや各種大会で、その影にはさまざまなイベント業者の姿がある。「AVAれ祭」「Red Bull Tower of Pride」など、さまざまなイベントを手がけてきたグランドステージもその一社で、事業拡大のために人材を募集中だ。今回は株式会社グランドステージの代表取締役 三木紀典氏と、10年以上にわたって同社とパートナーを組み、自身もeSportsシーンで精力的な活動を続ける株式会社グルーブシンク松井悠氏に、これまでの活動や求める人材像について語ってもらった。記事の最後には採用情報に関するリンクなども掲載しているので、気になる方はこちらもチェックしてほしい。

 

「AVAれ祭」がゲーム業界にかかわるきっかけだった

松井悠(以下、松井):
こんな風に話すのも初めてですよね。

三木紀典(以下、三木):
今日はよろしくお願いします。

松井:
改まって言うのも何ですが、僕らって結構おもしろい組み合わせじゃないかと思うんですよ。会社を設立したのが同じ2002年で、長くゲームのプロモーションイベントやeSport大会の設営・運営などでご一緒させていただいていて。

三木:
お互いに得意分野を活かして、知恵を出し合えてきていますよね。

松井:
それでいて、年齢は10歳違うという。

三木:
自分が1969年生まれで、松井さんが1979年生まれ。

松井:
しかも自分がゲーマー上がりで、三木さんがガチのイベント屋と、いろいろな意味で好対照。たしか、最初にお会いしたのが2008年のWorld Cyber Games日本予選大会でしたよね。

三木:
そうですね。もともと弊社は音楽・自動車・コンサートなど、幅広いジャンルでイベント制作・運営を行ってきました。現在はゲーム関連のお仕事が増えていますが、基本的にはオールジャンルでお仕事をさせていただいています。逆に言うとゲームについては何も知らなかったんですよ。

松井:
それが、なぜゲームのイベントを手がけるようになったんですか?

三木:
当時お付き合いしていたクライアントのマーケティング担当者が、ゲーム会社に転職されたんですね。そこで同じようにイベントをやるので・・・とお声がけいただいたのがきっかけです。ただ、僕らはイベントやステージ設計はできましたが、肝心のゲームについて何も知らない。それで、誰か詳しい方を探した結果、グルーブシンクさんに行き着きました。文字通り、電話帳で探す勢いでした。

松井:
ゲームイベントに参入するにあたって、なにが一番大変でしたか?

三木:
ゲームには、いろんなジャンルがありますよね。同じようにゲームのイベントにも、ファンイベント・新作発表会・対戦イベントなど、いろいろな種類があります。そこを間違うとピントのずれた内容になってしまう。そこから理解する必要がありました。

松井:
そうした流れで、はじめてお仕事でご一緒させていただいたのが、オンラインFPSゲーム『Alliance of Valiant Arms』(AVA)のオフラインイベント、「AVAれ祭」でした。

三木:
『AVA』については、2008年の国内ローンチから一貫してイベントに携わってきました。コミュニティ活性化のために、ファンイベントから世界大会まで、さまざまなレベルでイベントを開催しましたね。ただ、ゲームの中身について深く理解している人に手伝っていただくと、よりイベントの完成度が上がります。そのため、松井さんにお声がけさせていただきました。

松井:
僕らもそれまで、さまざまなゲームイベントを開催してきましたが、プロのイベンターのスキルやノウハウを間近で吸収する良い機会をいただき、大変勉強になりました。実際、2008年~09年はF2P系のPCオンラインゲームが黄金期を迎えて、日本でも、すごい勢いで新作タイトルが発表されましたよね。それに伴って、各地でいろんなイベントが開催されていくなかで、当然のようにイベントでもいろいろなトラブルが発生してしまって。

三木:
トラブル対応については僕らも少しずつ、イベントを積み重ねながら学ばせていただきました。実際、最初の1-2年目は最重要課題でしたね。電源が安定しない、オンラインゲームなのにネットワークにつながらない、PCの不調……。いずれも、前例がないことばかりでした。そのため、常にいろんなシミュレーションをしていました。「トラブルが発生し試合が中断した場合のステージコンテンツを予め用意しておく」など、様々な工夫をしている時期でした。

松井:
僕らも当時はなまじゲーマー上がりだから、ヤマアラシのように尖ってました。「ゲームを知らない業者がイベントを仕切るんじゃない!」みたいに。それでも、ステージの完成度が高ければ、いいイベントができるんですよ。ゲーマーにとって、「あそこで戦えるんだ!」など、めざすべき場所が明確化されるわけですからね。そのためには、お互いのコミュニケーションが大事。三木さんとお仕事をしながら、そういったことを学ばされました。

三木:
一方で僕らも、ある程度トラブル対応のノウハウが蓄積されていくと、本業である演出面に注力できるようになるじゃないですか。そうしたら、やっと格好良くてテンションが上がるステージが作れるようになる。そうすると、プレイヤーもモチベーションが上がって、結果的に良いマッチができる。3~4年目にして、やっとそのレベルまで上がってきました。

松井:
象徴的だったのが「AVAれ祭2011~後楽園ホール・冬の陣」でしたね。始発から会場に行列ができて、東京ドームまで行列が伸びました。

三木:
「格闘技の聖地である後楽園ホールで戦うプレイヤーを見たい」、そんな思いを共有するゲーマーが、あれだけいたのかと、僕らも驚かされました。

松井:
優勝賞金も30万円で、今から考えれば少額でしたが、当時は日本で一番プレイヤーを集める大会でしたね。

「AVAれ祭2011」より

 

イベントをゼロから企画した「Red Bull Tower of Pride」

松井:
その次にご一緒させていただいたのが、「Red Bull 5G」でした。自分がRed Bullさんと一緒にゲーム大会を企画・運営するようになり、秋葉原UDXで開催された2014年大会からグランドステージにお声がけをさせていただきました。「AVAれ祭」では三木さんからお仕事をいただきましたが、今度はこちらからお仕事をお願いしたという。

三木:
そうですね。そういう意味でも、おもしろい関係だと思います。

松井:
正確には、2013年に開催された「Red Bull Gaming U」が皮切りでした。トッププレイヤーを招いて、1泊2日で学生ゲーマー向けにミニキャンプをやったイベントです。8月30日・31日に開催されたこともあり、学生に対して、夏の最後の思い出を、ゲームを通して作ってもらい、ゲーマーとしても成長してもらう狙いがありました。そこでグランドステージのホスピタリティの高さに驚かされました。

三木:
実は、それまで手がけてきたイベントの大半が、ゲーム業界以外のBtoBを主としたセールスプロモーションイベントだったので、ホスピタリティが重要だったんですよ。演者に対しても、来場者に対しても、高いおもてなしのマインドが求められました。逆にそのやり方しか知らなかったので、松井さんから「そこまで必要ないですよ」なんてアドバイスをいただいたこともありましたね。

松井:
ああいう、すごく作り込まれたイベントをしていただいたことで、参加者も顔つきが変わりましたよね。

三木:
参加された学生さんに、どんなサプライズを提供できるかがポイントでした。会場に足を一歩踏み入れてもらって、おおーっと声が出るような感じにしたり。プレイヤーから良い表情が引き出せれば、自然と良い試合になることが、経験上わかっていました。だったら、そのためにイベント屋として、できることをしようと。

松井:
そんなふうにイベントを作り上げていって、一つの形を作り上げられたのが2017年に開催した「Red Bull Tower of Pride」でした。『ストリートファイターV』の決定戦を行ったイベントで、自分たちで言うのもなんですが、異例ずくめでしたね。

三木:
そうですね。

松井:
簡単に状況を説明すると、当時はすでに日本人プロゲーマーが海外の大会でさまざまな活躍を見せていて、日本でもeSportsに注目が集まりはじめていた時期でした。それと並行してCAPCOM Pro Tourも始まっており、世界中で腕に自慢のあるプレイヤーが賞金をかけてガチな勝負を行っていました。そうした中で単発イベントを開催する、しかも賞金額はどうしたって見劣りするという……。どうするんだ、これって。

三木:
最初に企画の相談を受けたのが2017年の2月くらいでした。幕張で別のイベントが終わった直後で、フラフラになっていた時に「ちょっと相談があるんだけど」って、Red Bullさんと松井さんにホテルで声をかけられて。

松井:
そうでしたっけ(笑)。ただ、あのイベントでいうと、文字通りゼロから企画を考えて作り上げたという、他に類を見ない内容になりましたよね。我々はクライアントの依頼を受けてイベントを実施するので、いろんな事情で自由に企画できないことも多い。それが「Red Bull Tower of Pride」は文字通り、ゼロから作り上げる、というイベントになりました。

「Red Bull Tower of Pride」より  ©Red Bull /SUGURU SAITO

三木:
Red Bull 5Gも、Red Bull Gaming U でも、Red Bullさんのイベントでは、どこで「わくわく」させるかがポイントですよね。
この時は、映画『死亡遊戯』みたいに塔を登りながら勝ち抜き戦をしたい、なんて話が出てましたよね。そのためイベント会場にタワーの造作をして、勝てばあそこで戦えるんだと、参加者に自然に理解してもらえるような構成にしたいと、ご要望をいただいてのスタートでした。

松井:
それと、大きかったのが「賞金ゼロ」にしたということ。というのも当時、「日本は高額賞金が出せないからeSportsが盛り上がらない」という論調が、ぼちぼち出始めていたじゃないですか。それに対して前々から違和感があったんです。たしかに賞金が高いに越したことはない。でも、それって結果じゃないのか? ゲーマーにとって、ホントに大事なのは自分たちのプライドじゃないのか? だったらプライドだけをかけて全国から集まってきてほしい、そういった思いをイベント名に込めようという結論になりましたね。

三木:
ただ、過去に例がないイベントだったので、暗中模索のところもありましたね。会場レイアウト、美術プラン、照明プラン、それぞれを進めていましたが、前日にリハーサルをやっている際に、Red Bullさんと、松井さんとステージ上から会場を眺めて、「あぁ、これがやりたかったんだ。」と、はじめてそこで、翌日の本番の「わくわく感」が、イメージできた瞬間でした。
企画段階から、「掛けるのは己のプライドのみ」というコンセプトが一貫してぶれなかったRed Bullさん側さんの云うテーマと、我々スタッフのやりたいことが合致してこそ、イベントの成功は成り立つんだと思いました。

松井:
イベントって一回性が強いじゃないですか。同じ内容でも演者によって全然違ったりする。だからこそ、いいイベントを作ろうという。

三木:
そんな思いで毎回やっているところはありますね。

 

ゲーマーの「ダサ格好良さ」をスタンダードにしたい

松井:
最近はゲームのイベントといえば、ストリーミング中継が必須になっていますが、この点についても何か感じられていることはありますか?

三木:
それこそ、まったくノウハウがないところなので、弊社のパートナー会社と協力しています。そこから学ぶこともたくさんありますね。大前提として、ストリーミング配信って生放送じゃないですか。だから、我々としても不測の事態に備えて、台本をきっちり準備しています。台詞だけでなく、人やモノの動きなど、秒単位で。

松井:
すごく細かいですよね。そこも勉強になったところです。

三木:
ただ、あんまりガチガチに固めすぎて、予定調和でやってしまうと、選手の良い表情が出ないことが多いように思うんです。その結果、あまり試合が盛り上がらないで終わってしまったり……。そのため最近では、事前準備は完璧にしておいて、いざ本番ではなるべく型にはめないように心がけています。そこから偶然生まれるものが、100~200倍もの価値を生み出すんじゃないかと。

松井:
深いですね。

三木:
ただ、このあたりは自分自身も言語化できていない部分であり、弊社の今後のテーマと課題としていく点です。

松井:
そういえば、最近「eSportsを盛り上げるためには、スター選手を創り出さなければいけない」という論調を耳にすることがあるんです。すごく違和感を覚えることがあるんですが、いかがですか?

三木:
その違和感は、イベントを手がける立場だからかもしれませんね。

松井:
僕らができることって、スター選手が生まれる可能性がある場所を用意することじゃないですか。恣意的に「この大会でスター選手を生み出そう」なんて、無理だと思うんですよ。いくら格好良く演出で飾ってあげても、普段から身についたものでなければ、すぐにメッキがはがれちゃうだろうし。

三木:
実際、みんな慣れていないから、ぎこちないんですよね。入場してきて、ポーズを決めたりする選手もいますが、どこかダサかったりする。ただ、最近は彼らが恥ずかしそうにガッツポーズしている姿こそが、実は格好いいんじゃないかと思うようになりました。ダサいポーズを決めている奴が、試合に負けて真剣に悔しがっている。そんな姿が本当は格好いいことを、、僕らがしっかりと演出してあげることで、逆に業界スタンダードにしていければ良いのかな、と感じています。

「Red Bull Gaming U」より  ©Red Bull Content Pool /Yusuke Kashiwazaki

松井:
そんなふうにして二人とも、これまで10年以上ゲームイベントに携わってきて、1000人くらいのプレイヤーに会ってきたわけじゃないですか。最近は「あの時のあの大会でお世話になりました」なんて学生が社会人になり、仕事で挨拶されることがあるんですよ。感慨深いなと。

三木:
今ってちょうど、そういう時期なんだと思うんです。『AVA』などで活躍した世代がゲームシーンから引退する一方で、ゲームイベントの需要が拡大し、ゲームのことがわかる人材が求められています。実際にいろんな会社様がゲームイベントの開催を通して、コミュニティ形成を進められるようになっています。ただ、パブリッシャーの主業務はあくまでゲームを作って販売することだから、イベント開催のノウハウがないことも多い。それもあって、お問い合わせをいただく機会が増えました。

松井:
ここ数年、「eSports元年」と言われるだけあって、急に増えてきましたね。ただ、前にも話したように、ゲームイベントはノウハウがなければトラブルが頻発しかねない。電源が入らない、ネットにつながらないといったハードウェアトラブルもあれば、大会ルールを間違えてしまう、ゲームのルームが立たないといったヒューマントラブルもあります。その結果、大会が中断といったことも珍しくありません。

三木:
ゲームイベントって本当に難しいと思います。他のイベントとの違いがきちんと理解していないと「型」にはめることになってしまいます。ひとことでいえば「ゲーム愛」が不足しているというか……。

松井:
趣味でやっているのなら、コストやリソースを無視して開催できますよね。一方でビジネスであれば、必ず予算の制限があります。ゲーマーからすると、「ゲームがわかっていない大会」は過剰に反応してしまうし、逆に「わかっている大会」に尊敬が集まりすぎるきらいもあります。バランスが難しいのではないでしょうか?

三木:
僕らが良く言っているのは、うちの会社は「ゲームを愛する人たちを応援すること」だということ。ゲームについて何も知らないよりは、知っておいた方が良い。ただ、ゲームといってもいろいろありますよね。当然、遊び込むには時間がかかります。

松井:
そうなんですよね。自分も昔は良く「三木さん、ゲームを遊ばないんですか?」と聞いていました。ただ、最近はすっかり言わなくなりました。そこは自分の中でも考え方が変わったところです。大事なのは「ゲーマーとして遊び込むこと」ではなくて、「それぞれのゲームのポイントや要素をうまく引き出して、イベントを通して的確に伝えられるようにすること」なんじゃないかと。

三木:
よくボクシングの試合を観戦しているカップルに例えて話をするんです。電光石火のカウンターが決まって、片方の選手がダウンして、彼氏は興奮しているんだけど、その凄さが彼女の方は良くわからなかったりする。当然、彼氏は「あれはカウンターといって……」なんて説明をしたりして。それで彼女の方がつまらないかというと、彼氏の解説を通しておもしろがっていたりするんですよね。

松井:
はいはい。

三木:
そんな風に観戦ファンをどうやって増やせるかが、イベント市場の拡大にはすごく大切です。そのためにはゲームファンもさることながら、選手のファンを増やすことが大事です。そのためにスター選手が重要だという話は、そのとおりなんですよね。実際、多くの企業さんが、その重要性に気づきはじめています。我々も、そのための環境作りに力を入れていきたいですね。

 

「ゲームの外側のルール」を作り上げられる人が欲しい

松井:
ただ、そのためにはスタッフが足りない。

三木:
そうなんですよ。ゲームイベント分野を拡大していく上で、新卒・中途を問わす、積極的に募集しています。イベントプロモーションの制作・イベント会社などの経験はもちろん、コミュニケーション能力が高い方。好奇心旺盛な方。色々なものに興味がある方。得意分野をお持ちの方。どんなことにもめげずに、頑張れる方などがいいですね。

松井:
たとえば新卒では、どういった人材を募集されていますか?

三木:
ゲームが好きで、ゲームをきちんと理解していて、ゲームイベントを開催する上で、はじめのうちは特定の分野でもかまわないので、しっかりと責任を果たせる人ですね。学歴については気にしません。さっきも言ったように、ゲーマーとして活躍してきた人々のセカンドキャリアとしても検討してもらえると良いと思っています。彼らのゲームに対する愛情やモチベーション、姿勢などに期待したいですね。

松井:
ただ、実際問題としてイベントを運営する上で、司会や配信といった派手な部分だけでなく、泥臭い部分もたくさんありますよね。その上でゲーマーに期待することは何でしょうか?

三木:
ゲームはルールの構造体ですが、ゲームイベントにはゲームを取り巻く、もう一つ外側のルールが存在します。そこをゼロから作り上げていける力ですね。それにはゲームが好きで、遊び込んでいることが重要なんです。

松井:
具体的にはどういったことですか?

三木:
僕らはよく「選手に対してイコールコンディションを担保する」といった言い方をしています。たとえば、格闘ゲームの大会前日にホテルに宿泊していただくとして、ある選手はシングル、ある選手はツインといった風に部屋に差が生まれてしまうと、イコールコンディションになりませんよね。イコールコンディションを設定してあげることで、選手も安心して大会に臨めるようになる。こういった指摘は、ゲーマーでなければ出てきません。実際、我々もイベントを通して気づかされた点です。

松井:
僕自身がそうしたゲーマー上がりということもあり、弊社でもそうした元ゲーマーを採用しています。彼らはイベンターとしては素人なので、最初は雑用から始めてもらって、だんだんと高度な仕事を任せていきます。だいたい3年くらいやれば、東京ゲームショウのイベントステージを仕切れるくらいにはなりますね。三木さんの会社ではどうでしょうか?

三木:
うちも同じですね。新卒であれば、まずはイベント全体のスキームにかかわるようなポジションで、アシスタントとしてスタートしてもらいます。いわば、雑用ですね。その後、イベントを構成するさまざまなポジションのうち、どれか一つに関わってもらって、そこを完璧に担当できるように励んでもらいます。その後、徐々に上流ポジションを経験しながら、全体を統括するようなポジションに進んでいくというのが、主な流れです。

松井:
実際、一口にイベントと言っても、さまざまなセクションがありますよね。

三木:
そうですね。会場探しから始まって、図面設計・美術・装飾・音響・誘導・受付・演出・演者のケアなど、さまざまな役割があります。その一つを極めていくことで、自分なりに楽しさとやりがいが見つけられるかどうかだと思うんですよ。

松井:
具体的にはどういった業務になりますか?

三木:
制作アシスタントでは、プロジェクトがスムーズに進行するように調べ物をしたり、アポイントメントをとってもらったり、資料作成や発注管理、本番に向けての準備、本番日での現場稼動などがありますね。制作スタッフになると、案件担当者から指示をもらって、制作進行の作成や管理、本番に向けての準備、協力会社との連絡・連携常務などにも携わっていただくことになります。

松井:
ゲーマーとしての腕については、どうでしょうか?

三木:
ゲームについての愛情や理解度は必要ですが、全国大会で優勝といった様な肩書きとは、また別だと思うんです。むしろ、ゲームはあまり上手くないけれど、よくオフラインイベントなどに参加している、などの方が向いている気がしますね。

松井:
一方で、中途募集の方はどうでしょうか? こういった方に来てもらいたいというイメージはありますか?

三木:
イベント業界の方も歓迎ですが、ゲーム会社の宣伝・広報の方で、日頃からゲーマーコミュニティと向き合って仕事をされている方に、ぜひ応募していただきたいですね。逆にイベント開催のノウハウについては、我々がいくらでも教えられますから。

松井:
欧米ではコミュニティマネージャーという役職が存在しますが、日本ではまだ専業でやられている方は限定的ですよね。キャリアパスの一環として、ゲームイベント運営を手がけてみるという考え方も、アリかもしれません。

三木:
そういった考えで言うと、実は最近「日本で支社を持っていないが、ゲームのマーケティングを行いたい」という海外企業からの問い合わせが増えているんです。そうしたニーズを弊社で受け止めて、ワンストップでマーケティングからゲームイベント運営まで手がけられる会社になりたい・・・そういったビジョンもあります。

松井:
それはおもしろいですね。

三木:
もちろん、そのためには会社として、言語コミュニケーションスキルを含めて、さまざまな力をつけていかなければいけません。そうしたビジネス開発に興味のある方の募集もお待ちしています。

松井:
いろいろと広がりを見せていきそうですね。ゲームイベントを手がける企業が増えているなかで、差別化につながりそうです。

三木:
ありがとうございます。その中でも弊社では、自分たちが格好いいと思うことを、ビジネスよりも少しだけ重視して実現していくことをモットーにしています。そのため、時には利益を度外視してしまうこともありますが、そうしたマインドが結果としてビジネスにつながることがありますし、それが会社の特色でもあります。

松井:
その辺は自分も仕事をご一緒させていただきながら、よく感じているところです。

三木:
その一方で、自分たちが「格好いい」と思うことが、時代の流れの中で、市場からずれないように気をつけてもいますね。

松井:
最後に重要なこととして、グランドステージはゲームイベント専業ではないということ。

「Red Bull Gaming U」より  ©Red Bull Content Pool /Yusuke Kashiwazaki

三木:
そうですね。実際に今後どの程度、eSports市場が拡大するか、我々としても正確に見極められないところがあります。もちろん、市場の拡大を見こしているから、人材を募集しているわけですが。ゲームイベントの制作経験は、かなりのトラブルシミュレーションの実力が身につくはずです。そこで得られた知見やノウハウは、別ジャンルのイベント運営でも生かせると思います。

松井:
自分も最近、いろいろな大学でeSportsについて、ゲスト講師をする機会をいただいています。先日は国際基督教大学で講義をした後で、学生に「5年後のeSports」について思うところを書いてもらいました。さまざまなアイディアが寄せられて、自分も刺激になりました。

三木:
どういった内容がありましたか?

松井:
現実離れしたものから、地に足が着いたものまで、さまざまでしたよ。ただ、2023年といえば東京オリンピックが終わって3年後です。その頃には4K放送・5G回線・VRといった技術がある程度普及しているでしょう。その一方でオリンピックが終わって、コンテンツ不足の会場が増えているとも思いますし。

三木:
実際、2020年の東京オリンピックはゴールではなくて、次のスタートになるという事は誰もがわかっていることだと思います。その中で、どうやってゲームイベントを通して、コンペティティブ(競技)ゲーム全体を盛り上げていけるかが、我々の課題です。良いイベントを市場に提供していくことに注力すれば、自然に結果は着いてくるのかなと思ってやっています。

松井:
まとめると、まずイベント業が本業としてあって、そこからゲームイベントに注力しつつ、それ以外の分野にも広げていくと。

三木:
そうですね。イベントを作り上げていく工程には厳しい面もたくさんありますが、その分だけ成長する喜びも味わえます。日々そうした喜びを実感しながら、次に向けてより良い物を作り上げていくおもしろさもあると思います。

ただ、そのためには我々だけでは力不足で、一緒に成長していける方々の募集をお待ちしています。

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・年齢:20~35歳くらいまで
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7月27日~29日に会社説明会を実施致します。
説明会は終了しました。

詳しくは、
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求人情報はこちらでもご確認出来ます。ぜひ、ご覧ください。

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1971年生まれ。関西大学社会学部卒。「ゲーム批評」(マイクロマガジン社刊)編集長などを経てフリーランスのゲームジャーナリスト。GDC、E3をはじめ、国内外のゲームイベントへの取材・レビュー・インタビュー記事、書籍執筆、講演など、幅広く活動している。NPO法人IGDA日本名誉理事・事務スタッフ。主な書籍に「ゲーム開発者が知るべき97のこと②」(編著)がある。