チェルノブイリサバイバルFPS『S.T.A.L.K.E.R. 2』さまざまな新情報が明らかに。シリーズの魅力はそのままに“AAA”規模の作品となる

過去作のスクリーンショット

ウクライナのデベロッパーGSC Game Worldが開発する『S.T.A.L.K.E.R. 2』の新たな情報がYouTubeチャンネル「Antishnaps」から投稿されたインタビュー動画にて明らかとなった。本作はチェルノブイリ原子力発電所の爆発により危険地帯となった周辺地域「ゾーン」を舞台に、任務を請け負うことで生計をたてる「ストーカー」となり、過酷なサバイバルを生き抜くFPS『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズ第4作目となる。

退廃的な世界と過酷なサバイバルが特徴の同シリーズは、オープンワールドで構成された広大なフィールド、生態系シミュレータ「A-Life」システムの採用による洗練されたAI、そして「チェルノブイリ原発事故」を題材とした重厚な世界観が多くのゲーマーたちの支持を集め、2007年に発売されたシリーズ1作目『S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl』は全世界で200万本を超える売り上げを記録した。その後、2008年には1作目の前日譚を描く『S.T.A.L.K.E.R.: Clear Sky』が発売。2009年には3作目となる『S.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat』が発売された。シリーズを通して繰り広げられてきたストーリーは、謎を残しつつも、3作目にして一区切りを迎えることとなった。

そのさなか、2010年にGSC Game World公式サイトにて、完全新作となる『S.T.A.L.K.E.R. 2』を公式に発表。同社でCEOを務めるSergiy Grygorovych氏は当時、公式サイト上で「シリーズ販売数が400万を超え、S.T.A.L.K.E.R.の世界で新しい大きな展開を始めることに躊躇はない」と語っていた。しかし2011年、GSC Game Worldはスタジオ閉鎖を迎えることとなり、2012年には同作の開発中止が報告。以後、さまざまな噂や憶測などを経て2018年、Sergiy Grygorovych氏は自身のFacebookにて『S.T.A.L.K.E.R. 2』の開発が再始動したことを報告。あわせて「2.0.2.1.」と記載された公式サイトをオープン。これにて『S.T.A.L.K.E.R. 2』が2021年発売予定ということが明らかとなった。そして今回、Antishnapsによるインタビューで新たな情報が判明した形となる。

過去作のスクリーンショット

Antishnapsが投稿した今回の動画は、いくつかの質問に対してGSC Game Worldが応えた内容を報告する形で公開された。そこで判明した内容をいくつか挙げていこう。

まず、なぜ『S.T.A.L.K.E.R. 2』の開発を再始動したのか。これは、続編を期待するシリーズファンがいることを踏まえ、プレイヤーの要望に応えていきたいと考えたため、プロジェクトを進めるに至ったようだ。次に「過去作のリメイク要素は含まれるのか」についてだが、そのような計画はないという。スタジオの現況については、チームの規模は過去作を手がけていた頃よりも大きくなり、開発メンバーには、世界的に著名なスタジオで活躍していた人物も参加。“AAA”規模の作品になるとのこと。関連して、バッカーからの投資や、パブリッシャーの協力を必要としていないこと、また開発の進捗具合は明確に明かせないが、順調に進んでいるといったことも述べている。開発中の映像に関しては現在、映像制作に必要な材料を収集している段階であり、今後『S.T.A.L.K.E.R. 2』開発における全工程を公開していきたいと考えているようだ。

過去作のスクリーンショット

ゲーム内容に関する新情報に関しては、Co-opモードおよび、バトルロイヤルモード実装の有無、VR対応の予定について明らかとなった。まず、Co-opモード実装に関しては今まで触れてこなかったこともあり、現時点では肯定も否定もできないようだ。バトルロイヤルモードとVRに関しては実装・対応を予定していないという。一方、Modderが新たなコンテンツの作成を開始できるよう、Modツールの作成に取り組んでいるようだ。これにより、Modによる改造が発売時より正式にサポートされる形となる。さらに、一部のMod開発者が今作の開発に協力しているとのこと。かねてから大型Modの開発などによる拡張が盛んだったシリーズだけに公式によるModサポートは嬉しい報せだろう。なお現時点で対応プラットフォームは明かされていない。

過去作のスクリーンショット

ほかにも『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズ固有の雰囲気がファンから支持されていることを踏まえ、今作もシリーズ3部作から強く影響を受けていることや、ゲームプレイ・ビジュアル面ともに、最新の技術が用いられているとも言及している。シリーズの魅力は残しつつも新たに生まれ変わった作品となりそうだ。シリーズの開発を手掛けるメンバーが離散しているということもあり、開発は難航を極めたと思われた『S.T.A.L.K.E.R. 2』。しばらく音沙汰がなかった作品であったが、開発チームは今後何らかのゲームイベントに定期的に参加していくともインタビューで述べていることから、今後も新たな情報の公開に期待できそうだ。