マイクロソフトが、傘下スタジオによる一部新作のXbox/PC独占を強調。Bethesdaの『Starfield』や『The Elder Scrolls VI』も該当か

『Starfield』
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米連邦取引委員会(FTC)は現地時間12月8日、マイクロソフトによるActivision Blizzardの買収を阻止すると表明。マイクロソフトによる買収が、ゲーム業界の競争相手を抑圧すると主張し、法的手続きへ動いた(関連記事)。

そしてマイクロソフトは12月22日、FTCの訴状に対する反論書を提出し、FTCの表明した一連の懸念に対する反論を述べた。そのなかでは、タイトル不明ながら、ZeniMaxが手がける新作ゲーム3作品がXbox/PC独占になることが強調されている。

『Redfall』


マイクロソフトは今年1月、Activision Blizzardを総額687億ドル(約9兆1000億円・現在のレート)で買収する方針を発表。Activision Blizzardは、傘下のActivisionが手がける『Call of Duty』シリーズや、Blizzard Entertainmentの『オーバーウォッチ』『Diablo』シリーズ、またKingの『Candy Crush』など、多数の人気IPを抱えている。現在同社の買収にあたり、反トラスト法(独占禁止法)違反の恐れがないかなどについて、各国の規制当局による審査が現在進められている。

そうした中で先日、FTCはマイクロソフトによるActivision Blizzardの買収を阻止すると表明し訴訟へと動いた。一方でマイクロソフトが今回提出した文書においては、FTCによる一連の主張に対する反論が述べられている。

文書においてマイクロソフトは、Activision Blizzardの買収に際して、同社タイトルの対応プラットフォームを拡大する方針を説明。『Call of Duty』シリーズのPlayStationへの継続的な販売についても、改めて述べられている。さらにActivision Blizzard タイトルがXbox Game Passで提供されることで、ユーザーが同社タイトルを遊ぶ機会がより幅広くなるとしている。なおマイクロソフトは先日、任天堂プラットフォームおよびSteamへの『Call of Duty』シリーズの提供を確約していた(関連記事)。

『Call of Duty: Warzone 2.0』


一方で今回の文書では、Bethesda Softworksを傘下におさめる、ZeniMaxが手がける新作タイトルについては、Xbox/PC独占となる点が強調されている。シングルプレイあるいは少人数プレイとなる将来の3つの作品が、Xbox/PC独占になるとのこと。

マイクロソフトは2021年3月、ZeniMaxを買収(関連記事)。ZeniMaxが抱える開発スタジオおよびパブリッシングブランドのBethesda Softworks が、マイクロソフトのファーストパーティとして傘下入りした。その際、将来のいくつかの新作(some new titles in the future)については、Xbox/PCの独占タイトルにする方針であることが明言された。その後『Starfield』や『Redfall』といったタイトルがXbox/PC独占発売となることが明かされており、『The Elder Scrolls VI』についても、同様の展開がXbox事業を率いるPhil Spencer氏により示唆されている。今回の文書でもそうした独占タイトルの存在が再確認されたかたち。

なおFTCは先日の訴状において、マイクロソフトがZeniMaxを買収したことも、市場の競争阻害につながる例に挙げていた。『Redfall』や『Starfield』などが、Xbox/PC独占タイトルである点を指摘。さらにFTCは、マイクロソフトが過去にEU規制当局に対して、タイトルを独占しないと約束していた、と主張した。

つまりFTCは、マイクロソフトがEU規制当局との約束を反故にしたと認識していたようだ。一方でEU規制当局および欧州委員会は、そうしたFTCの主張を否定していたと報道されている。欧州委員会のマイクロソフトとのやり取りでは、マイクロソフト側からの「Xbox独占のタイトルをリリースしない」といった約束はおこなわれなかったと、欧州委員会側が回答したというのだ。

今回のマイクロソフトからの文書においても、マイクロソフトが欧州委員会との約束を破ったとの示唆は “誤り(incorrect)”であると、FTCへの反論が述べられている。またマイクロソフトは、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが有する既存のタイトル独占権を尊重しているとのこと。そのため、ケースバイケースでマイクロソフトも独占権を行使していくと、欧州委員会に明言したという。そうしたやり取りの上で、欧州委員会は競争上の懸念を引き起こさないと結論付け、マイクロソフトのタイトル独占を承認していたとのことだ。

マイクロソフトがActivision Blizzardを買収する方針を発表してから、各国・地域の規制当局では承認審査が進められている。世界を跨いで長期間の審査が続く中、EUとアメリカの規制当局間で食い違う主張が生じたわけだ。今回の文書でマイクロソフトが独占タイトルの存在をふたたび強調したのも、改めて事実を明白にする狙いがあるのかもしれない。

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