「ゲームに関するムダ知識」がSNSで大量に寄せられる。ルイージの永久股間金策から『バイオ2』Lの行方まで、とにかくムダ

『マリオ&ルイージRPG1 DX』

ゲームの“ムダ知識”を募るツイートが発端となり、Twitter上で多数知識が投稿され話題となっているようだ。思わず“へぇ~”と言ってしまうような情報が、続々と飛び出しているのだ。

ゲームにおいては、世界やキャラ構築においてさまざまな設定が練られている。ゲーム内で明確に開示されない範囲で、膨大な設定が存在するわけだ。また、些細で見落とされがちな意外なゲームシステムやトリビア的知識もあるだろう。同スレッドでは、そうした人気ゲームの設定などにまつわる“ムダ情報”が寄せられている。ちなみに、実際には割と面白かったり実用性のある情報も多いかと思うが、本稿ではひとまずムダ情報としておこう。

具体的には、どのような“ムダ情報”が集まっているのか。たとえば、とあるユーザーは「『ファイナルファンタジーIX』に登場するフライヤはパーティーメンバーで唯一の左利きである」という情報を共有。キャラに深みが出る設定ではあるが、ゲームシステム上は特に影響のない情報だ。そうした情報が集う発端となったのは、ゲームに関する話題を取り上げるポッドキャスト番組Super Pod SagaのTwitterアカウントが投稿した、とあるツイートだ。

Super Pod Sagaが投稿したツイートは「What is the most useless piece of video game knowledge you know?(みんなが知っている、もっともムダなビデオゲーム知識ってなんだい?)」と問いかける内容だ。1月16日に投稿された本ツイートは瞬く間に拡散され、多くのゲーマーたちが殺到した。そこで数多くのゲーマーたちがムダ知識を披露するに至ったのだ。そんな数多く投稿されたムダ知識のなか、筆者が特に“へぇ~”と感じた7つのトリビアを以下に紹介していこう。


ソニック・ヘッジホッグ”というタンパク質がある

一つ目は、ゲームがタンパク質の“名付け親”となったケースだ。TwitterユーザーTheNCSmaster氏が投稿した内容によると、私たちの身体には「ソニック・ヘッジホッグ」というタンパク質が存在しているようだ。由来はもちろんセガが開発する『ソニック』シリーズに登場するメインキャラ「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」だ。発見者が『ソニック』シリーズのファンだったため、このような名前になったそうだ。このタンパク質はマウスといった哺乳類において指先が5本になるように調整する機能などを持ち、多くの器官を正しく発達させる役割があるといった研究がなされている(資料PDF)。

なお、「ピカチュリン」というタンパク質も存在するようだ。こちらは『ポケモン』シリーズに登場するピカチュウが由来となる。視覚情報伝達に必要不可欠なタンパク質であり、素早い情報伝達を行うことから、同様に素早いピカチュウの名前が付けられたという。つまり、私たちの体はソニックやピカチュウの助けで成り立っているわけだ。

『UNDERTALE』のFlowey(フラウィ)の声はドナルド・マクドナルドそっくり

『UNDERTALE』に登場するフラウィは本作で唯一、人語の音声が存在するキャラとなっている。その際のセリフは「That’s a wonderful idea!(なんて すてきな アイディア!)」である。TwitterユーザーのMcDonaldsOOC氏によると、フラウィのこの音声はあるキャラにそっくりだという。それは、マクドナルドのマスコットキャラクター「ドナルド・マクドナルド」だそうだ。投稿された動画の音声は実際のフラウィの音声とかなり近似している。ただ、ゲーム内の音声がドナルドからサンプリングされたのか、それとも真似て録音されたのか、はたまた偶然似てしまっただけかはあくまで不明となる。なお余談ながら、日本語版向けに吹き替えられた同音声は、『UNDERTALE』を手がけたToby Fox氏が直々に日本語を喋って新たに録音したことが明かされている(宝鐘マリンさんの証言ツイート)。

『バイオハザード2』から消された“L”

リメイク作品では、オリジナル版を忠実に再現した部分であっても、時にオリジナルから改変がなされている場合がある。『バイオハザード2』とそのリメイク版『バイオハザード RE:2』にもそうした部分があるようだ。具体的には、オリジナル版では歓迎会の垂れ幕に“Wellcome”と誤字があった。一方で、リメイク版では“Welcome”と正しい綴りに直され、垂れ幕ではなく文字を繋げたサインが掲げられている。オリジナル版のひとつの個性ともいえただけに、Lの修正を残念に思うプレイヤーも居るだろう。しかし、心配ご無用。消えたLの文字は近くのテーブルに置かれているようだ。オリジナル版の間違いにさえリスペクトを払い、旧来ファンはニヤりとできる変更点だ。

不眠不休の男サボス・アレンが寝ない理由

Bethesda Game Studiosが開発する『The Elder Scrolls V: Skyrim』では多種多様な人々が日々の暮らしを営んでおり、生活感溢れる環境を眺めることができる。そんな中でひと際熱心に働く人物がいる。ウィンターホールド大学に住まうサボス・アレンというキャラクターだ。彼は一睡もすることなく、常に構内を徘徊している不眠不休のキャラクターとなっている。そんな彼が睡眠を取れない理由は彼の行動範囲に与えられた制限にあったようだ。

ユーザー検証によると、サボス・アレンの内部データには午前1時から6時まで睡眠を取るような設定が存在するという。しかし、サボスの行動可能範囲は500ユニット、対するベッドまでの距離は1300ユニットもある。行動可能範囲に対してベッドが遠すぎるため、サボスは一睡もすることなく構内を徘徊し続ける勤勉なキャラクターとなったそうだ。寝ないのではなく、ベッドにたどり着けず寝られなかったわけだ。

『Team Fortress 2』のウシは世界を崩壊させる

『Team Fortress 2』のマップの一つである2Fortに登場する張りぼてのウシは、決してゲームのファイル構成から削除してはいけない物体のようだ。TwitterユーザーのAlphaUnitTom氏によると、この張りぼてのウシに関するファイルを削除した場合、ゲームが起動しなくなるほどの深刻な不具合を引き起こすという。『Team Fortress 2』に関する動画を投稿するYouTuberのShounic氏はこの現象に関する検証動画を投稿している。それによると、本作が正常に動作するにはいくつかの“必須ファイル”が存在するとのことだ。そのなかには、特に重要に思えない3Dモデルなどが雑多にまとめられたファイルがあるという。奇しくも張りぼてのウシは、そのファイルのなかに札束やバルブなどの雑多なアセットとともに組み込まれており、必須ファイルの一つとなっているようだ。そのためウシを削除するとゲームが正常に動作しなくなってしまうというわけだ。

上述の動画の締めには、『Team Fortress 2』を正常にプレイするに必要な4つの要素として、プレイヤーモデルなどと並び“張りぼてのウシ”が強調して紹介されている。このウシは、ネットミームとしてユーザーの間でも話題となっているようだ。

「オロ」の“モロ”出し

『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』にて、キャラのひとり「オロ」は1フレームだけ、下腹部から出てはいけないものが出てしまっているように見えるという。いわば、オロの“モロ”出しだ。もちろん、これは筆者やTwitterユーザーたちの邪な考えのせいで、無関係な描画がそのように見えてしまっているだけかもしれない。しかしながら、肌色のテクスチャや形状も相まって、オロが開放的になっているように見えてしまう。本ツイートのリプライには「もうそれにしか見えない」といった旨のコメントも寄せられている。次からオロを使う時は、少々目のやり場に困ってしまいそうな話だ。あるいは一点を見つめてしまう人もいるかもしれない。

マリオによるルイージの“金”策

別のキャラの股間にも注目が集まっている。Twitterユーザーの4Lukaska氏は、『マリオ&ルイージRPG』に登場するルイージの股間を殴り続けることでコインを獲得する金策を紹介している。手順としてはハンマーでチビマリオとなったのち、ルイージがマリオの真上に来た瞬間にマリオ側からジャンプを仕掛けるのだ。そうすると、マリオの握りこぶしは見事にルイージを下から突き上げる形になる。この際、ルイージのライフは1以下になることはなく、股間を殴られ続けることになるようだ。泣きっ面を晒しながら、兄のために金を吐き出し続けるルイージの姿は見ていて胸が苦しくなる。どういう兄弟関係だろうか。

なお仕様としては、金的一発ごとにルイージに一定ダメージが発生し、“金”が出てくる仕組みとなる。ルイージは命を削って金を生んでいるわけだ。また、ルイージがパンチのたびに与えられるダメージはゲームのリージョンやバージョンによって変化するとのこと。北米版は一発(1コイン)1HPである一方、日本版は一発(1コイン)につき2HP、リメイク版である『マリオ&ルイージRPG1 DX』では一発(1コイン)につき4HPと仕様が異なっているという。つまり、ルイージのHPが底を尽きると、金策など関係なく痛みだけが発生することになる。幸いにもリメイク版や日本版においてはヒールブロックを用いることで、永久的な金策が可能になるという。永久的に股間を殴られるばかりか、与えられるダメージも増えたリメイク版。ルイージ本人が納得しているかは気にかかるものの、兄であるマリオに対する献身的な姿勢には頭が上がらない。どういう兄弟関係だろうか。

SF作家のアイザック・アシモフ曰く「人間は無用な知識が増えることで快感を感じることができる唯一の動物である」ようだ。ここで取り上げたトリビアはほんの一部。より多くのトリビアを見てみたい人は、ぜひSuper Pod Sagaの元ツイートを閲覧してみてほしい。



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