マイクロソフトのクラウドゲーム専用デバイスのプロトタイプがこっそり披露。Xboxのボスが“いつもの棚”に置く


マイクロソフトのゲーム部門CEOでXbox事業を率いるPhil Spencer氏は10月11日、傘下Bethesda Softworksの『Fallout』シリーズが25周年を迎えたことを祝うツイートを投稿した。添付された写真には同氏のオフィスの棚が映し出されており、同シリーズに登場するキャラクターVault-boyのフィギュアが、新たなコレクションに加わったようだ。

ただファンはフィギュアよりも、棚に置かれた謎のデバイスに注目することに。結果的に、そのデバイスはマイクロソフトが開発中の新製品のプロトタイプであることが判明した。

Phil Spencer氏が投稿した写真のなかでファンが注目したのは、一番上の棚に飾られている剣の下に置かれた白い物体だ。箱状のデバイスのように見え、前面の左右には黒色のボタンか何かが配置されている。幅は隣に置かれたXboxコントローラーと同じくらいだろうか。奥行きははっきり見えないものの、コンパクトなサイズであることがうかがえる。

このツイートに対しXbox公式Twitterアカウントは、その白いデバイスが何らかの“古いプロトタイプ”であることを示唆。その後同社の広報担当者が海外メディアCNETに対し、「Keystone」の初期のプロトタイプであることを認めた。

Keystoneとは、マイクロソフトが開発中のクラウドゲームストリーミングデバイスのコードネームだ。同社は、数百タイトルのXboxゲームをストリーミングプレイできるクラウドゲームサービスXbox Cloud Gamingを展開しており、サブスクリプションサービスXbox Game Pass Ultimateの加入者が、Xbox本体やPCなどを通じて利用可能。Keystoneは、テレビやPCモニタに接続して利用する、Xbox Cloud Gaming専用のデバイスとして開発中だとされている。

https://www.youtube.com/watch?v=uUUuELB4M5Q

マイクロソフトはかねてより、Xbox Cloud Gaming専用デバイスを開発中であることを公言していた。サービス利用の敷居を下げる狙いがあるようだ。Keystoneについては今年5月、それまでの取り組みから学んだことを活かしながら、新たな方針のもと開発をおこなっていることを明らかにしている(Windows Central)。今回Phil Spencer氏の写真に写り込んだデバイスは、そうして開発中のKeystoneの初期プロトタイプだったのだ。なお、Keystoneの開発はまだ続いている模様である。

ちなみに、Spencer氏の“棚”については、ファンにとっては一種のミームになっている。きっかけは、同氏があるイベントにビデオ出演した際に、自室の棚に正式発表前のXbox Series S本体が置かれていたことにある。それ以来、同氏のオフィスの棚が公開され何かが追加されているたびに、今後の発表に関連するものではないかとファンは想像を膨らませてきた。

Spencer氏自身はオフィスの棚について、業界の友人からもらったものを飾っているだけで他意はないと述べているが、ミーム化していることは承知している様子(Kinda Funny Games)。もしかすると今回のKeystoneは、ファンを楽しませようと棚に置きつつ、『Fallout』シリーズ25周年を祝ったのかもしれない。


国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。