「“Nintendo Switchの後継機”向けのゲームを作っている」との回答が業界調査に寄せられる。存在するのかどうかはともかくとして

 

Game Developers Conference(GDC)公式サイトにて現地時間1月18日、ゲーム業界の調査レポート「2024 State of the Game Industry」が公開された。3000人以上の開発者に向けたアンケート調査の結果をまとめたレポートだ。

このアンケート調査では「Nintendo Switchの後継機」についての質問も用意されていたそうで、一部開発者からは後継機に向けた開発プロジェクトを進めているとの回答も寄せられたという。なお任天堂側は少なくとも2023年11月時点では「開発者にも後継機を披露していない」との旨を伝えており、一部開発者が自主的に後継機を見据えた開発に着手している可能性もありそうだ。


GDCは1988年から毎年開催されているゲーム開発者の国際会議だ。運営元はこれまでゲーム業界の調査として「State of the Game Industry」というレポートを作成してきた。そして今回、第12回目の調査レポートとなる「2024 State of the Game Industry」が公開されている。今回は市場調査会社Omdiaとの提携で3000人以上の開発者に向けたアンケート調査が実施されたという。

さまざまなアンケートの調査結果が報告されるなか、特に注目されるのはプラットフォームに関する質問への回答だ。プラットフォームに関するアンケートではまず、複数回答可能な形式で「現在携わっているプロジェクトがどのプラットフォームで開発されているか」が訊かれた。複数回答可能な形式となっており、結果としてはPCが66%ともっとも多くを占めている。

Image Credit: 2024 State of the Game Industry

ほかに注目したいのは下から9番目、調査対象者の8%が「Nintendo Switch successor(後継機)」と回答している点だ。つまり今回のアンケート調査では、約3000人中240人がNintendo Switchの後継機に向けた作品を開発していると答えたわけだ。ちなみに「開発者としてどのプラットフォームにもっとも興味をもっているか」と訊く別の質問でも“Nintendo Switchの後継機”が選択肢に用意されていたようだ。こちらも複数回答可能で、62%がPC、41%がPS5、32%がNintendo Switchの後継機といった結果を得られたという。

Nintendo Switchは2017年3月の発売から、まもなく7年を迎える。昨年2023年は任天堂が定時株主総会などの場にてその後継機種について言及。昨年6月に同社社長の古川俊太郎氏は、Nintendo Switchから次世代機へのユーザーの移行においてはニンテンドーアカウントを活用する考えを示していた(資料pdf)。しかし次世代機がどのようなハードウェア・スペックになるのかや、発売時期については一切明らかにされていない。


なお昨年2023年には、同年8月にドイツで開催されたイベントgamescomにて「任天堂が一部のメディアや開発者向けに、非公開の場にて次世代機を披露した」との情報が、海外メディアにて次々に報じられた。しかし任天堂は同年11月におこなわれた決算発表会見にて、そうした報道を「事実ではない」と否定。次世代機にまつわるほかのさまざまな観測報道についても、「ネットを中心にあたかも公開情報であるかのようなうわさが流れているが不正確だ」と指摘したとされる(毎日新聞)。少なくとも昨年11月時点では、開発者に向けてもNintendo Switchの後継機についての情報は明かされていなかったようだ。

今回のGDCの調査レポートを見るに、そうしたなかでも一部開発者たちはNintendo Switchの後継機に向けた開発をおこなっているとみられる。任天堂側が次世代機についての情報を明かす前に、各開発元が自主的に後継機を見据えたプロジェクトを進めているかたちかもしれない。いずれにせよNintendo Switchの後継機については、任天堂からの発表が今後も注目されるところだろう。