『ドラクエタクト』インサイダー取引の容疑で中裕司氏が逮捕。スクエニと係争していた、初期「ソニック」開発者

 

東京地検特捜部は11月18日、金融商品取引法違反の疑いでゲームクリエイターの中裕司氏を逮捕したと発表した。FNNプライムオンラインなどが伝えている。

中容疑者はスクウェア・エニックスに在籍していた2020年1月下旬、スクウェア・エニックスがAimingと共に『ドラゴンクエストタクト』を開発していることを知ったという。中容疑者は、その情報が発表される前に、Aimingの株式約1万株を、約280万円で買い付けたとのこと。

『ドラゴンクエストタクト』のインサイダー取引問題といえば、昨日にもスクウェア・エニックス元従業員として佐崎(一部報道にて﨑との表記あり)泰介容疑者と鈴木文章容疑者が逮捕されていた。両容疑者も同じく、公になる前の情報をもとにAimingの株を買い付けた疑いで逮捕されている(関連記事)。中容疑者も同容疑で逮捕されたことになる。ただし、佐崎容疑者と鈴木容疑者の買付額が約4700万円分だったことに対し、中容疑者の買付は約280万円分と規模が違うようだ。

中裕司容疑者はゲームクリエイターだ。1984年にセガに入社。『ファンタシースター』や『スペースハリアー』など多くの作品にメインプログラマーとして参加したのち、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』にもプログラマーとして携わった。『NiGHTS』などにもプログラマーとして参加しつつ、プロデューサーとして『ソニック』関連作品を手がけてきた。その後セガを離れて自身の会社プロペを設立。その後は2018年1月にスクウェア・エニックスに入社していた。

しかしながら、中容疑者の手がけた2021年3月発売の『バランワンダーワールド』は低評価に留まり、2021年7月には同容疑者はスクウェア・エニックスを退職。今年4月に同容疑者は、『バランワンダーワールド』開発途中にディレクター職から外されたとして、スクウェア・エニックスを相手に訴訟を起こしていた(関連記事)。中容疑者はその後個人開発でアプリ『SHOT2048』などをリリースしていたが、このたびスクウェア・エニックス在籍時のインサイダー取引の容疑で逮捕されることとなった。

※ なお中容疑者は今年11月には、セガの退職についても「自分の意志ではなかった」と語っていた。

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