国立天文台の無料TRPG『サンドキャッスルTRPG』日本語版、ついに公開。やたらと科学技術が発達した王道ファンタジー冒険を日本語でも楽しめる

国立天文台は3月6日、ファンタジーTRPG『サンドキャッスルTRPG』の日本語版を公開した。ルールブックのほか、ペーパーコマやサイコロといったプレイ用アイテムも無料でダウンロードすることができる。

国立天文台は3月6日、ファンタジーTRPG『サンドキャッスルTRPG』の日本語版を公開した。ゲームを遊ぶためのルールブックのほか、ペーパーコマやサイコロといったプレイ用アイテムも無料でダウンロードすることができる。


『サンドキャッスルTRPG』は初心者からベテランまでが楽しめる、シンプルで手軽なシステムのTRPGだ。2023年2月に英語版が発表されており、日本語版の制作が進められていた(関連記事)。

舞台は「ドメイン」と呼ばれる中世風の剣と魔法のファンタジー世界。魔術師や怪物、エルフやドワーフが登場する、オーソドックスなファンタジー世界観である。しかし、科学技術は中世とは思えないほどに発達しており、プレイヤーキャラクターは「物理科学」や「工学」といった科学技術的な技能を身につけることが可能だ。純粋なファンタジーとは一味違った、科学的な冒険を楽しめるTRPGシステムなのだ。

国立天文台は日本の天文学研究機関だ。大規模な天文観測および研究施設を全国の研究者に提供しており、天文学研究と天文観測機器の開発を広く推進している。技術・設備提供のほかにも、国際協力のもと天文学の発展のために活動をおこなっている研究機関である。国立天文台がTRPGを制作したきっかけは、新型コロナウイルス感染症の流行がきっかけだったとのこと。対面での活動が制限されるなかで、近年オンラインで遊ぶインフラが整ってきたTRPGを通じ、さまざまな科学分野を紹介することができればと開発されたそうだ。

研究機関がTRPGを公開する例としては、3月5日にNASAがオリジナルシナリオ『The Lost Universe』をリリースしたことが記憶に新しい(関連記事)。こちらはシステムを問わずに利用可能なシナリオなので、『サンドキャッスルTRPG』の世界観で遊ぶこともできるだろう。異なる研究機関が制作したTRPG作品をクロスオーバーさせてプレイするのも面白いかもしれない。

『サンドキャッスルTRPG』は、現在無料公開中だ。国立天文台の著作物が元になっていることを明らかにすれば、シナリオやサプリメントも自由に作ることができるとのこと。科学分野の学びに触れつつ、「ドメイン」の世界を楽しんでみてはいかがだろうか。

Aki Nogishi
Aki Nogishi

ポストアポカリプスとドット絵に心惹かれます。AUTOMATONではFF14をメインに担当します。

Articles: 329