『マインクラフト』大型アップデート「Caves and Cliffs(洞窟と崖)」は、今夏・年末のふたつに分割して実装予定

 

Mojangは4月14日、今年配信予定の『マインクラフト』次期大型アップデート「Caves and Cliffs(洞窟と崖)」を夏と年末に分割して配信することを発表した。Mojangは発表の中でその理由を、品質の維持、技術的難しさ、そして『マインクラフト』開発チームの健康に配慮した結果であるとして、難しい決断だったことを伝えている。
 

 
今回、Mojangが延期を決断した理由のひとつめが「品質」の問題だ。Mojangはアップデートの規模の大きさからして、夏にまとめてリリースするというスケジュールを強行すれば、品質を妥協せざるを得ないとしており、バグなどでユーザーのワールドやゲーム体験を壊すことを懸念しているようだ。また、可能な限り磨き抜かれたアップデートを提供したいとも伝えている。

つぎにMojangは「技術的難しさ」について触れている。アップデートを提供するまでに乗り越えなければいけない、いくつかの重要な技術的挑戦があるとしており、刷新されたワールド生成を例にあげて説明している。

「Caves and Cliffs(洞窟と崖)」アップデートではワールド生成に関する追加要素が多く、山や洞窟にも変化が加えられているほか、ワールドの高さ制限も上下に大きく拡張されており、その影響はオーバーワールド(ジ・エンドやネザーでない基本世界)全体に及ぶ。さらにはワールド生成そのものだけでなく、ゲーム自体のパフォーマンスに影響を与える可能性もあるとして技術的な困難さを伝えている。

そして最後が「従業員の健康」の問題だ。Mojangは夏に完全なアップデートを配信するためには従業員の長時間勤務が必要となるといい、たとえそうしても夏にすべてが仕上がる保証はないと伝えている。ほかにも、現在のパンデミックの中でのリモートワークはまだ難しい課題であるとして、開発チームの士気への影響だけでなく、高度な連携が必要とされる複雑な開発工程への妨げになっているとしている。
 

 
Mojangは、リリースが延びるのは残念なことであり難しい決断だったが、従業員の健康を守り、ファンに長く愛されるクオリティのアップデートを提供するためには最善の決断だったとしている。また、夏に予定している第1弾のアップデート内容について今後数週間のうちに掘り下げていくとして「可愛い、面白いMob」、「クールなアイテム」、「新しいブロック」について示唆し、「Caves and Cliffs(洞窟と崖)」をプレイヤーに提供するため可能な限りの努力をするとのべ、発表を結んでいる。

パンデミックによるリモートワーク化など、開発環境が変化する中でさまざまなことを天秤にかけた結果の決断なのだろう。ファンにとっては残念な発表かもしれないが、開発チームの健康とゲームのクオリティを優先したことは、長い目で見ればプレイヤーのためにもなるのではないだろうか。今後もMojangの動向を見守りつつ、まずは夏のアップデートについての情報を楽しみに待ちたい。