『サイバーパンク2077』ディレクター、“大型アプデ”はもう来ないと明言。小規模アプデのあと「2」開発に移行

 

CD PROJEKT RED(以下、CDPR)は9月22日、『サイバーパンク2077』PC/PS5/Xbox Series X|S版に向けて無料アップデート2.0を配信開始。さらに9月26日には大型拡張パック「仮初めの自由」を配信開始した。これを受けて本作のSteamでの同時接続プレイヤー数が急増を見せるなど、盛況を博している(関連記事)。

ただ今後本作に向けた大型アップデートはおこなわれず、小規模なサポートのみが計画されているという。その後開発チームは続編の開発に専念することになるようだ。海外メディアPC Gamerのインタビューに対し、本作のディレクターGabe Amatangelo氏が明かしている。

『サイバーパンク2077』は2020年発売のオープンワールドアクションゲームだ。9月26日には、本作にとって最初で最後の大型拡張パックとなる「仮初めの自由」が配信開始。同拡張パックでは、壁で外部と隔絶された危険地帯ドッグタウンが登場。主人公Vに新たな任務が託され、“新合衆国大統領”を救出することになる。忠誠心と陰謀が絡み合うスパイ・スリラーをテーマにした物語が展開される。また拡張パックに先がけて無料アップデートとなるパッチ2.0も配信。拡張パックだけでなくパッチでも数々の新要素が実装された。

今回、PC Gamerのインタビューに対し、CDPRのバイスプレジデント兼本作ゲームディレクターGabe Amatangelo氏が本作の今後について明かした。同氏によるとパッチ2.0と「仮初めの自由」は、本作に向けた最後の大型アップデートになるとのこと。小規模アプデなどのサポートは今後も予定されているものの、今後大規模な新展開は計画されていないそうだ。つまり今後本作に向けては新要素の展開ではなく、不具合修正などが主体となるのだろう。なお「仮初めの自由」は発表当時から本作に向けに予定されている唯一の拡張パックであると説明されていた。今回、改めてGabe氏により本作に拡張パックや大型アップデートが予定されていないことが伝えられたかたちだ。


なお先日おこなわれたCD PROJEKT Groupの2023年上半期決算報告では、本作の新展開が終わるのは「技術的な理由による決断(technological decision)」であると明言されていた(関連記事)。というのもCDPRは『ウィッチャー2 王の暗殺者』以降、独自のゲームエンジンREDengineをベースに開発をおこなってきた。『サイバーパンク2077』にもその後継となるREDengine 4が用いられていたものの、スタジオは今後Unreal Engine 5に完全に移行することが決定された。

この決定に伴って、本作はスタジオにとってREDengineを使用する最後のタイトルとなったかたち。スタジオが使用するゲームエンジンの移行に伴って、『サイバーパンク2077』の新たな展開も打ち止めとなるのだろう。CDPRは2022年3月に『ウィッチャー』シリーズの新作が開発中であると明かしており、こちらもUE5で開発されていることが伝えられている。

そのほか、Gabe氏はインタビューにて、開発チームの今後についても明かしている。同氏によると(小規模なサポートを終えた後は)本作の続編の開発に取り組む予定だそうだ。昨年10月にCD PROJEKT Groupは、『サイバーパンク2077』の正式な続編の開発プロジェクトを『Project Orion』として発表していた(関連記事)。チームはこちらの開発に本格的に着手するかたちだろう。なおGabe氏は続編を“「Cyberpunk 2」あるいは「Orion」”と呼称しており、続編がどのようなタイトルになるのかも注目される。


2020年の発売から約3年間にわたってアップデートが続けられてきた『サイバーパンク2077』。今回ゲームシステムの根幹を刷新するアップデート2.0や拡張パック「仮初めの自由」の配信によって大きな盛り上がりを見せている。これをもって本作の開発は区切りとなり、スタジオの開発態勢の変化によりこれからは小規模なサポートが主体となるようだ。

なおPC Gamerによると、アップデート後に報告されている「一部イベントでのジョニー・シルヴァーハンドとの会話後に画面のエフェクトが消えなくなる不具合」などについてチームは認識しているそうで、新たな不具合などについてはアップデートで修正されていくことだろう。

『サイバーパンク2077』の大型拡張パック「仮初めの自由」はPC/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中だ。