コロプラがMAGES.を完全子会社化へ。『STEINS;GATE』などを手がけたADVメーカーがコロプラ傘下に


コロプラは3月30日、同社の取締役会において、株式会社 MAGES.のすべての株式を取得し、完全子会社化することを決議したと発表した(リンク先はPDF)。これにより、MAGES.は2020年4月3日より、コロプラグループの傘下に入る。取得価額の合計は、概算で16億1200万円とのこと。

MAGES.は、『STEINS;GATE』『OCCULTIC;NINE』などの科学アドベンチャーゲームや、音楽事業など多岐にわたるエンタメを手がけてきた企業。同社は昨年7月までドワンゴグループの傘下にあった。しかし同月、志倉千代丸氏が代表を務めているCHIYOMARU STUDIOが、マネジメント・バイアウトを実施し、ドワンゴが所有していた全株式の買い取りを実施。独立を果たしていた。あわせて、2019年7月26日に「5pb.」を、「MAGES.」へ順次統一していくとも発表していた。

志倉千代丸氏自身の手によって独立を果たしたMAGES.であるが、半年を経たずしてモバイルゲーム大手コロプラ傘下に入ることになる。コロプラはリリースにて「当社は、MAGES.のオリジナル IP 創出力と保有する人気 IP を当社グループに加えることで、当社グループの主力事業であるモバイルサービス事業において、一層の競争力向上を見込んでおります。また MAGES.は、当社グループに参画し財務基盤および経営管理体制を強化することで、同社の強みである新規エンターテインメント事業の創出を加速させます。これらの点から、MAGES.を当社グループに迎え入れることは当社グループの企業価値向上に大きく寄与するものと判断し、MAGES.の全株式を取得することといたしました。」とコメントしている。

コロプラといえば『魔法使いと黒猫のウィズ』や『白猫プロジェクト』などで知られるモバイルゲーム会社大手。また位置情報ゲームにおいてもノウハウを持っており、『ドラゴンクエストウォーク』の開発運営も担当している。同社はさまざまな分野の子会社を抱えており、今回のニュースもいち早く報じたビジネス寄りのゲームメディア「ソーシャルゲームインフォ」を運営するソーシャルインフォや、かつては『パタポン』などを開発し現在は『アリス・ギア・アイギス』の開発運営に携わるピラミッド、「ナルト」や「BLEACH」など数多くの版権ゲームを手がけてきた実績のある開発会社エイティングなどを抱えている。バラエティ豊かな子会社の面々にMAGES.が加わることになる。

MAGES.はアドベンチャーゲームの開発に定評があり、昨年には任天堂の『ファミコン探偵倶楽部』を同社が手がけることも発表されていた。同作については、コロプラと任天堂の間で係争があっただけに今後の進展が気になるところ。とはいえ、ゲーム制作・音楽プロデュース共に実績を誇るMAGES.のさらなる飛躍、そして同社がもたらすコロプラの多様化に期待が寄せられるだろう。