短時間で高品質なデジタルヒューマンを作成する「MetaHuman Creator」無料早期アクセスプログラム開始。UEで使用可能な50体以上のサンプルも配信中

 

Epic Gamesは4月15日、クラウドストリーミングアプリ「MetaHuman Creator」の早期アクセスプログラムを開始した。これまで数週間から数か月かかっていたクオリティのデジタルヒューマン(人間の3Dモデル)の作成を、1時間以内でおこなえるようになる。Unreal Engine 4で利用できる50体以上のMetaHumanの配信も開始された(Unreal Engine 4.26.2以降のバージョンをサポート)。


「MetaHuman Creator」は、高忠実度のデジタルヒューマンを簡単に作成できるクラウドストリーミングアプリ。髪の毛や服を含む、写実性の高いデジタルヒューマンを作り出すことができる。操作も単純で、品質を落とすことなく誰でも1時間以内にデジタルヒューマンを作成できるようになるという。

「MetaHuman Creator」では、実際の人物をスキャンしたライブラリを使用しており、調整がデータベースの限界内に収まるよう制限されている。そのため物理的にも説得力のあるデジタルヒューマンが作成できるのだ。顔の特徴や肌の色のバリエーションは無数に存在する。加えて約30種類のヘアスタイルや、目、化粧、歯などの選択肢から、多種多様な顔を作成できる。18種類の異なる体型と、服のセットも用意されている。

「MetaHuman Creator」の早期アクセスプログラムでは、ユーザーは自分のMetaHumanを作成して、Unreal Engineで直接使用したりダウンロードしたりすることが可能だ。Mayaファイルの形式でダウンロードされ、ダウンロード後も編集ができる。メッシュやスケルトン、フェイシャルリグ、アニメーションコントロール、マテリアルなどを含むソースデータが取得可能だ。


またいますぐMetaHumanを使用したいユーザーのために、50体以上の既成のMetaHumanが配信されている。Quixel Bridgeからダウンロードして、自分のプロジェクトで使用可能だ。こちらのツールは無料で、ツール内のMetaHumanのセクションを選択することで利用できる。

「MetaHuman Creator」はクラウドベースのサービスであることから、申請者を徐々に追加していく方式だ。そのためサービスを利用できるまでに、数日かかるかもしれない。Epic Gamesは全員が参加できるよう最善を尽くすため、安心してほしいと述べている。


また「MetaHuman Creator」は完全なフェイシャルリグとボディリグも備えている。ダウンロードしたアセットを使用してUnreal Engine上でアニメートし、キーフレームを設定可能だ。またEpic GamesのiOS向けのLive Link Fac‪e‬のようなアプリケーションでも使用できる。さらにARKit、DI4D、Digital Domain、Dynamixyz、Faceware、JALI、Speech Graphics、Cubic Motion solutionsなどサードパーティの提供する技術もサポートする。‬‬

詳細なモデルを作成できるだけでなく、モデルの品質も選択が可能だ。髪であれば、ストランドベースの髪をカードベースのグルームへ切り替え、さらにシンプルなヘルメットにもできる。顔のジオメトリやマテリアルを簡素なバージョンに変え、スペックの異なるさまざまなデバイスで使用可能だ。

リアルタイムでの実行にも対応している。RTX対応のグラフィックスカードであれば、ストランドベースの髪とレイトレーシングをオンにした最高品質でも実行できるという。アセットは8個のLoDを備えており、そのうちいくつかはヘアーカードを採用。AndroidやXbox Series X、PlayStation 5でリアルタイムでのパフォーマンスを実現するとのことだ。


無料の早期アクセスプログラムへ参加するには、Unreal Engineの公式サイトから申請をしよう。すでに申請が通ったユーザーは公式サイトからアプリを起動できるようだ。なお公式FAQによると、MetaHuman CreatorはUnreal Engineとの使用の場合、無料で使用可能。「サンプルプロジェクトを含め、MetaHuman Creator で生成されたキャラクターは、Unreal Engine以外でパブリッシュされたコンテンツとしての使用にはライセンスされていません」と記載されている。