『パルワールド』の非公式Modコミュニティ「Palworld Modding Community」にて、『ポケットモンスター』(以下、ポケモン)をモチーフとするModの共有禁止が発表された。法的リスクを考慮した決定だという。現在あるインフルエンサーが『パルワールド』にポケモンを登場させる非公式Modの存在を報告して注目を集めており、そうした非公式Modの配信に備えた対策となるようだ。
『パルワールド』は、オープンワールドサバイバルクラフトゲームだ。対応プラットフォームは、Xbox One/Xbox Series X|S/PC(Steam/Microsoft Store)。舞台となるのは不思議な生き物パルたちが暮らすパルパゴス島。環境ごとに生息するパルが異なっており、パルたちはそれぞれ特技をもっている。プレイヤーはパルたちを捕まえながら島で生活し、冒険を繰り広げていく。
今回、Discord上に本作の非公式Modを扱うコミュニティPalworld Modding Communityが開設された。そして開設後まもなく、管理者(Admin)のArchery 100氏が声明を投稿。『パルワールド』向けに作られた『ポケモン』風Modの扱いについて、サーバー内でのルールを伝えている。同サーバーでは『ポケモン』風ModをURLリンクで共有することを一切禁止。さらに盗用したデータや解析データをもとにするModファイルのリソースの共有も一切禁止されている。
Archery 100氏は声明においてまず『ポケモン』風Modが制作されユーザー間で注目されている状況について言及。というのも、あるインフルエンサーが『パルワールド』内にポケモンを登場させるModの存在を報告し、話題を呼んでいた。同インフルエンサーが投稿した映像は、プレイヤーキャラの見た目がサトシになるほか、ピカチュウやポッチャマ、アチャモといったさまざまなポケモンが『パルワールド』内に登場する内容であった。
Archery 100氏は、こうしたModがコミュニティにとって大きなリスクになると説明。コミュニティメンバーが、任天堂の法務部から訴訟されないように、対策を講じる必要があるとした。また同氏は、こうしたModにはゲームからリッピングされたアセット(3Dモデルなど)が使用されている可能性も高いと指摘。この点も、任天堂側から違法と判断されうるリスクとして挙げられている。
声明の最後にArchery 100氏は、Palworld Modding Communityがわずか1日で数百人のメンバーを擁する成長を見せた点に言及し、同コミュニティに大きな可能性を感じていると綴った。そのため必要なステップを踏んで、コミュニティが消えてしまわないように一緒に成長させていきたいとの想いも伝えられている。
『パルワールド』ではパルごとに属性が備わっているシステムや、パルたちのポップなデザインなど、ゲーム本編に『ポケモン』を彷彿とさせる要素が存在する。ゲームのベース自体はサバイバルクラフト寄りながら、特に意匠面を巡ってユーザーや海外メディアなどからは賛否両論が見られる。
いずれにせよ、そうした背景もあって先述の非公式の『ポケモン』風Modの存在は大きな注目を集めているかたちだ。そしてPalworld Modding Communityでは法的リスクが生じないように、『ポケモン』風Modのコミュニティ内での共有を規制する方針がとられるようだ。なお同DiscordサーバーではArchery 100氏と共に、Reddit上の本作の非公式Modコミュニティ「r/PalworldMods」のモデレーターTxoba氏も管理者を担当している。今後r/PalworldModsをはじめ、ほかのModコミュニティでも同様の方針がとられる可能性はあるだろう。
『パルワールド』は、Xbox One/Xbox Series X|S/PC(Steam/Microsoft Store)向けに発売中。Xbox Game Pass(Xbox/PC/クラウド)にも対応している。