『FF14』高難易度レイド「希望の園エデン零式:共鳴編」にて日本のチーム「Sylink」がワールドファーストに。日本勢による零式のファーストは6年ぶり

 

今月2月18日に実装された『ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ』のパッチ5.2にて、「零式」と呼ばれるレイドシリーズの最新コンテンツである「希望の園エデン零式:共鳴編」が追加された。零式は実装されるごとに世界中のレイドチームが入念に準備をして世界最速クリアを目指す「レイドレース」が行われるが、今回は日本のチームである「Sylink」が世界初のクリアを報告し、共鳴編の勝者となった。

零式は位置づけとしてはエンドコンテンツであるものの、最難関コンテンツの座を「絶」と呼ばれるレイドシリーズに譲ってからはエンドコンテンツとしては比較的マイルドな調整のバトルとなっている。これまでに3つ実装されている「絶」シリーズの最速クリアまでの時間がそれぞれ11日、5日、4日(93時間)となっているのに比べ、零式はパッチ4.xで実装されていた「次元の狭間オメガ零式」の3つがそれぞれ16時間、18時間、41時間、前回の零式であった「希望の園エデン零式:覚醒編」が14時間となっている。

どちらかというと「短距離走」の側面が強い零式のレイドレースだが、絶以上に過酷な側面もある。零式は4つの層に別れており、週毎に取得制限のあるトークンで交換できる装備や、低層でドロップする装備を集めてアイテムレベルを高くしてから深層に挑んでいくように設計されている。特に4層はそれなりに最新の装備を揃えたキャラクターがプレイするのを前提に調整されている(とされている)。パッチ実装直後に可能な装備更新には限界があるので、4層は想定されているよりもかなり貧弱な装備で攻略をしなければならず、この「想定アイテムレベルと攻略アイテムレベルの乖離」が生み出す被ダメージの大きさと要求火力の厳しさは場合によっては絶をも超える。ギミックの難解さに関しては流石に絶に軍配が上がるが、それなりに難しいギミックをこなしつつ綱渡りのヒールと火力を両立する必要があり、許容されるミスも少ない。短時間での攻略では必然的に休憩や睡眠時間も短く済ませる必要があり、要求される持続的な集中力は並大抵のものではない。

今回のレイドティアーである共鳴編は、最新の絶である「絶アレキサンダー討滅戦」にて圧倒的な差でファーストを勝ち取ったチームである「Thoughts Per Second」の独走にて終了すると多くのプレイヤーが予想していた。また、クリア時間に関しても24時間以内に終わるだろうと踏んでいた人が多いだろう。しかし蓋を開けてみれば「Thoughts Per Second」は最速での3層踏破報告以降音沙汰がなく、配信チームも含めてさまざまなチームによる4層の時間切れ到達が報告され始め、もはやどこがファーストを取っておかしくはないという空気が流れ始めた。そんな中、日本のチーム「Sylink」による撃破報告があがったというわけだ。『FF14』のレイドレースは伝統的にNAとEUが圧倒的に強く、日本勢による零式のワールドファーストは2014年の「大迷宮バハムート:真成編」ぶり、史上2回目となる。またクリア時間に関しても35時間と予想を大きくオーバー。3層が8時間時点でクリア報告が出ていたことを考えると、4層に丸一日近くが費やされていることになる。

ワールドファーストこそ出たものの、レイドレースはまだ続いている。4層のラストまで到達したと報告しているチームは多く、本日はクリア報告ラッシュが予想されるだろう。ワールド2ndや3rdがどうなるのか、他の日本チームたち、そして海外の強豪チームたちが何位に終わるのか、もうしばらくレースの様子からは目が離せない。