人気車サッカーゲーム『ロケットリーグ』基本プレイ無料化。あわせてSteamでの配信も停止へ


Psyonixは7月22日、『ロケットリーグ』を今夏より基本プレイ無料化することを発表した。同作は1980円で販売中の車サッカーゲーム。数多くのプレイヤーを抱える人気ゲームであるが、基本プレイ無料化されることになる。あわせて、Steam版の配信停止と、Epic Gamesストアでの配信を予告。今後新規のPCプレイヤーはEpic Gamesストアより、同作をダウンロードすることになるだろう。


『ロケットリーグ』は、2015年7月にPC(Steam)向けに発売された車サッカーゲーム。プレイヤーは車を操作し、壁などで仕切られたさまざまなフィールドにて、うまく車体をボールにぶつけて、対戦相手のゴールにシュートすることを目指す。シンプルなルールと操作、プレイヤーにテクニックがなくともめぐり合わせや運でゴールできる楽しさ、それでいて上級者も楽しめる競技性を兼ね合わせるなど、入りは易く奥が深いゲームプレイが好評を博し、PCだけでなくPS4/Xbox One/Nintendo Switchでもリリースされた。Steamの同時接続プレイヤー数は4万人~6万人を推移しており、プレイヤー数ランキングでも上位に食い込み続ける、大人気作品である。

また基本プレイ無料化に際しては、これまでにゲーム本編を購入したプレイヤーは下記のような特典を受け取れる。すでにアンロックしてきたアイテムについては、引き続き利用可能だ。

・基本プレイ無料化前にリリースされた「ロケットリーグ」ブランドのすべてのDLC
・最初に『ロケットリーグ』をプレイした年を示す「Est.20XX」型の称号
・200以上のコモンアイテムをレガシー級にアップグレード
・Golden Cosmos Boost
・Dieci-Oro Wheels
・Huntress Player Banner
・Faded Cosmos Boost(今日までにオンラインを遊んだプレイヤー向け)

これまでゲーム本編は1980円で販売しつつ、コスメDLCを細かく売る方式をとっていた同作。ここにきて大きな方向転換がなされるわけだが、その背景には昨年5月にEpic GamesがPsyonixを買収したことが絡んでくるだろう。Epic Gamesは昨年5月にPsyonixを傘下に入れており、ブランドは存続させつつ『ロケットリーグ』の開発チームごと吸収していた。買収時にEpic Games広報は、将来的に『ロケットリーグ』をEpic Gamesストアにて販売予定で、それ以降は同ストアのみでゲームが購入できるようになるとコメントしていた。この度は“その時”がきたということ。

実際の形態としては、Steam版『ロケットリーグ』を所有している既存プレイヤーは、前述の特典を受け取りつつ、そのままゲームをプレイできる。新たなコンテンツも得られ、アップデートも適用される。一方でこれからゲームを遊ぶ新規プレイヤーは、Epic Gamesストアからダウンロードするようになる形。Epic Gamesストア版とSteam版(およびコンソール版)はクロスプレイに対応しており、両プラットフォームプレイヤーはユーザー人口についても確保されている。また新たにクロスプログレッションを導入し、Epic Gamesアカウントを介して、全プラットフォームにて進行状況を引き継ぎ可能になるとのこと。


なぜEpic Gamesストアに移行するかというと、手数料の問題が関係していると予想できる。『ロケットリーグ』の本編およびDLCをSteamで販売する上では、Steamを運営するValveに売上の一定(20~30%)を手数料として支払う。Epic Gamesストアで販売すれば手数料をとられることもない。もちろん、Epic Gamesストアのコンテンツを増やすといったねらいもあるだろう。

基本プレイ無料化することにより、新たな出発をはかることになる『ロケットリーグ』。 トーナメントやチャレンジといった主要機能の刷新もはかられる予定だという。 特に課金まわりのシステムについては、大きく変化していくことだろう。『ロケットリーグ』はPC(Steam)/PS4/Xbox One/Nintendo Switchにて配信中。基本プレイ無料化は今夏の後半になされる予定だ。