『マインクラフト』非公式NFTプロジェクト、NFT禁止を受けて「無料の改善版『マイクラ』を作る」と豪語

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マインクラフト』の非公式NFTプロジェクトである「NFT Worlds」は7月23日、新たなる『マインクラフト』風ゲームを新規に開発すると発表した。背景には、先日『マインクラフト』開発元Mojang Studios(以下、Mojang)が発表した「NFT禁止」の方針があると見られる。


『マインクラフト』は、現在マイクロソフト傘下であるMojangが開発する、人気サンドボックスゲームだ。ユーザーが自由に世界を作り上げる自由度が特徴であり、マルチプレイ要素もサポート。ワールドに生活拠点を設けて人々と交流したり、またバーチャルイベントの開催場所となったりと、ネット上の仮想空間である、いわゆる「メタバース」を体現した作品ともいわれる。また、本作の特色と、NFTなどのブロックチェーン技術を組み合わせた、非公式プロジェクトなども開発が進められていた。

しかし先日、そうしたプロジェクトに激震が走る出来事があった。Mojangによる「『マインクラフト』とNFTおよびブロックチェーン技術の統合を認めない」との声明である。Mojangは、『マインクラフト』におけるコンテンツは、コミュニティの誰でもアクセス可能である必要があるとコメント。限られた人にアクセス可能なコンテンツは「ガイドラインおよび『マインクラフト』の精神に反する」とし、同作のクライアント/サーバーおよびコンテンツと、NFTなどブロックチェーン技術の統合を広く禁ずる旨を告知した(関連記事)。この発表による甚大な影響を受けたのが、本作を利用した非公式NFTプロジェクトである「NFT Worlds」だ。


NFT(Non Fungible Token・非代替性トークン)とは、改竄や複製が不可能なデジタル証明書(トークン)の作成や取引を、ブロックチェーン技術を活用しておこなうもの。NFTに画像など鑑賞可能なデータを紐づけた「NFTアート」や、ゲーム内のアイテムに対してデジタル証明書を紐づけることも可能。「NFT Worlds」の場合は、マインクラフト内のワールド(世界)をNFTに紐づけてユーザーに提供。そのワールドの所有者は、ワールド内で自由なコンテンツ作りが可能な仕組みだ。また、プレイヤースキンNFTや、独自トークンである$WRLDも存在。こちらは、 ワールド所有者や一般プレイヤーが、ゲーム内アイテム販売やアクティビティを通じて入手できる。

「NFT Worlds」のワールドNFTや$WRLDは、リリース以降着実にその価値を高めていた。NFTマーケットプレイスOpenSeaでのワールドNFTの値動きを見ると、7月20日時点での日間平均取引価格は約3.3ETH(イーサリアム)。現在のレートで日本円に換算すれば、約68万円前後で取引されていた。しかし、上述のMojangによる声明を受けた翌21日には、日間平均取引価格は1.05ETH(約21万5000円)まで下落した。$WRLDについても、20日には米ドルから日本円換算で単価約5円を保っていたところが、翌日には約1.2円にまで下落している(CoinMarketCap)。「NFT Worlds」の仕組みの根幹となる『マインクラフト』がNFTを真っ向否定したため、関連銘柄が一斉に大打撃を受けたかたちだ。こうした状況を受けて、「NFT Worlds」側も今後の方針を探る旨の声明を出していた。

「NFT Worlds」は7月23日、続く声明を発表。そこで打ち出されたのは「自分たちで『マインクラフト』を作る」との方針だった。同声明は、Mojangによる突然の「NFT禁止」制限について批判的に言及。そうした動きは、「NFT Worlds」のようなWeb3ベースのゲームプラットフォームを崩壊させるものであると訴えている。

さらに「NFT Worlds」は、マイクロソフトおよびMojangについて「新しいアイデアやビジョンより、内部の一握りの権力者の考えを尊重し、クリエイターやユーザーを尊重しないと示した」として批判。そこで、同プロジェクトは、『マインクラフト』のコアメカニックをベースとした新たなゲームとプラットフォームを築き上げると決断したとのこと。そして「『マインクラフト』を現代化し、ここ数年『マインクラフト』においてなされていない、活発な開発をおこなっていく」タイトルになると豪語している。

また、同プロジェクトが作るゲームについては、『マインクラフト』のオープンソースクローンを流用するような制作工程は取らず、一から作り上げると表明した。一方で、プレイスタイル・ビジュアル・手触りなどは、『マインクラフト』プレイヤーが親しみやすいかたちにするとのこと。そしてゲームメカニック・グラフィック・パフォーマンスそれぞれの最適化なども盛り込み、全体的に『マインクラフト』よりも向上した作品になるとの高い理想を語った。何より、新しい独自タイトルを作り上げることで、マイクロソフトやMojangによる“ポリシーの強制”から自由になれると主張している。また、ゲームは無料で配信される予定とのこと。

さらに「NFT Worlds」は「これはWeb2対Web3の戦いである」と宣言。利益や株主価値だけを優先する“ネットの未来”と、個人クリエイターたちのイノベーション精神を優先する“ネットの未来”の戦いであると主張している。マイクロソフトやMojangを“古き悪しき”存在と断じ、「NFT Worlds」はそれに抗する者であるとの主張だろう。

ただ、ゲーム業界やユーザーからのNFT含むブロックチェーン技術に対する風当たりは厳しい。プラットフォームとしてはSteamが「暗号通貨またはNFTの発行や交換を許可する、ブロックチェーン技術に基づいて構築されたアプリケーション」のSteam上での公開を禁じている。また、『マインクラフト』非公式NFTプロジェクト「Blockverse」における多額詐欺疑惑などのケースもあった(関連記事)。Mojangが「NFT禁止」を表明した背景には、そうした状況においてはっきりとNFTに対する姿勢を示さなければならなかった側面もあるだろう。NFT含むブロックチェーン技術の投機的側面や詐欺的利用ばかりが目立ち、ユーザーからの印象が悪化の一途を辿る状況なわけだ。

「NFT Worlds」は、そうしたイメージを打ち破り未来を切り開くことができるだろうか。そして、「より進歩した『マインクラフト』」を作り上げることができるのだろうか。

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