『ARK』リメイク『ARK: Survival Ascended』、批判を受け結果的に定価を値上げ。ごちゃっとした売り方をまず整理

 
オリジナル版『ARK: Survival Evolved』

Studio Wildcardは4月8日、『ARK: Survival Ascended』について、スタンドアローンでの販売を基本とすることを発表した。対応プラットフォームはPC(Steam/Microsoft Store)およびPS5/Xbox Series X|S。バンドル中心の販売から変更となり、値上げとなる方針である。

オリジナル版『ARK: Survival Evolved』


『ARK: Survival Ascended』は、オープンワールドサバイバルアクションゲーム『ARK: Survival Evolved』(以下、ARK)を、Unreal Engine 5(以下、UE5)によってリメイクした作品になる。同作では、恐竜などが生息する謎の島を舞台に、プレイヤーたちがソロもしくはマルチプレイでサバイバル生活を展開。クラフトや建築のほか、生物を手懐けるテイム要素も特徴だ。リメイク版となる『ARK: Survival Ascended』では、UE5によってグラフィックを刷新。クロスプラットフォームプレイやバトルロイヤルモードも盛り込まれ、オリジナル版『ARK』のかわりとなる作品として開発されている。

しかし『ARK: Survival Ascended』は、その価格設定についてコミュニティに波紋を広げていた。というのも、本作開発側は同作について「無料でリリースする」と事前告知していたものの、有料でのリリースが発表。突然の方針転換に、コミュニティからは批判の声や、ビジネス判断として理解を示す声も寄せられていた(関連記事)。なお、同発表当時には、PC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|S向けには、新作『ARK 2』とセットの「ARK Respawned Bundle」として49.99ドル(約6600円)にて発売するとされていた。PS5向けには『ARK: Survival Ascended』単体で販売され、価格は39.99ドル(約5300円)となる予定だった。

今回開発元は、『ARK: Survival Ascended』の価格と販売方法についてさらなる方針転換を発表。前述の「ARK Respawned Bundle」は廃止し、『ARK: Survival Ascended』を完全に単体作品としてリリースするとした。さらに、同作の価格についても単体59.99ドル(約7950円)と設定されている。新作とのセット販売を廃止し、完全単体作品としてフルプライスが与えられたかたちだ。なお、同作には過去の『ARK』向け各種DLCもリメイク販売予定であり、それらを含む価格とのことである。無料での配信予告から、有料化、そして値上げと大きく方針が変わった格好だ。

この方針転換の理由について開発元は、「2作品をセットで販売するのは振り返れば得策ではなかった」とコメント。バンドル販売では、まだゲームプレイやコンテンツが十分に開示されていない『ARK 2』をユーザーが購入しなければならない点も問題のひとつだったとした。

オリジナル版『ARK: Survival Evolved』


また、無料から有料への突然の変更についても弁明がなされている。UE5での『ARK』リメイクを計画していた当初は、現在ほど大幅な刷新や設計変更をおこなうとは考えていなかったそうだ。しかし、後に開発側でベストな方針を模索したところ、最新の技術を導入して本格的にコードから刷新したリメイクを作ろうと決まったとのこと。そのため、無料アップデートではなく独立したリメイク作品としてのリリースに至ったということだ。

この発表に対してSteamユーザーからは、引き続き価格設定などに対する批判なども寄せられている。一方で、開発側の意図が明かされたことで納得感を得たユーザーも多いのか、方針変更に理解を示す声が増加した印象だ。『ARK: Survival Ascended』の新たなリリース方針は、今後どのようにコミュニティに受け入れられていくだろうか。

『ARK: Survival Ascended』はPC(Steam/Microsoft Store)およびPS5/Xbox Series X|S向けに、2023年8月発売予定。『ARK 2』はPC(Steam/Microsoft Store)およびXbox Series X|S向けに2024年末に発売予定だ。