『ポケモン』の街を“HD-2D風”に再構築するファンメイド動画が注目浴びる。立体感×ドット絵の懐かし幻想風景

Image Credit: dott (ドット) on YouTube

国内のデザイナーdott(ドット)氏が制作した『ポケットモンスター』の二次創作「HD-2D風動画」が注目を集めている。マサラタウンやクチバシティといった街並みが、3DCGとドット絵を交えて見事に再構築されている。

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HD-2Dは昔懐かしいピクセルアートのドット絵に、3DCGの画面効果を融合させた技術である。2018年に発売された『オクトパストラベラー』で初めて採用。その続編となる『オクトパストラベラー2』を含めさまざまな作品に使われているほか、『ライブアライブ』のリメイク版にも採用されている。スクウェア・エニックス 第二開発事業本部ディビジョン6、通称「浅野チーム」の得意とする技法としても知られ、同社による商標登録もされている。

dott氏はそんなHD-2D風のグラフィックを独学で再現し、さまざまなファンメイド動画を制作している。中でも『ポケットモンスター』のマサラタウンやクチバシティを再現して街を歩き回る動画は、大きな注目を集めている。

まずは昨年12月に公開されたマサラタウンの動画を見てみよう。木々に囲まれたマサラタウンがドット絵と3DCGを交えて構築。街並みが立体感や奥行きをもっているほか、水の質感も美麗に表現されている。人や植物などはピクセルアートで構築されており、人物は『オクトパストラベラー』風の頭身やデザインに見える。草花の揺らめきやオーキド博士の研究所の煙突からの煙などのエフェクトもあり、活き活きとした街の様子が描かれている。

クチバシティの動画でもHD-2D風に街並みが再構築。オレンジ色の屋根の家々や長い桟橋といった特徴が再現されている。海面の揺らぎや、そこに浮かぶボート、暮れなずむ町の光の表現といったHD-2D的技法を活かした表現も見られ、HD-2D風に再解釈された街の様子を楽しめる。また街にはワンリキーやポッポといったポケモンたちの姿も見られ、ピクセルアートで表現されている。

なおいずれの動画も浅い被写界深度のエフェクトが採用されており、ミニチュア模型を覗き込んだかのような懐かしく幻想的な雰囲気を醸している。この点も『オクトパストラベラー』などを踏襲した表現なのだろう。

dott氏は過去にHD-2Dや同技術が採用された作品について解説する動画も投稿していた。動画説明欄によれば、「HD-2D表現が好きすぎて独学で研究している」という。『ポケットモンスター』シリーズのHD-2D風動画などはUnreal Engine 5で制作されているとのこと。そうしたHD-2D風動画については、あくまでファンアートとして楽しんでほしいそうだ。

なおdott氏のTwitterアカウントは、HD-2D作品やHD-2D風グラフィック制作に関するさまざまな情報を伝えている。またHD-2D風動画の制作過程もいくつか披露されているので、気になる人はチェックしておくといいだろう。なおdott氏は本日エンジュシティのHD-2D風動画を公開予定と伝えている。こちらの動画にも注目しておこう。