『Microsoft Flight Simulator』世界各国で、謎の巨塔乱立。現実世界を緻密に再現したフライトシムで目撃されるシュールな光景

Image Credit : _Xepa
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『Microsoft Flight Simulator』にて、謎めいた巨塔の確認報告が相次いでいる。『Microsoft Flight Simulator』は先日PC向けに発売された、現実さながらの世界にて大空を飛ぶフライトシミュレーター。リアルに構築された世界を眺めながら空を駆けることが可能。しかしイタリアの郊外にて、現実世界にはないはずの、すさまじい高さの巨塔が確認されている。

イタリア・カンパニア州ベネベントにある郊外パーゴ・ヴェイアーノ。人口2400人の小さな村。農地が広がっており、かなり田舎であることがわかる。しかしゲーム内でこのあたりを飛んでいると、異様なほどの高さを誇るビルが発見できるという。PC Gamerが実際にその場所へと訪問し、オベリスクと呼ばれる巨塔を確認している。田園地帯に突如として現れるビルは、見るからに異様だ。だが実際にはパーゴ・ヴェイアーノに、こうした塔が建っているわけではないようだ。Google Mapのストリートビューで確認した限りでは、モノリスもオベリスクも確認できない。マップデータの間違いである説が濃厚だ。

Google Mapのストリートビューから見た同エリア


『Microsoft Flight Simulator』では、ペタバイトを誇るBingマップのデータをAzure AIの解析によって取り込み、建物や環境の3Dモデルを生成してゲーム内に適用している。BingのデータをAzureによってゲームに落とし込んでいるわけだ。Bingにおいては、世界のさまざまな会社とパートナーを組んだり、ユーザー生成のマップデータを組み込んだりしながら、マップを構築している。

Bingマップは、欧米地域ではHere社のマップデータを中心に構成しつつ、詳細な建物データなどはユーザーの編集による地図プロジェクトOpenStreetMapを取り込んでいる。OpenStreetMapは、多人数参加型ということで詳細なマップデータを誇るが、一方でユーザー編集ということですべてのデータが必ずしも正確なわけではない。あくまで有志によるプロジェクトなのだ。

『Microsoft Flight Simulator』では、オーストラリアのメルボルンにて、“存在するはずのない謎の巨塔”の存在が報告されていた(関連記事)。その原因は、タイプミス。同地区に住む学生が、大学授業の一環でOpenStreetMapのデータを編集し、2階建ての民家を212階建てであると入力ミス。ほかのユーザーによって修正されたものの、212階建てのデータのままゲーム内に反映されてしまった(The Verge)。とある学生のタイプミス。それが巨塔の正体であった。

しかし巨塔の存在はオーストラリアに終わらなかったのだ。パーゴ・ヴェイアーノの巨塔もまた、そうしたマップデータのミスによる産物であることが濃厚だ。このイタリアの塔の存在を報告するRedditのスレッドでは、スイスにおいても似たようなビルが建っていると報告。そのほか、ノルウェーの郊外でも似たような光景が確認されているようだ。OpenStreetMapの建物情報の入力ミスは、実際の地図として参照する上では、あまり問題にならないだろう。ゲーム内に取り込みそれらを3Dで表現するとなれば、話は大きく異なってくる。“メルボルンのモノリス”は氷山の一角に過ぎず、世界各国の郊外にて奇妙な塔の存在が確認されているようだ。OpenStreetMapのデータは広い地域にて使われており、今後もこうした謎の塔の報告確認は続くと予想される。
【UPDATE 2020/8/26 12:25】
国内の地図について言及する文を削除

スイスの双塔 Image Credit : enkrypt3d

『Microsoft Flight Simulator』がリアルな世界を緻密に描き出すからこそ、こうした巨塔の存在が違和感を抱きやすいと言えるかもしれない。こうした巨塔は観光地と化したままなのか、それとも修正されるのか。今後のアップデートにてどのような対応がとられるのか、注目したいところだ。

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