無料の短編ノベルゲーム『インディーゲームを作ろう!』配信開始。大作頓挫に体験版酷評、涙のむ開発者の“あるある”ADV


国内のデベロッパーみやこ出版は12月24日、ノベルゲーム『インディーゲームを作ろう!』を無料にて配信開始した。対応プラットフォームはPC(ふりーむ!)のほか、ブラウザ版も公開されている。 
 

 
『インディーゲームを作ろう!』は、「インディーゲーム開発」をテーマとしたノベルゲームだ。主人公は、ごく平凡なステータスの高校生。人並みの生活を送る一方、陰ではひっそり個人でゲーム開発を続けている。周囲には若き気鋭の開発者ナル、秀才で開発には興味ナシのノブ、サッカー部員の人気者キョウなど、さまざまな友人たちが取り囲む。 

個人での開発は苦悩の連続だ。いきなり超大作に挑めば頓挫する。プログラムを組んでも、動かない原因は分からないことだらけ。作っているうちに、自分でも何が面白いのか分からなくなっていく……そして、かろうじて体験版を公開しても、ユーザーからの手ひどい批判に心が折れる。こうしたなかでは、一人でゲームを作り続けるのか、誰かと組んでチーム開発に取り組むのかといった選択肢も浮かんでくる。選択を通して、ゆくゆくは主人公や周囲の人生も変わっていくのだ。 
 

 
本作を手がけたのは、みやこ出版として開発を続ける個人デベロッパーintheriver氏。これまでには、Steamなどにて作品を多数発表してきた。対戦型陣取りパズルゲーム『Conet』、突然猫になってしまった人を描くADV『私は猫になりたい』、謎のペンギンに追いかけられるステルスホラー『獄門ペンギン』など、幅広いジャンルを制作している。2021年には美麗ピクセルアートによる短編ADV『春と修羅』をリリースした。 

多数のゲームをリリースしてきたみやこ出版だが、最近では有料ゲーム開発を続けることにやや疲れを感じていたとのこと。気分転換でゲームジャムへの参加を検討するも、オフライン参加のハードルや海外ジャムに対する言語の壁からマッチできず。そこでこの12月、「ひとりゲームジャム」の開催に踏み切ったそうだ。期間を区切って、Twitterで開催宣言するなどして、普段の開発とは異なるメリハリをつけたという。なかなか予定通りにいかないなどの苦労もあったが、結果的にゲームは完成。素材やスクリプトなどの「リソースストック」の重要さを学ぶなど、intheriver氏としても学ぶところが大きかったそうだ。 
 

 
『インディーゲームを作ろう!』はふりーむ!にてPC向けに無料配信しているほか、ゲームアツマールにてブラウザ版が公開中だ。ちなみにみやこ出版は、弊社アクティブゲーミングメディアのゲームブランドPLAYISMからリリースされている『ケロブラスター』にもレベルデザインやシナリオなどで参加している。こちらは12月24日よりAndroid版が配信中である。