チェルノブイリ・サバイバルFPS『S.T.A.L.K.E.R. 2』続報公開。巨大オープンワールドにて決断を繰り返すマルチエンドを採用


デベロッパーのGSC Game Worldは7月24日、現在開発中の『S.T.A.L.K.E.R. 2』のトレイラーを公開した。本作は、原子力発電所の事故が発生したチェルノブイリを舞台とするサバイバル・ホラーFPS『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズの最新作だ。PCに加え、今回Xbox Series X向けの発売も決定し、Xbox Wireにて本作の概要も披露されている。

『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズの世界では、チェルノブイリ原子力発電所は1986年に事故を起こしたあと、2006年にも爆発事故が発生。これによって周囲に生まれた「ゾーン」と呼ばれるエリアは、非常に高い放射線量に加え、異形のモンスターと謎のエネルギーを擁するオープンワールド世界として、シリーズを特徴付ける大きな要素となった。危険地帯であるゾーンは、それ自体が人類に対する脅威であるが、ある者は金になる宝を求め、またある者はここに秘められた謎に魅せられ、この地を訪れる者は後を絶たない。

本作にてプレイヤーは、そんな彼ら「S.T.A.L.K.E.R.(ストーカー)」のひとりとなり、ふたたびゾーンの探索へと赴くこととなる。今回公開されたトレイラーでは、荒廃したままのチェルノブイリの街や森林地帯、そして謎の施設内部などの様子を収めており、ディテールに富んだリッチなビジュアルで表現されていることが確認できる。

本作のゾーンは、他作品と比較して最大規模の、シームレスなオープンワールドとして開発されているという。また、開発元GSC Game Worldは以前、本作はAAA規模の作品になるとコメントしていた(関連記事)。ちなみにトレイラーの映像は、実際に使用するアセットにてゲームエンジン上で動作しており、本作の発売時に目指しているクオリティを反映しているそうだ。また、シリーズとして初のコンソール版がリリースされることについて、Xbox Series X向けには何の妥協も必要ないとしている。


トレイラーでは、ほかのストーカーたちが廃屋の側でくつろぐ様子も見られる。『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズの特徴というと、NPCのAIが環境や状況の変化に対応する行動を見せる「A-Life」と呼ばれるシステムも挙げられる。『S.T.A.L.K.E.R. 2』では、これを再構築して「A-Life 2.0」へと進化。この世界の状況や、モンスターを含むキャラクターたちのふるまいをコントロールして、ゾーンを常に変化する真に生きた世界として表現することが可能になったという。本作のゾーンにおいては、プレイヤーがその場にいるかどうかに関わらず、いくつものイベントや出会いが絶え間なく発生しているそうだ。

ゾーンを探索する中では、プレイヤーは定期的に難しい決断に迫られる。それによって短期的なものを含め、この世界にさまざまな影響を与えることに繋がり、その結果に向き合うことになるという。本作のプレイヤーそれぞれがユニークな体験をするには、A-Life 2.0に加えて物語も重要な要素。そうした決断の数々によって物語も多様に分岐していき、プレイヤーによって異なる結末を迎えることとなる。


『S.T.A.L.K.E.R. 2』の公式サイトでは、さらにいくつかの情報が公開されている。まず本作のゾーンについては、彼までのシリーズ作で見られたエリアに加え、新たなエリアも追加しているとのこと。また、本作はスタンドアロン作品であるため過去作のプレイは必須ではないが、プレイしていると没入感が最大まで高まるだろうとしている。

そのほか、アーティファクトやミュータントには新規のものを追加予定。トレイラーでは新たなAnomalyも見られたが、詳しくは実際にゲーム内にて確認してほしいとしている。また、ローンチ時からModをフルサポートし、可能な限りシンプルな形でModを制作できるよう努めるそうだ。

本作の開発元GSC Game Worldは、過去にスタジオ閉鎖を経験し、2012年には『S.T.A.L.K.E.R. 2』の開発を一度キャンセルしていた。そして2014年に活動を再開するも、シリーズを手掛けたかつてのスタッフの多くは存在せず、プロジェクトの続報も途絶えていた。しかし、2018年になって開発再開を突如発表。それからしばらく時間が空いたが、今年3月にティザー画像が公開され、今回のトレイラー披露へとこぎつけた形だ。

S.T.A.L.K.E.R. 2』は、PC/Xbox Series X向けに開発中で、ローンチと同時にXbox Game Passにも提供予定。発売時期については、以前には2021年になることが示唆されていたが、現時点では未定とのこと。また将来的には、ほかのコンソール向けにもリリースする可能性が示されている。