『ARK』リメイク『ARK: Survival Ascended』の発表が賛否両論。「無料化撤回」と「旧サーバー停止」のダブルパンチが原因か

オリジナル版『ARK: Survival Evolved』

Studio Wildcardは4月1日、『ARK: Survival Ascended』を発表し、2023年8月に発売すると告知した。『ARK: Survival Evolved』リメイク版となる同作の「価格」およびオリジナル版の運営方針について、コミュニティから批判の声が寄せられている。発端となったのはスタジオ重役による“アップデート無料提供宣言”と見られる。

オリジナル版『ARK: Survival Evolved』


『ARK: Survival Ascended』は、オープンワールドサバイバルアクションゲーム『ARK: Survival Evolved』(以下、ARK)を、Unreal Engine 5(以下、UE5)によってリメイクした作品になる。同作では、恐竜などが生息する謎の島を舞台に、プレイヤーたちがソロもしくはマルチプレイでサバイバル生活を展開。クラフトや建築のほか、生物を手懐けるテイム要素も特徴だ。リメイク版となる『ARK: Survival Ascended』では、オリジナル版のゲームプレイをベースにUE5の機能を活かしグラフィックを刷新。クロスプラットフォームプレイやバトルロイヤルモードも盛り込まれる。リメイク版として、従来の『ARK』のかわりとなる作品であることが告知されていた(関連記事)。

本作の価格としては、PC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|S向けには、新作『ARK 2』とセットの「ARK Respawned Bundle」として49.99ドル(現在のレートで約6600円)にて発売予定。また『ARK: Survival Ascended』PS5版は単体で販売され、価格は39.99ドル(現在のレートで約5300円)となる見込みだ。 この「価格」が、現在『ARK』コミュニティに波紋を広げている。

というのも、『ARK』のUE5版については無料で提供するとの旨を、開発側がきっぱり明言していたのだ。発言したのは、Studio Wildcard共同設立者であり、『ARK』の開発にも深く携わるJeremy Stieglitz氏だ。同氏は今年1月23日、上述のツイートにて、それまで存在を示唆されていた『ARK』UE5版について言及。同作については「complete free upgrade/remaster(完全無料のアップグレード/リマスター作品)」であるとはっきり明かしたのだ。当然、ファンたちはこの発言に沸き、無料UE5版を期待することとなった。

しかし、4月1日の発表で事態が一変する。UE5版となる『ARK: Survival Ascended』は、前述の通り新作とのバンドルでも日本円換算で約6600円、PS5版単体では約5300円とかなりのお値段だ。というより、そもそも有料な時点で約束が違うのである。さらには、旧『ARK』公式サーバーは8月末をもって停止予定。公式サーバーでのセーブデータはユーザーに渡されるものの、オリジナル版『ARK』はそれ以降シングルプレイや非公式サーバーでのプレイが必要となる。また、コンテンツアップグレードも『ARK: Survival Ascended』にて実施され、オリジナル版『ARK』向けアップデートはバグ修正などに限られるとのこと。

無料提供を約束されていたUE5版『ARK』が突然有料となり、旧公式サーバーはリメイク版登場とともに停止される。ユーザーによっては、期待を裏切られた上に、リメイク版の購入を強いられたような思いだっただろう。TwitterやRedditといった場では、そうした不満を吐露する投稿が散見される。その一方で「作品の開発費を確保するためだろう」との見解を述べる者も見られる。受け止め方にはユーザーごとでやや幅があるものの、完全無料発言からの急な有料化にはみな一様に困惑しているようだ。こうした動きの広がりはPC Gamerといった海外メディアも取り上げるに至っている。

なお、本稿執筆時点において、開発側より本件に関するコメントは出ていないようだ。『ARK: Survival Ascended』のリリースに向けて何らかの対応が取られるのかどうか、人気作だけに動向が注目される。

『ARK: Survival Ascended』はPC(Steam/Microsoft Store)およびPS5/Xbox Series X|S向けに、2023年8月発売予定。『ARK 2』はPC(Steam/Microsoft Store)およびXbox Series X|S向けに2024年末に発売予定だ。